「睡眠障害」タグアーカイブ

(論文紹介)温熱環境と自律神経

日進の小学校近くにあった庚申塔。三猿が台座にいます。調べてみるとなかなか面白い。三猿は日光東照宮がオリジナルくらいに思っていました。

温熱環境の睡眠が自律神経に及ぼす影響ということで富山大学の論文をご紹介させていただきます。

富山は、年間を通して日本で最も湿度の高い地域の一つで、肌のきれいな美人が多いことでも有名ですね。その湿度の高さや夏場の気温の高さが、睡眠時に人体に与える影響についての研究です。

(論文紹介)温熱環境と自律神経

室温27度の設定で睡眠すると、人はどのような反応を示すのかという実験結果です。寝ているのに副交感神経活動が低下し、自律神経の乱れが生じることで、体に様々な影響が生じる可能性があるということです。「熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上)の日数が多い年ほど熱中症死亡数が多くなることが報告されている.これらのことから,熱帯夜のような不快な環境下で就寝すると,深睡眠となっても交感神経が相対的に優位となるため心血管系に対する負担が増大し,このような生体反応が就寝中の死亡に関与している可能性があると考えられる。」

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(論文紹介)脳構造および認知能力の睡眠持続および年齢に関連した変化

睡眠不足で、脳が委縮して空間が増える。筋肉のように使っているか使っていないかで増えたり減ったりするのとはメカニズムが違う気がします。眠ることによる維持できる仕組みがあるようです。

本日は高齢者の認知能力と睡眠の関係を調査した論文をご紹介させていただきます。睡眠時間の長さと、脳の萎縮変化をMRIで調査した結果、睡眠時間が短い対象者の脳萎縮が顕著にみられたという内容です。
要約をご紹介いたします。原文は以下のURLから参照願います。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4098802/

「脳構造および認知能力の睡眠持続および年齢に関連した変化」

測定と結果
参加者は2年ごとに磁気共鳴イメージングと神経心理学的評価を受けた。睡眠持続時間および質ならびに血液サンプルの主観評価を得た。ベースライン時の睡眠時間の減少の1時間ごとに、脳室の年間拡大率を0.59%(P = 0.007)、世界的認知能力の年率低下率を0.67%(P = 0.050)年齢、性別、教育、および体格指数の影響。対照的に、ベースラインにおける全身睡眠の質は、脳または認知的老化を調節しなかった。全身性炎症のマーカーである高感受性C反応性タンパク質は、ベースライン睡眠期間、脳構造、または認知能力と相関がなかった。

結論
健康な高齢者では、短い睡眠期間は年齢関連の脳萎縮および認知低下と関連している。これらの関連は、短い睡眠者間の上昇した炎症反応に関連していない。

結果
脳構造の経時変化に対するベースライン時の睡眠の影響

我々のコホートにおける全脳容積、灰白質体積、白質体積、海馬容積、総心室容積、下前頭回流容積、および上前頭回容積の縦方向変化は、報告されたものに匹敵するか、健康な高齢者の他のサンプル。

参加者は、心室拡張の割合が変化し、一部は顕著な変化を示さず、その他は最大APCが8.35%であった。心室APCの変動の約10.2%がベースライン時の睡眠持続時間によって説明された(P = 0.039)。eTIVの影響をコントロールした後、ベースライン時の睡眠持続時間の1時間ごとの減少は、脳室の年間拡張を0.55%増加させた(標準化されていない係数:B = -0.552、P = 0.013)。年齢、性別、教育、およびBMIの影響をさらに管理した後、ベースライン睡眠期間の影響は統計的に有意であった。ベースライン時の睡眠期間の1時間ごとの減少は、毎年の心室膨張率の0.59%の増加を予測した(B= -0.587、P = 0.007)。さらに、両心室の総心室容積が3SDを超える2人の参加者を除外した後でさえ、心室拡張の速度に対するベースライン睡眠持続時間の有意な寄与を見出した(B = -0.616、P = 0.005)。この睡眠期間の影響は、他の脳尺度では観察されなかった(P> 0.148)。

結論
比較的健康な高齢者であっても2 年の短い間隔であっても、自己報告されたベースライン時の短い睡眠は、より速い心室拡張を予測する。ベースラインでの短い睡眠期間の効果は、認知能力の低下を加速させる上でより多様で控えめであり、予備的とみなされるべきである。あまり健康でない高齢者の脳および認知老化を予測する上で、睡眠の持続時間がより重要な役割を果たすかどうかはまだ調査されている。

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(論文紹介)労働時間と睡眠時間

リスがドングリを保存するために土に埋めると、忘れて掘り返されなかったドングリがそこから芽を出すので、森の成長に一役かっているという話。眉唾かと思ったら案外間違っていないようです。ちゃんと調べた人がいるのですね。
ただ、リスが食べるために埋めたのか、芽吹かせるために埋めたのかその真意は人にはわかりませんね。

(論文紹介)労働時間と睡眠時間
労働時間が睡眠時間にどう影響するかを調べた報告書です。仕事とストレス。ストレスと睡眠。よく考えなければいけません。
全文は長いので、以下のURLで原文をご覧ください。ここでは要旨のみをご紹介させていただきます。
http://www.esri.go.jp/jp/prj/hou/hou054/hou54_03_02.pdf
3 研究論文集

労働時間と睡眠時間
獨協大学経済学部 教授 阿部 正浩

要旨
この論文の目的は、日本人の睡眠行動と労働の関係を探ることにある。社会生活基本調査を用いて実証分析した結果、次のような結論が得られた。
一つ目の結論は、労働時間の長さは睡眠時間に影響するということである。男性の平均的な睡眠時間は女性に比べて長いが、その分布は広く、労働時間によって睡眠時間の長さが変化していることになる。女性の場合には雇用形態によってその度合いは異なるが、全般的に労働時間が長いほど睡眠時間は短くなる。二つ目の結論は、男性と女性正規雇用者の睡眠に関する固定時間費用は小さく、労働時間の変動を睡眠時間の長さで調整していることだ。1 日24 時間だから、一つの行動が長くなれば他の行動を短くするのは当然だ。しかし、男性と女性の正規雇用者に関しては、労働時間の長さを、他の行動ではなくて、睡眠を短くすることで調整している傾向にある。これに対して女性パート・アルバイトについては、家事の固定時間費用が低く、労働時間の変動を家事時間で吸収する傾向にある。
そして、睡眠時間の固定時間費用は高く、睡眠時間で調整は正規雇用者に比べて小さい。
以上の結論は、我が国において労働時間管理が、人々の健康管理の上でも重要な役割を果たすことを示唆する。特に正規雇用者の場合、他の雇用形態と比べて、労働時間の長さを睡眠時間で調整しようとする傾向にあり、長時間労働は睡眠不足をもたらす。たとえば、表4 の男性正規雇用者の労働時間の係数は、0.147 だが、これは労働時間が1 時間長くなる毎に9 分ほど睡眠時間が短くなることを意味する。ワーク・ライフ・バランス政策の推進は、仕事と家庭の両立だけでなく、国民の健康促進の上でも重要である。

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(論文紹介)総説:日本における睡眠障害の頻度と健康影響

近所の梅林。つぼみが少しづつ膨らんできているようです。場所によってはもう結構咲いているのかもしれませんね。

総説:日本における睡眠障害の頻度と健康影響
睡眠障害と健康との因果関係については、誰でも承知と思ってはいるものの、実際のエビデンスに基づいた資料などが体系的に示されているものがあまりなかった。
それを様々な実験結果や調査結果と関連付けて総説とした論文です。最終的なまとめも結果的には私の安眠家具につながると思いますが、一つだけ気に入らないのが、睡眠薬を医師の指導で正しく使えば安全というところですね。少なくとも日本の医師で不眠症の症状を患者の申告ではなく、検査を行ったうえで正しく処方しているほうが、圧倒的に少ない現状が正しくないと思っています。

(論文)総説:日本における睡眠障害の頻度と健康影響
https://www.niph.go.jp/journal/data/61-1/201261010002.pdf

土井由利子
国立保健医療科学院統括研究官(疫学調査研究分野)
Prevalence and health impacts of sleep disorders in Japan

抄録
近年,国内外の数多くの睡眠研究によって,睡眠障害が罹病のリスクを高め生命予後を悪化させるというエビデンスが積み重ねられて来た.世界的に睡眠研究が進む中,睡眠問題は取り組むべき重要課題として認識されるようになり,日本を含む各国で,国家的健康戦略の1 つとして取り上げられつつある。このような流れの中で,過去10 年間を振り返って,日本における睡眠障害の頻度(有症率)と睡眠障害による健康影響について,エビデンスをもとにレビューすることは,公衆衛生上,有意義なことと考える。
文献レビューの結果,睡眠障害の有症率は,慢性不眠で約20%,睡眠時無呼吸症候群で3% ~ 22%,周期性四肢運動障害で2 ~ 12%, レストレスレッグス症候群で0.96 ~ 1.80%,ナルコレプシーで0.16 ~ 0.59%,睡眠相後退障害で0.13 ~ 0.40%であった。
健康影響に関するコホート研究では,死亡に対し短時間睡眠で1.3 ~ 2.4,長時間睡眠で1.4 ~ 1.6,2 型糖尿病の罹病に対し入眠困難で1.6 ~ 3.0,中途覚醒で2.2 と有意なリスク比,入眠困難と抑うつとの間で1.6 と有意なオッズ比を認めた.日本国内外のコホート研究に基づくメタアナリシス研究でも同様の結果であった。
以上より,睡眠障害へ適切に対処することが人々の健康増進やQOL の向上に大きく寄与することが示唆された。そのためには,睡眠衛生に関する健康教育の充実をはかるとともに,それを支援する社会や職場での環境整備が重要である。また,睡眠障害の中には,通常の睡眠薬では無効な難治性の神経筋疾患なども含まれており,睡眠専門医との連携など保健医療福祉における環境整備も進める必要がある。
キーワード:睡眠障害,睡眠時間,不眠,死亡,罹病

Ⅰ.はじめに
近年,国内外の数多くの睡眠研究によって,睡眠障害が罹病のリスクを高め生命予後を悪化させるというエビデンスが積み重ねられて来た.世界的に睡眠研究が進む中,睡眠問題は取り組むべき重要課題として認識されるようになり,日本を含む各国で,国家的健康戦略の1 つとして取り上げられつつある.このような流れの中で,過去10 年間における日本の睡眠障害の実態を明らかにし,その健康影響についてエビデンスをもとに概観することは,公衆衛生上,有意義なことと考える。
そこで,本稿では,ヒトの正常睡眠と睡眠障害について概説した上で,これまでに蓄積された疫学研究の成果をもとに,日本における睡眠障害の頻度(有症率)と健康影響についてレビューする。

Ⅱ.睡眠の量,質,リズム
私たちの眠り(睡眠)と目覚め(覚醒)は,体内にある生物時計による時刻依存性(サーカディアンリズム)と,時刻に依存しないで覚醒時間の長さによって量と質が決定される恒常性維持機能(ホメオスターシス)によって制御されている.以下に,ヒトの正常睡眠について簡単に解説する。

1.睡眠の量と質
夜間ヒトの睡眠中に電極を付けて終夜ポリグラフ(脳波・眼球運動・筋電位)をとると,脳波では,覚醒→ノンレム睡眠(段階1 →段階2 →段階3 →段階4)→レム睡眠を1 サイクル(約90 分)として,1 晩に3 ~ 5 サイクルを繰り返す.覚醒と浅いノンレム睡眠(段階1 と段階2)が混在する移行期を入眠過程という。浅いノンレム睡眠から,徐波睡眠(段階3 と段階4)とよばれる深いノンレム睡眠へ進み,レム睡眠(脳波↑,筋電位↓,急速眼球運動)を経て1 サイクルが終わる[1]。
Ohayon ら[2] は,5 ~ 102 歳の健常人3,577 人(5-19 歳:1,186 人,20-102 歳: 2,391 人)を対象に実施された終夜ポリグラフまたはアクチグラフから得られた睡眠変数(総睡眠時間,睡眠潜時,睡眠効率(睡眠/(睡眠+覚醒)),睡眠段階1(%),睡眠段階2( %),徐波睡眠(%),レム睡眠(%),レム睡眠潜時,中途覚醒時間)をプールし,年齢による睡眠変数への影響についてメタアナリシスを行った(図1)。
この研究によれば,年齢が進むにつれて,総睡眠時間,睡眠効率,徐波睡眠,レム睡眠,レム睡眠潜時が減少,睡眠潜時,中途覚醒時間,睡眠段階1,睡眠段階2 が増加することが認められた.年齢以外では,精神疾患,身体疾患,服薬や飲酒,睡眠時無呼吸などの睡眠障害,性別,睡眠習慣などが,睡眠変数の分布に影響を及ぼすことが確認された。2.睡眠・覚醒リズム
ヒトの睡眠・覚醒リズム(概日リズム)の概念図を示す(図2)[3,4].生物時計の機能は,①自律性の概日リズム,②昼夜変化(明暗サイクル)への同調,③生体機能への概日リズムの伝達と発現の3 要素に分解できる.睡眠・覚醒リズムあるいは睡眠・覚醒傾向は,生物時計,恒常性維持機能,明暗サイクル(光)によって制御され,その他の要因(図2 の左上のボックス内,右のボックス内)によって影響を受ける。
生物時計自体の発する概日リズムを直接測定することはできないが,深部体温,メラトニン,ホルモン(コルチゾール,成長ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,プロラクチンなど)の測定値が概日リズムを示すことによって,生物時計の概日リズムを間接的に観測することができる。

Ⅲ.睡眠障害
睡眠障害に関する国際分類には,世界保健機関(WHO)による「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD)),米国精神医学会(APA)による「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders( DSM))」などがあるが,ここでは,米国睡眠障害連合(ASDA)が中心となってまとめた「睡眠障害国際分類(International Classifi cation of Sleep Disorders(ICSD))」を紹介する。加えて,主な睡眠障害が日本ではどのくらいの頻度でみられるのか,これまでに行われた疫学研究をもとに紹介する。

1.睡眠障害国際分類
2005 年に改訂された睡眠障害国際分類第2 版(ICSD-2)[5,6] による主要な睡眠障害(8 項目)を表1 に示す。
それぞれの睡眠障害は,さらに次のように,細分類される。
不眠症(適応障害性,精神生理性,逆説性,特発性,精神障害,不適切な睡眠衛生,行動的(小児期),薬剤・物質,内科的疾患,特定不能(非器質的),特定不能(器質的)),睡眠関連呼吸障害(中枢性睡眠時無呼吸症候群,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,睡眠関連低換気/ 低酸素血症症候群,その他),中枢性過眠症(ナルコレプシー,反復性,特発性,行動起因性睡眠不足症候群,内科的疾患,薬剤・物質,特定不能(非器質的),特定不能(器質的)),概日リズム睡眠障害(睡眠相後退型,睡眠相前進型,不規則睡眠・覚醒リズム,自由継続型,時差型,交代勤務型,内科的疾患,薬剤・物質,その他),睡眠時随伴症(ノンレム睡眠からの覚醒障害,レム睡眠関連,その他),睡眠関連運動障害(レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群),周期性四肢運動障害,睡眠関連下肢こむらがえり,睡眠関連歯ぎしり,睡眠関連律動性運動障害,特定不能,薬剤・物質,身体疾患),孤発性の諸症状・正常範囲内の異型症状・未解決の諸問題(長時間睡眠者,短時間睡眠者,いびき,寝言,ひきつけ,ミオクローヌス),その他の睡眠障害(環境性,その他)。
いずれの睡眠障害も,疾患特異的な症状のほかに,夜間の不眠や日中の眠気といった症状を呈する。睡眠障害に応じて治療方法が異なるので,ICSD-2 に基づいて,正しく診断・分類することが肝要である。

2.睡眠障害の頻度
表2 に,それぞれの睡眠障害を有する人々がどれくらいいるのか,日本で実施された主な疫学研究の結果(有症率)を示す。

いずれも地域・職域で行われた比較的大規模なヒト集団を対象としたものであるため,その多くは,目的とする睡眠障害に適した質問紙を用いて,対象者の自己申告に基づき,睡眠障害があるかどうかの判定を行っている。
1997 年に実施された全国調査によれば,入眠困難(寝付きが悪い)や中途覚醒(夜間・早朝に目が覚める)などの不眠の症状が一時的ではなく1 ヶ月以上続く,慢性不眠の有症率は約20% と推定された[7,8].ICSD-2(2005 年)の不眠症の判定基準では[5],夜間の不眠の症状に,日中の機能障害(日中の眠気,注意力・集中力の低下など)が追記されたので,この判定基準に照らし合わせると,不眠症の有症率は,これよりも低くなるであろう。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の判定の場合には,終夜ポリグラフ検査による睡眠中の呼吸イベント(無呼吸・低呼吸/ 睡眠1 時間)の確認が必須であるが[5],疫学研究では,携帯型の簡易装置(パルスオキシメーター,鼻口呼吸センサー,気道音センサー)を用いて睡眠1 時間あたりの動脈血酸素飽和度の3%以上の低下や無呼吸・低呼吸の頻度を測定して代用している.睡眠時無呼吸症候群の有症率は,おそらく対象とした集団や測定方法の違いなどからであろう,低いものでは約3%(地域住民女性),高いものでは
約22%(職域男性)と,大きな開きがみられた[9-12]。
ナルコレプシーの有症率は0.16 ~ 0.59%[13,14],睡眠相後退障害の有症率は0.13 ~ 0.40% [15,16],レストレスレッグス症候群の有症率は0.96 ~ 1.80%[17-19] と,不眠症や睡眠時無呼吸症候群に比べると,その頻度は低い。
周期性四肢運動障害は,ノンレム睡眠期に足関節の周期的な不随意運動によって夜間の睡眠が妨げられる障害であるため,判定には終夜ポリグラフ検査が必須である[5]。
ここで報告されている周期性四肢運動障害の有症率2 ~12%[20,21] は,第3 者(ベッドパートナーやルームメイトなど)による評価(眠っている間に足のビクンとする動きがある)に基づいて判定されたものである。

Ⅳ.睡眠と健康
ここでは,睡眠時間と死亡(総死亡)や罹病(2 型糖尿病),慢性不眠と併存疾患や罹病(2 型糖尿病,うつ病)に関して,これまでに蓄積された疫学研究の成果から,現時点で明らかになっていることについて解説する。

1.睡眠時間
1)分布
2007 年に厚生労働省によって実施された2 つの実態調査(国民健康・栄養調査[22]) と労働安全衛生特別調査[23])の報告をもとに,睡眠時間の分布を示す(図3)。

無作為に抽出された全国の15 歳以上の一般住民(8,119 人)および20 歳以上の民営事業所従業員(11,440 人)ともに,6-6.9 時間を中央値・最頻値とした正規分布をしていた。睡眠時間が6 時間未満の者の割合は,15 歳以上の住民では,男性26%,女性31%,20 歳以上の従業員では,男性41%,女性45% であった.年齢階級別(図4)では40-49 歳(37%),

職種別(図5)では保安(68%),運輸(50%),営業・サービス(49%)が高い割合を示した.一般住民[24],ホワイトカラー[25],シフトワーカー[26] を対象とした先行研究では,睡眠時間が6 時間を下回ると,日中に過度の眠気を来すことが報告されている。
睡眠時間が9 時間以上の者に関しては,従業員ではみられなかったが,15 歳以上の一般住民では全体で3% であった(図3)。これを年齢階級別に見ると,70 歳以上では10% に上っていたが,70 歳未満は2% 以下であった(図4).終夜ポリグラフから客観的に得られた健常人の睡眠時間は,年齢とともに減少することが確認されている(図1)。
高齢者の場合,本人の自己申告(アンケート調査や生活時間調査など)による睡眠時間には,実際の睡眠時間(図1の総睡眠時間に相当)の他に,床の中で寝付くまでに要する時間(図1 の睡眠潜時に相当)や途中で目が覚めた時間(図1 の中途覚醒に相当)や午睡の時間が含まれている可能性がある。

2)死亡
近年,多くの疫学研究(コホート研究)により,睡眠時間が総死亡と有意な関連(U字型)を示したとする報告が相次いだ.これらのコホート研究をもとに,Gallicchio Lら[27] とCappuccio FP ら[28] は,それぞれ独自に睡眠時間と死亡に関するメタアナリシスを行った.メタアナリシスには,異質性や公表バイアスなど研究方法上の限界はあるものの,ここでは,2009 年3 月までに発表された論文をもとにCappuccio FP ら[28] が行ったメタアナリシスによる最新の知見を紹介する.この中には,日本からのコホート研究[29-33] が含まれているが,同一のコホート研究からの発表論文[32,33] は基準に合致した方が採用されている.その結果,死亡に対する相対リスク(95% 信頼区間)は,短時間睡眠(7 時間未満,6 時間未満,5 時間未満,4時間未満と定義は異なる)で1.12(1.06-1.18),長時間睡眠(8時間以上,9-9.9 時間,9 時間以上,10 時間以上,12 時間以上と定義は異なる)で1.30(1.22-1.38)と有意に高くなっていた(表3)。

短時間睡眠と死亡との因果関係の機序については,充分に解明されているわけではないが,短時間睡眠による糖代謝および交感神経系や免疫系への影響が示唆されている。長時間睡眠と死亡との因果関係については,その機序を示唆する研究は今のところ無い。むしろ,調整しきれなかった交絡要因(潜在要因を含む)や併存疾患によるものではないかと考えられている.例えば,長時間睡眠と関連があるとされる,芳しくない健康状態,診断のついていない病気,身体活動状態の低下,抑うつ状態,良好ではない社会経済状態などである。

3)2 型糖尿病
Cappuccio FP ら[34] は,2009 年4 月までに発表されたコホート研究の論文をもとに,睡眠の量(睡眠時間)や質(不眠)と2 型糖尿病の罹病に関するメタアナリシスを行った(表3).その結果,2 型糖尿病の罹病に対する相対リスクは,短時間睡眠(7 時間未満,6 時間未満,5 時間未満,と定義は異なる)で1.28(1.03-1.60),長時間睡眠(8 時間以上9 時間以上と定義は異なる)で1.48(1.13-1.96)と有意に高くなっていた.これらの因果関係の機序については,Ⅳ -1-2)と同様に,考えられている。
なお,この中には,日本から職域でのコホート研究(6,509人)[35] が含まれているが,2 型糖尿病の罹病に対する相対リスクは,短時間睡眠,長時間睡眠,いずれにおいても有意ではなかった。

2.不眠
1)併存する症状や疾患
不眠の症状は,さまざまな心身の症状と関連しており,身体疾患や精神疾患などと併存している[5].前述のⅢ- 2で紹介した全国調査によれば,慢性不眠の症状(入眠困難や中途覚醒)と関連する心身の症状として,腰痛,心窩部痛,体重減少,頭痛,疲労,心配,いらいら,興味の喪失[36],併存疾患として,高血圧症,心疾患,糖尿病,筋骨格系疾患,胃・十二指腸潰瘍[37] が認められた。

2)2 型糖尿病
前述したCappuccio FP ら[34] による,睡眠の量(睡眠時間)や質(不眠)と2 型糖尿病の罹病に関するメタアナリシスでは,2 型糖尿病の罹病に対する不眠の症状の相対リスクは,入眠困難で1.57(1.25-1.97),中途覚醒で1.84(1.39-2.43)と有意に高くなっていた.これらの因果関係の機序については,Ⅳ -1-2)と同様に,考えられている。
なお,この中には,日本から,前述の職域でのコホート研究[35] と地域でのコホート研究(2,265人)[38] が含まれている. 地域のコホート研究では, 入眠困難で2.98(1.36-6.53),中途覚醒で2.23(1.08-4.61),職域のコホート研究では入眠困難で1.62(1.01-2.59)と有意であったものの,中途覚醒では1.36(0.87-2.14)と有意差を認めることができなかった.職域のコホート研究では,睡眠時間でも有意差を認めなかったことなどを考え合わせると,理由の1 つとして,健康労働者効果などが考えられる。

3)うつ病
Baglioni C ら[39] は,2010 年2 月までに発表されたコホート研究の論文をもとに,主としてDSM- ⅣまたはTR に基づく不眠症とうつ病の罹病に関するメタアナリシスを行った(表3).その結果,うつ病の罹病に対する不眠症のオッズ比(95% 信頼区間)は,2.10(1.86-2.38)であった.なお,この中には,日本からの研究は含まれていなかった。
近年,日本において,不眠の症状と抑うつの関連をみたコホート研究では,65 歳以上の地域住民3,065 人を3 年間追跡した結果,入眠困難を有する者はそうでない者に比べ抑うつを呈したオッズ比が1.59(1.01-2.50)であったと報告されている[40]。

Ⅴ.おわりに
以上,日本における睡眠障害の頻度と睡眠障害による健康影響について,解説した.夜間の睡眠障害と日中のQOL(主観的健康感の低下や仕事上・人間関係上のトラブルや事故など)の低下には有意な関連がある[41].しかしながら,睡眠が障害されても適切な対処行動が取られず,寝酒を常用する(男性37.4%,女性10.0%)などして,かえって早朝覚醒を来し充分な睡眠を維持できず悪循環に陥る[42]。
睡眠障害に適切に対処することによって,人々の健康増進やQOL の向上に,大いに貢献できるものと考えられる。
表4 に睡眠障害に対処するための指針を示した。
一人一人が睡眠衛生の面から自分に合った睡眠を確保できるよう,健康教育の充実をはかるとともに,それを支援する社会や職場での環境整備が求められている.睡眠障害の多くが,夜間の不眠の症状に日中の眠気など不眠症に共通の症状を呈するが[5],通常の睡眠薬では効果が期待できない疾患,あるいは憎悪してしまう疾患もある.この中には,難治性の神経筋疾患や神経変性疾患なども含まれている[43].症状が改善しない場合には,睡眠障害を専門とする医師による診断と治療が必要となる.保健医療福祉の諸機関と睡眠専門医療機関との連携といった環境面での整備も望まれるところである。

文献
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(記事紹介)ナルコレプシーの病因治療効果を確認

近くの小学校の校庭で、小鳥が鳴いている声のあたりを探していて、みつけたサッカーボール。
これは、植木屋さんに枝払ってもらうときに取ってもらうしかないでしょうね。

本日は、筑波大学の国際総合睡眠医科学研究機構から「ナルコレプシーの病因治療効果を確認」のニュースリリースを紹介します。
この研究結果が、ナルコレプシーだけでなく、多くの睡眠障害の根本治療のきっかけになる可能性を秘めていると思います。
特に睡眠時無呼吸症候群のような、実際に眠れていないと判断されている睡眠障害患者にどのような効果があるのか今後の研究成果を待ちたいですね。

プレスリリース

2017.5.16|国立大学法人   筑波大学   国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-­IIIS)

ナルコレプシーの病因治療効果を確認

—   目覚めを制御する低分子医薬の新たな効果   — https://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/170516yanagisawa-1.pdf

研究成果のポイント
1. オレキシン*1受容体作動薬*2YNT-­185 には、ナルコレプシーの症状であるカタプレキシー*3を抑制する効果があることを明らかにしました。さらに活動期に連日投与してもカタプレキシー発作の抑制効果は持続することが確かめられました。
2. 正常マウスに YNT-­185 を末梢投与すると、覚醒時間が延長されることを確認しました。
3. YNT-­185 の連日投与により、マウスの体重増加が抑制されました。
4. オレキシン受容体作動薬はナルコレプシーの病因治療薬として有効であることが示されました。
過剰な眠気を伴う他の睡眠障害を改善する創薬にもつながることが期待されます。

ナルコレプシーは、日中の強い眠気やカタプレキシーなどを主症状とし、患者の社会生活に深刻な影響を及ぼす睡眠障害です。症状を緩和させる薬による対症療法はありますが、根本的な治療法はありません。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-­IIIS)の研究グループは、同機構で創出したオレキシン受容体作動薬YNT-­185にはカタプレキシーを抑制する効果があるだけでなく、覚醒時間の延長を促し、体重増加を抑える働きがあることを発見しました。これらの結果により、オレキシン受容体作動薬がナルコレプシーの病因治療薬として有効であることが示されました。他のさまざまな原因によってもたらされる過剰な眠気を改善する創薬にもつながることが期待されます。
本研究はWPI-­IIISの入鹿山-­友部容子、小川靖裕、富永拡、柳沢正史らの研究グループによって行なわれ、米国科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版で5月15日現地時間午後3時(日本時間16日午前4時)に成果が先行公開されました。

研究の背景
ナルコレプシーは、日中の耐えがたい眠気や、感情の高まりなどにより身体の筋肉が脱力する情動脱力発作(カタプレキシー)などを主な症状とし、患者の社会生活全般に深刻な影響を及ぼす睡眠障害です。脳内視床下部に存在し、睡眠覚醒を制御するオレキシン産生細胞が脱落しオレキシンが欠乏することで生じることが明らかとなっていますが、その治療は薬物による対症治療と生活指導のみであり、根本的な治療方法が未だにないのが現状です。

マウスを使った研究では、2 種類あるオレキシン受容体(1 型と 2 型)の両方を欠損するとナルコレプシーが発症しますが、これらの受容体のうち、1 型受容体のみの欠損では睡眠覚醒の異常は見られません。一方で、2 型受容体を欠損すると、ナルコレプシー症状が起こります。このことから、睡眠覚醒の制御においては 2 型受容体がより重要であると考えられています。
マウスの脳内にオレキシンを直接投与することでナルコレプシーの症状は改善されますが、静脈 や経口などによる末梢投与では、オレキシンが血液脳関門*4を通過することができないため効果はなく、ヒトへの応用の大きな妨げとなっています。そのため、オレキシンと同様の機能を示し、末梢投与でも血液脳関門を通過し治療効果を発揮するオレキシン受容体作動薬の創出が試みられてきました。2015 年に、WPI-­IIIS の長瀬博教授らのグループがオレキシン受容体作動薬として機能する化合物 YNT-­185 の創出に成功しました(Nagahara et al., J. Med. Chem. 2015)。本研究では、YNT-­185 のナルコレプシー症状緩和作用をナルコレプシーモデルマウスで詳細に評価・解析し、ナルコレプシーの根本治療薬としての可能性を検討しました。

研究内容と成果
研究グループは、ヒトオレキシン受容体を定常的に発現された細胞とマウス脳スライスを用いて、YNT-­185 がオレキシン 2 型受容体に対する選択的作動薬として働くことを確認しました。睡眠覚醒への影響を調べるために、YNT-­185 をマウスに脳室内投与して脳波測定による睡眠解析を行なったところ、活動期の覚醒時間が延長することが明らかとなりました。作動薬の効果が消失したあとに、過剰に眠るような行動(睡眠リバウンド)は見られませんでした。腹腔内、静脈、経口などの末梢投与でも同様の効果が見られたことから、YNT-­185 は血液脳関門を通過することが確認されました。
一方、オレキシン受容体を欠損したマウスではこの化合物を投与しても作用が見られなかったことから、YNT-­185 はオレキシン受容体を介して作用することが確認されました。ナルコレプシー症状への治療の有効性を調べるため、カタプレキシーを人為的に生じさせたマウスに YNT-­185 を投与したところ、カタプレキシーが抑制されることが示されました(図 1)。作動薬を活動期(暗期)に 3時間毎、3 晩続けて使用した場合も、効果は減弱することなく、症状を抑制しました。さらに、ナルコレプシー患者は体重が増加する傾向にありますが、同化合物をマウスに 1 日 1 回、14 日間連日投与すると、体重の増加が抑制されることがわかりました(図 2)。

今後の展開
YNT-­185 にはカタプレキシー抑制効果があったことから、オレキシン 2 型受容体作動薬がナルコレプシーの病因治療薬として有効であることが示されました。さらに、ナルコレプシー以外の睡眠障害、例えばうつ病症状による過眠症、薬の副作用による過剰な眠気、時差ボケやシフトワークによる眠気を改善するための創薬にもつながります。眠気改善効果についてさらに詳細に検討するため、今後は概日リズム睡眠障害モデルマウスなどを用いた評価を行なう予定です。

参考図

図 1. ナルコレプシーを発症したマウスに YNT-­185 を投与することにより、カタプレキシーが抑制された。

図 2. YNT-­185 をマウスに 1 日 1 回、14 日間連続で投与すると体重の増加が抑制された。

用語解説
(1) オレキシン
柳沢らのグループにより発見された、神経伝達を司るペプチドのひとつ。視床下部に存在するオレキシン産生神経から分泌され、脳の広い領域に作用する。オレキシンは覚醒の維持において非常に重要な役割を担っている。
(2) 作動薬
受容体に結合し、生体物質(今回の場合、オレキシン)と同様の細胞内の情報伝達系を作動させる薬物。作動薬が受容体に結合すると受容体の構造が変化し、生体応答を引き起こす。
(3) カタプレキシー
ナルコレプシーの症状のひとつで情動脱力発作と呼ばれる。感情の高まりなどにより、全身または身体の一部の筋肉が脱力する。
(4) 血液脳関門
様々な有害物質から脳組織を守るため、血液から脳内への物質の移行を制限する機能。脳のエネルギー源となるアミノ酸やブドウ糖などの必須物質は脳内に選択的に輸送されるが、ペプチドやタンパク質などそれ以外の多くの物質は、このバリア機能が存在するため脳内に自由に入ることができない。

掲載論文
【題 名】A-­non-­peptide orexin type-­2 receptor agonist ameliorates narcolepsy-­cataplexy symptoms in mouse model.
(和訳:非ペプチドオレキシン 2 型受容体作動薬によるナルコレプシー症状の改善)

【 著 者 名 】 Yoko Irukayama-­Tomobe, Yasuhiro Ogawa,Hiromu Tominaga, Yukiko Ishikawa, Naoto Hosokawa, Yuki Kawabe, Shuntaro Uchida, Sinobu Ambai, Ryo Nakajima, Tsuyoshi Saitoh, Takeshi Kanda, Kaspar Vogt, Takeshi Sakurai, Hiroshi, Nagase, and Masashi Yanagisawa

【掲載誌】Proceedings of National Academy of Science USA
DOI:10.1073/pnas.1700499114

お問い合わせ
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-­IIIS)広報連携チーム 担当:雀部(ささべ)
、樋江井(ひえい)

住所 〒305-­8575 茨城県つくば市天王台1-­1-­1 睡眠医科学研究棟
E-­mail wpi-­iiis-­alliance@ml.cc.tsukuba.ac.jp
電話 029-­853-­5857

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(論文紹介)睡眠と認知症

本日紹介する論文は、海外のものですので、要約でご紹介します。睡眠の質と認知症の関係です。長期追跡調査により、認知正常者と認知症患者で、睡眠時無呼吸患者の比率を比較しています。

「睡眠の質の低さと認知症の関係」
睡眠中に無呼吸発作が起こる睡眠時無呼吸症候群と、高齢期の認知機能障害との関連についての報告をご紹介致します。
※睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome, SAS)とは、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる疾患です。10秒以上呼吸が止まる状態が1時間に5回以上起こると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。15回までが軽度、30回までが中程度、30回以上あると重症とされています。

研究者らは、睡眠が認知機能障害に関係するか(影響を及ぼすか)を調査するため、65歳超のスイス住民計580例を対象に、主観的・客観的な睡眠特性を検討するコホート研究を実施しました。
※コホート研究とは、ある因子の有無について患者を追跡調査し、ある疾患の発生について関連しているかどうかを調べる分析手法です。

主観的な睡眠特性については、エプワース眠気尺度(ESS)を用いて眠気を評価し、ベルリン質問票を用いて睡眠時無呼吸リスクを評価しています。また、包括的ポリソムノグラフィーと全面的な神経心理学的検査を実施し、認知機能については、臨床的認知症尺度(CDR)スコア0を正常とし、0.5以上の場合認知機能障害と定義して判定しています。

睡眠の問題を評価する必要性

調査結果としては、認知機能障害群では認知機能正常群よりもESSスコアが高値でしたが、両群ともスコアは正常範囲内(10未満)でした。睡眠時無呼吸は、認知機能正常群の25.1%に認められたのに対し、認知機能障害群では34%に認められました(p=0.019)。すなわち、認知機能障害群の方が、認知機能正常群よりも、睡眠時無呼吸の頻度が10%程度高い結果となりました。

また、ポリソムノグラフィーの測定値から次のようなことが判明しました。

認知機能障害群では認知機能正常群よりも、
・睡眠の浅い時間が長くて、睡眠の深い時間が短い。
・REM睡眠時間が短くて、睡眠効率が悪い。
・酸素飽和度低下指数(ODI)が高く、酸素飽和度最低値が低い。ただし、酸素飽和度平均値は低くない。
・無呼吸低呼吸指数(AHI)の平均は、認知機能障害群では中等度(18.0回/時間;範囲 7.8~35.5)、認知機能が正常な参加者では軽度(12.9回/時間;範囲 7.2~24.5)。
・年齢、性別、BMI、飲酒/喫煙、向精神薬の使用、学歴および併存疾患について補正後、依然として認知機能障害との関連が認められたのは、AHIとODIのみ。
・認知機能のスコアが悪いほど、睡眠時無呼吸の重症度が上昇

睡眠時無呼吸症候群は動脈硬化と関連がありますので、単にそうした要素によって認知機能障害が出てきているという可能性は考えられますが、夜間の間欠的低酸素症(ODI高値から示唆される)が認知機能障害の一因となっている可能性はあるということが分かります。この調査結果から、認知症の症状のある患者を対象に睡眠の問題を評価することの必要性が示唆されたと言えるでしょう。

※エスワープ眠気尺度(ESS)問診票とは、
日中の眠気の度合を評価するものです。最近の生活のなかで、「座って読書中」「テレビをみているとき」「自動車を運転中に信号や交通渋滞などにより数分間止まった時」などのシチュエーションで眠ってしまうことがあるかどうかについて答え、合計点によって重症度を判断するものです。

※睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG)とは、
睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害を正確に診断するための検査です。脳波、呼吸運動、心電図、いびき音、体の酸素飽和度などのセンサーをとりつけ、一晩中連続して記録する検査です。

ご紹介した論文
Sleep characteristics and cognitive impairment in the general population: The HypnoLaus study.
Neurology 2917 Jan 31; 88:463 doi: 10.1212
Haba-Rubio J, et al.

睡眠時無呼吸もいびきも「完全いびきコントロール」でコントロール可能。生活習慣病が認知症の原因かもしれないってことですね。

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(論文紹介)心理的要因が睡眠状況に及ぼす影響

夕空の三日月。関東はずっと雨が降らずにカラカラに乾燥しています。のどの粘膜を乾燥でいためてしまうと、風邪やインフルエンザにかかりやすくなりますので、気を付けましょうね。

最近不眠症の方の話をよく聞きます。毎日1時間とか2時間しか眠れなくてつらいとかの話です。ほとんどの場合は眠れなくてもベッドの中にいるようで、それ自体が眠れない意識を作り出しているようです。ベッドの中で眠れない眠れないと考える事が、「ベッド=眠れない」という意識を刷り込んでしまいます。

睡眠薬は副作用もあり、出来れば使いたくないという方も多く、環境や睡眠時間誤認など考えられる原因と解決策を話しています。心理的要因はその中でもかなり大きな原因です。

(論文紹介)心理的要因が睡眠状況に及ぼす影響

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口蓋垂(のどちんこ)手術

冬にも鮮やかな花を咲かせるパンジー。北欧で品種改良されたとのことで、日本の気候では、夏には枯れてしまうほど、日本の冬に合っている花ですね。飛んでくる虫もいないから種を付けるのが難しいのかな。

いびき対策の口蓋垂手術

そもそも口蓋垂(のどちんこ)が大きいといびきが出やすいという判断はどこから来たのでしょう。
実は口蓋垂は、激しいいびきをかくと、震えて引っ張られるので、なんと伸びてしまいます。
一般的に口蓋垂の長さは1cm弱程度でしょうが、私は長年いびきをかき続けたために、2cmから3cm程の長さがあります。
ところがこの私が、いびきを克服できたわけですから、長さはいびきとは関係ありません。いびきの激しい人を見れば、口蓋垂が長い。だから口蓋垂が長いのはいびきをかきやすいといういかにも西洋医学の考え方ですね。
いびきの結果で口蓋垂が伸びたわけですから、切ったらいびきをかかなくなるなんていうのは、本質を見ていない判断です。
しかもひどい手術例が最近ネットで見受けられるため黙っていられなくなりました。

https://www.ngt.ndu.ac.jp/hospital/dental/service/center03/

日本歯科大学新潟病院のブログに以下のように出ています。

『口蓋垂(のどちんこ)はいびきや無呼吸によって気道に吸い込まれて、次第に伸びます。そして、伸びた口蓋垂がなおさらいびきや無呼吸を引き起こすのです。それゆえ、口蓋垂の手術を受けても、口蓋垂が原因でなければ治りません。
という私も、第三世代の治療が開発されるまではたくさんの手術を手掛け、平成10年10月にはNHK総合テレビの「クローズアップ現代」で、レーザーに よる口蓋垂手術を日本で初めて紹介しました。この放送の視聴率は同番組の年間視聴率ランキングで第二位だったそうで、大きな反響がありました。この手術 は、写真のように弛んだ口蓋垂(右)をすっきりと短縮した口蓋垂(左)にするものなのですが、あたかも「那須の与一がゆれる小舟から扇を射落とす」ほど難 しく、後輩に奥義を教えるのに苦労しました。』

口蓋垂が原因でなければ治りませんという「まっとう」なことを言っていますが、第三世代(マウスピース)治療が普及してやる人が少なくなったと言っています。
しかも「口蓋垂が原因でなければ」と言う前に、いびきで伸びると言っていますから、もともとが口蓋垂が原因でいびきをかいている人はほぼいないということです。
この先生は、クローズアップ現代で取り上げられたとか自慢していますが、この後あちこちでなんちゃって手術を受けた人がたくさんいることに対する責任も感じてもらいたいものです。
ただ、この先生は、口蓋垂の役割を考えて、難しい手術を行い、写真のようにきちんと正しい口蓋垂を残しています。

さて、口蓋垂って切っちゃっていいのでしょうか?たしかにいびきで伸びてしまうのであれば、いびきを止めさえすれば、長くなった部分を切るのはありかもしれません。
口蓋垂は、物を飲み込むときに、鼻のほうに上がっていくのを抑える役目があります。特に水分などは、口蓋垂がなければ食道に流れきれず、いったん飲み込んだ後に、鼻のほうに逃げた飲食物が、気管に入ってしまう問題を起こします。
そのためおかしな手術を受けると、水を飲んだときに気道に入ってむせてしまうという問題を起こします。
若いうちはむせて排出できるのでいいでしょうが、年を取るとその力が弱まります。日本人の死因第3位は、肺炎ですが、お年寄りが風邪から肺炎を起こすと思っている方が多いと思います。実際は誤嚥性肺炎という、食べ物を飲み込むときに食道ではなく気道に入ってしまい、肺炎を起こして亡くなることが多いのです。
口蓋垂がなくなった方は、いったいどうなるのでしょう?
しかも、日本歯科大学の先生はちゃんと機能を残していますが、近ごろネットで見られる口蓋垂切除の写真は驚愕です。

写真例1

口蓋垂が真ん中から二つに分離されています。医者は何を考えたのでしょうか、いびきをかかないようにしながら、口蓋垂を残したつもりでしょうか?いびきの原因も口蓋垂の役割も全く理解していない例と言えます。
因みにこの写真の方は苦しい思いをしたが、いびきは消えなかったようです。

写真例2

まったく口蓋垂がありません。当然ながらまともに水も飲めないようです。いびきは消えたようですが、私の予想では、いびきは半年もすれば再発します。原因は口蓋垂でないので、残った組織がまたふるえるようになります。
因みにこの手術は成功でしょうか失敗でしょうか?
医者は手術前にどういう手術をするかを説明しています。そして手術の結果いびきが消えるかどうかはやってみなければわからないということはきちんと伝えているはずです。
要するに美容整形手術と一緒です。
目を二重にする手術で、二重にすることはできてもそれで美人になるかどうかは別問題ということです。
そういう意味で手術は成功です。説明したとおりの手術になっているわけです。そのあといびきが消えるかどうかは別だし、将来肺炎になるリスクが増えるのは別の問題ということです。

さて、いびきを消すだけが目的ならば、音がしなくなれば良いと考えるようですが、なぜいびきをかくのかが忘れられています。いびきは生活習慣病の症状ととらえていただきたいのです。生活習慣が良くないのに、その症状であるいびきを手術で消せば、悪い習慣は更によくない方向に進んでしまいます。
医者が本来しなければいけない事は、対症療法的にいびきの音を消す施術ではなく、生活習慣の改善を指導して、いびきが出ないように改善させることです。

いびきを専門で手術している医者の中には、手術していびきが消える人と消えない人が見ただけでわかるようです。だから、いびきが消えないと思われる人に手術を進めないと言います。
同じ手術をしても治らない人がいるということは、結局は程度の問題ということです。どういうことかと言えば、再発がほぼ間違いないということです。

いびきの一番の問題は他人の安眠を脅かす騒音です。そのうえで、生活習慣を改善し、いびきが出ない生活を続けることが重要なのです。
Sleep Laboをご購入いただいた方のなかには、何度も手術をしたがいびきが消えなかったという方が少なくありません。
体に無理をかけず、いびきの音を減少させる唯一の解決策が「Sleep Labo」を使う事です。

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(論文紹介)睡眠時無呼吸と肥満と重症度

どういうわけか葉っぱ一枚に1匹のテントウムシ。縄張りがあるのでしょうか。

本日は睡眠時無呼吸と肥満についての論文をご紹介します。なんとなく論文の趣旨があっちに行ったりこっちに言ったりしている感があります。睡眠時無呼吸症も生活習慣病の症状らしいというあたりと、必ずしも肥満が無呼吸と直結していないという点が良いと思いますが、その原因として日本人の顔の角度と欧米人の顔の角度に持って行ったところが強引すぎる気がしますね。

https://kinran.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=62&item_no=1&page_id=13&block_id=21

千里金蘭大学紀要 P.1~14(2008)

日本人における睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の肥満と重症度の関連性について

The association between obesity and disease severity in the Japanese sleep apnea syndrome (SAS) patient
岡村 吉隆、奥田 豊子2

要旨
「睡眠時無呼吸症候群は肥満を伴うことはよく知られている。治療の第一選択肢は経鼻的持続気道陽圧療法であるが対症療法である。したがって、長年使用する必要がある。多くの日本の睡眠時無呼吸症候群患者は重症度が同程度にもかかわらず白色人種の睡眠時無呼吸症候群患者ほどの肥満ではない。それは、日本人では肥満に加えて顔面軸角(FX: facial axis)が睡眠時無呼吸症候群に影響されやすいための因子である可能性がある。すなわち、日本人の側頭蓋計測においては白色人種に比べて顔面軸角が狭いことが要因と考えられる。
キーワード:睡眠時無呼吸症候群 Sleep apnea syndrome, 肥満 obesity, 側頭蓋計測 cephalometry

I.はじめに
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)は1976年に Guilleminault により提唱[1]され、臨床的な歴史はまだ浅い疾患である。Guillerminault によると SAS は「7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸があること」と定義している。
SAS の症状は、習慣的いびき、日中傾眠、起床時の頭痛、睡眠中の呼吸の停止、インポテンツ(ED)、熟眠感の欠如、性格の変化・抑うつ状態、夜間頻尿などであり、その原因は肥満による上気道組織への脂肪沈着、扁桃肥大、巨舌、小顎症、上顎骨の後方偏位、下顎骨の後方偏位などと考えられている。特に上気道組織への脂肪沈着は 肥満者に多く見られることから肥満との関連性が高い疾患といわれている。しかし、わが国の SAS 患者は200万人ほどいると考えられていて欧米諸国と比べると肥満者の割合が低いことから見ても非肥満者の患者も少なくなく(2]、日本人の場合他の国とは異なる部分もある(図1)。
本稿では睡眠時無呼吸症候群における先行研究の結果などからその発症要因や自覚症状、診断基準、治療の現状等について述べ、特に肥満との関連性に焦点を当て、わが国における SAS について検証する。

Ⅱ, 睡眠時呼吸障害について
睡眠時呼吸障害(sleep-disordered breathing; SDB)は昼間の眠気を呈する代表的な病態の、ナルコレプシー (居眠り症)や若者の睡眠不足症候群なども含まれるが、米国では閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(obstructive sleep apnea-hypopnea syndrome; OSAS)、中枢性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(central sleep apnea-hypopnea syndrome; CSAS)、チェーン・ストークス呼吸症候群(Cheyne-Stokes respiration syndrome; CSRS, CheyneStokes breathing syndrome; SCBS)、睡眠時低換気症候群(sleep hypoventilation syndrome; SHVS)に分類され[3]、わが国においてもこの分類が採用されている[4]。これまでの SDB の有病率調査は OSAS に限定され
ている[2]。
1 Yoshitaka OKAMURA 千里金蘭大学生活科学部食物栄養学科 (受理日:2008年10月1日)
2 Toyoko OKUDA 大阪教育大学教育学部生活環境講座 (受理日:2008年10月1日)

OSAS の定義は「日中過眠(excessive daytime sleepiness; EDS)もしくは閉塞性無呼吸に起因するさまざまな症候のいくつかを伴い、かつ無呼吸・低呼吸指数(apnea hypopnea index; AHI)が5/hr以上」と、米国睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine: AASMOで提唱する基準(31をわが国においても採用[4]している。したがって、本稿では SAS と表記するものは OSAS と同意語として用いることとする。上気道閉塞を来す形態学的因子を表1に示す。

Ⅲ. SAS の疫学
疫学調査によると、30~60歳の SAS 罹患率は高く、特に男性では顕著であり睡眠時間に10秒以上持続する無呼吸・低呼吸の発現頻度は、AHI>5/hrの割合が男性の24%、女性の9%、さらに AHI >15/hrの割合は男性で9.1%、女性で4.0%であった。また、EDS の徴候も高率であった[5]という報告からみても潜在的な罹患者は多いと思われる。さらに、高齢者の場合には、SDB の罹患率が高いことはよく知られている[6]。しかしながら、高齢者の診断基準は多様な診断基準が提唱されており、また、症状も多様であることから、治療の優先順位や必要性についてもその是非が問われている。[7]また治療を行なう際にも、義歯、下顎の不安定さ、喫煙、飲酒、向精神薬の内服等の問題点から成人の SAS とは異なり、生活習慣の見直しが優先されると考えられている[2]。
EDS は QOLを損ねる[8][9]ばかりでなく、生活を送る上で問題点もある。男性を対象にした10年間の前向き研究ではいびきをかく人や、重度の日中傾眠を伴う人には産業事故のリスクが高い結果が出た [10] という報告や、SAS の重症度と交通事故発生率には関連性がある[11]など社会的な問題にもなり得ることになる。しかし、CPAP(経鼻的持続気道性陽圧療法:nasal continuous positive airway pressure therapy)や外科的治療を行なわずにいた場合、51.6±12.0歳(平均値±標準偏差)の385人の男性での研究では AI> 20/hrの者(n=104) は AI≦20/hrの者 (n=142)に比べ明らかかに生存率は低く8年後では平均63%であった [12] という報告がある(図2)。
したがってSASは単に睡眠中の呼吸の停止や低呼吸の症状を呈する疾患であるだけでなく、死亡の原因にもなりうる疾病であるといえる。

IV. OSAS の症状
いびきは SAS の象徴的症状であり、習慣的ないびきは粥川らの報告[13]によると、7箇所の一般住民を対象とした調査では、「毎晩いびきをかく」と答えた人は、男性の21%、女性の6.1%であった。SAS 患者の臨床的症状の最初は大きないびきをかくことである[1]という報告もある。 いびきは形態学因子と機能的因子が複雑に関与して発生する現象で、ヒトが進化の過程で起立二足歩行を始めた後に増加かつ増悪した病態で、ヒト以外の哺乳類ではきわめて稀である[14]。
いびきは SAS を疑う要因のひとつであるが、いびきは家族間で遺伝することが知られている。双子のいびきについての研究では、492ペアの一卵性双生児と、284ペアの二卵性双生児において調査したところ、習慣的ないびきは一卵性双生児では全体の20%で、二卵性双生児では全体の25%で認められ、ペアの一致する割合は一卵性双生児 で67%、二卵性双生児で50%であった[15] という。
いびきをかくものがすべて SAS ということではなく SAS を伴わない単純性のいびきもあるが、SAS の罹患者 のいびきの場合は特徴的な周波数特性を示す [16] という報告もある。習慣性のいびきの病態の特徴について表2に示す。

日中傾眠も SAS の代表的な症状である。夜間の無呼吸や、低呼吸の繰り返しによって十分な睡眠がとれず、その結果覚醒が生じ睡眠不足に陥り昼間眠気が強くなり居眠りをしてしまうことになる。実際の SAS のスクリーニングにおいては、習慣性のいびき、家人から確認された夜間無呼吸の存在、明らかな日中傾眠が三つ揃った場合に 本症候群を疑う [17]。SAS患者の多くは、体を動かしているとあまり眠気を感じないが、会議やデスクワーク中、 運転中などに眠くなり、堪えきれない場合には居眠りを生じてしまい、軽症群では午睡ゾーンを中心に起こるが、 重症化すると日内変動はなくなり、日中眠くてたまらないと訴えるようになる[6]。AHI が5以上の女性の23%、男性の16%がなんらかの眠気を週に二日以上経験しているという[5]。
その他の症状としては、起床時ののどの渇きや頭痛、眠りが浅く寝返りをよく打つ、インポテンツ(ED)、熟眠感の欠如、性格の変化・抑うつ状態、夜間頻尿などであるといわれている。

Ⅴ. SAS の診断
1. 日中傾眠
日中傾眠(EDS)はアメリカ睡眠学会では AHI と同程度の重要な意義を持つとされている[3]。EDS を主観的評価方法によってその度合いを測定し、その結果 EDS の傾向が強いと SAS が疑われるという診断方法がある。 評価方法のスタンダードスケールとして ESS (Epworth Sleepiness Scale) [18] (表3)がある。

ESS は、日常生活 の中でのさまざまな状況下において眠気を感じるかどうかを問うものでその内容は、①座って読書しているとき、②テレビを見るとき、③座って公的な場所でただ座っているとき(例えば劇場とか会議)、④1時間休憩なく車に 同乗しているとき、⑤用もなく午後横になって休んでいるとき、⑥誰かと座って話しているとき、⑦アルコールを 飲まずに昼食を食べた後静かに座っているとき、 ⑧車に乗っていて交通事情で2・3分止まっているときで、これら8個の質問に、居眠りしたことがない=0点、時に居眠りすることがある = 1点、しばしば居眠りすることがある= 2点、だいたい居眠りする=3点の4件法で答えるもので、0点から24点までの範囲が結果として出ることになり日中傾眠が強いほどその値が高くなるとされ、日常診療で多く用いられている。ESS 値としては、豪州人を対象と した結果では、健常者では5.9±2.2(平均値±標準偏差)、OSAS 全体では11.7±4.6であるが、重症度別では軽症の ESS は9.5±3.3、中等症は11.5±4.2、重症では16.0±4.4と報告が[18]されている。また、SAS 患者では交通事故発生と ESS スコアーに関連性があった[9][19] という報告もある。主観的な評価方法としての ESS はスクリーニング として用いるには簡易でよい指標となるが、ESS 値が高いことだけで SAS と診断することは不可能である。欧米に比べ居眠りに対して寛大な我が国においては客観的に SAS を診断することは必要である。わが国における先行研究において AHI と ESS とは関連性がなかったという報告[20] もある。
2.終夜睡眠ポリグラフ(polysomnography; PSG)
主観的評価としての ESS は、日中傾眠の評価にはよく用いられる。しかしながら SAS の診断には日中傾眠だけでは不十分であり、逆に日中傾眠が強くても SAS でない場合、また自覚症状がなくても SAS である場合もある。
SAS の判定を比較的容易に測定するために、簡易ポリグラフィーやパルスオキシメーターを用いる方法もある。 簡易ポリグラフィーは、自宅に持ち帰って測定が可能であり睡眠呼吸障害の傾向を示すものとしての利用価値は高いが、問題点は、脳波の測定が行なわれないため、日中傾眠が強い儀陽性の場合や上気道抵抗症候群などの睡眠の質が問われるような症例の診断には十分注意が必要となる[21]。また、パルスオキシメーターは酸素飽和度の測定に用い携帯が可能なほどの小型化したものであるが、軽症・中等度の SAS の診断には限界がある[20]。
SAS 診断のゴールドスタンダードは終夜睡眠ポリグラフ(polysomnography; PSG)による検査である[2]。 PSG は医療施設にて一泊の検査入院を必要とし、睡眠状態の全般について検査を行なうものである。測定項目は、気道の狭窄の程度、睡眠中の呼吸状態、睡眠段階、脳波(睡眠の型と深さ、覚醒反応の把握)、眼球運動(REM 睡眠の有無)、願筋筋電図(REM 睡眠の有無)、心電図(不整脈や心拍数の変化)、動脈血酸素飽和度(SpO2) (低酸素状態の把握)、エアフロー(口・鼻の気流の検知)、胸部の動き(換気運動の検知)、腹部の動き(換気運動 の検知)、いびき音、体位(仰臥位で無呼吸の発生頻度が高くなる傾向がある)、下肢筋電図(レストレスレッグ症 候群、周期性四肢運動障害の有無) [23] で、睡眠の深さ、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効果 などを呼吸状態の詳細と合わせて、定量的に算出できる検査であり、これにより SAS の有無や重症度が判定でき、 AHI の値が診断基準となる。SAS と診断されるのは AHI が5/hr未満で正常とされ、15/hr未満は軽症、30/hr未満は中等症、30/hrを上回ると重症となる。

VI. SAS の治療
SAS の治療は生活習慣の改善に対する指導、内科的治療、外科的治療、歯科的装具による治療に大別できる。 SAS は生活習慣の改善により症状が改善される可能性がある。具体的には、肥満の是正、飲酒の制限、禁煙、 精神安定剤服用の制限、睡眠中の体位の工夫などになる。実際 SAS 患者は肥満を伴っている場合が多く、減量することにより AHI 値の減少が期待できる。日本肥満学会による肥満の分類 2 を表4に示す。これによると、高血圧、脂質異常症、糖尿病などのメタボリックシンドロームの判定基準に関わる疾患は内臓脂肪の増加による脂質の質的な異常による疾患と位置付けされているのに対して、SAS は脂質の量的な異状による疾患とされている。したがって、SAS の減量は脂質の質的な異状による疾患に比べより多くの減量が必要となると考えられる。飲酒は 呼吸を抑制し上気道の筋力を低下させることにつながり、喫煙は血中の酸化濃度を低下させ、咽頭頭部の炎症の原因にもなり [25]、SAS のリスクファクターとして喫煙や飲酒に関連性があったという報告もある[26]。また、精神安定剤の中には上気道の筋力を弱める作用があるものがありそれぞれ SASを悪化させる要因となる[2]。また、睡眠中仰臥位だと重力が下向きに加わり舌根の沈下を招くことになり、気道の閉塞につながる。できるだけ側臥位を保てるよう背中にボールを貼る、枕を変えるなどの工夫が必要である。また、肥満を伴う SAS患者では立位姿勢で の睡眠が有効である[28] との報告もあるが誰もが可能な姿勢ではなく、側臥位の維持を検討すべきである。
内科的治療としては軽症の SAS には薬物療法の選択肢もあるが、現在その効果には限界があるといわれている[29]。

治療の第一選択肢は経鼻的持続気道陽圧療法(CPAP)である。CPAP は就寝時にマスクを装着し、気道内に陽圧をかけ気道の閉塞を防ぐことにより、無呼吸を取り除く療法である [23]。CPAP の効果は絶大で、中等度はもちろん重症の SAS も CPAP療法により AHI 値は激減する。しかし CPAP は長年継続することが必要である[30]。
わが国の医療では AHI が20/hr以上で CPAP の保険が適用されるが、効果は大きいものの対症療法であるため SAS そのものを治療するものでなく使用を中止すると即座に元の状態に戻ることになる。したがって、長期継続 が必須となり CPAP療法に対しての問題がないわけではない。
外科的治療は小児には積極的に行なわれる扁桃肥大やアデノイドの摘出手術と、口蓋垂、扁桃を切除し、軟口蓋、 口蓋弓を含む中咽頭部の過剰粘膜を切除・短縮融合することで上気道を拡大させる口蓋軟口蓋咽頭形成術 (uvulopalatopharyngoplasty; UPPP)などがある。UPPP は術後の咽頭痛や、飲料の鼻への逆流が起こる場合 があることや、一旦 SAS の改善が見られてもいずれまた気道の閉塞が徐々に進み元の病状になることもある[31]。
歯科的装具による治療は CPAP が受け入れられない患者などに用いられて、患者ごとにマウスピースを作成し 下顎を少し前方に引き出すことで咽頭に空間を作り閉塞を少なくするものである。これも患者によれば違和感を訴える者もいることと効果は CPAPよりも劣る。また、舌を固定する装置を用いることにより効果があったという報告もあるが、わが国ではあまり用いられていない。

Ⅶ, 睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病
先行研究において生活習慣病患者には SAS の合併率が高く、SAS は生活習慣病と捉えることが大切である[33]。 SAS の重症度と心血管疾患の発症とは明らかに関連性がある[34]。SAS の治療は冠状動脈疾患を持つ患者にとって更なる心血管障害を減少させることになる [3]などの報告や、米国高血圧合同委員会7次報告書[36] では、高血圧が OSAS の合併症としてではなく、原因疾患として取り上げられるようになったという報告もある。SAS における インスリン抵抗性の増悪が、肥満と独立して無呼吸に関連するものである[37]。SDB の度合いは耐糖能や、インスリン抵抗性に関連性があり、年齢、性別、喫煙の有無、BMI, 睡眠中の自己評価とは独立している [38]。SAS の症状の特徴とも言えるいびきは2型糖尿病とインスリン感受性に関連性が強く、習慣的ないびきは耐糖能正常者や耐糖能異常者に比べ2型糖尿病患者に多い [39]、また運動や禁煙、減量などの生活習慣の改善は習慣的にいびきをかく者にとっては2型糖尿病のリスクを軽減することになる[40]。AHI が高いほど生活習慣病の合併率は高く、SAS と生活習慣病の関係は深い [41] など、SAS と生活習慣病との関連性については多くの研究報告がされている。
実質的な治療としては特に中等度以上については CPAP が第一選択肢となる。AHI 値の改善は顕著であり、SAS 患者には生活習慣病を合併しているものが多いが脂質代謝障害としての脂肪肝や AST(GOT) 高値といった肝機能障害を示すものの、CPAP治療によってこれらの改善を認める[11]。心血管疾患を防ぐ効果がある [43]。CPAP装着時間別の死亡率は1時間以内/日と1時間以上/日では有意な差があった[44] との CPAP療法の効果と考えられる報 告もされている。

Ⅷ, 睡眠時無呼吸症候群と肥満について
現在我が国においてメタボリックシンドロームが強く疑われる者、または予備群と考えられる者が成人男性では 40%以上になっている。また BMI(Body Mass Index)が25kg/m2以上の肥満者も男性では増加している。「健康 日本21」の目標値(2010年)は20歳代女性のやせの者が15%以下、20~60歳代男性の肥満者が15%以下、40~60 歳代女性の肥満者が20%以下とされているが達成は難しい状況である。
肥満に関する WHO の基準によれば、BMI≧25kg/㎡を過体重(over weight)、BMI≧30kg/㎡を肥満と定義 している。わが国では、日本肥満学会において BMI≧25kg/㎡を肥満と定義している。その背景として、日本では BMI≧30kg/㎡ の肥満が3%以下である[24]のに対して、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の発症頻度は欧米と変わらないこと、軽度肥満であっても肥満に基づくさまざまな疾患を発現し易い[24] ことにある。SAS は肥満との関連性が高いと考えられ、わが国においても高度肥満者の内臓脂肪が220㎠以上では SAS は100%であった[45] という報告もある。SAS と肥満に関する研究は多く、体重の変動があまりなかった群に比べ10%の体重の増加は AHI が32%増加し、逆に体重が10%減少した群は AHI が26%減少した[46]。睡眠障害に気付く前と現体重との差を見た報告[47] では体重増加度は SAS になる重要なリスクファクターであり、内臓脂肪量にも関連性があるとしている。肥満、特に腹部肥満は SAS に対し重症度とは別に無呼吸時の低酸素血症を増強させる [48][49]。男性に比べ女性 の SAS 発現率は低いと思われるが、女性においても肥満は睡眠中のいびきを伴い、実際の睡眠時間を短くし睡眠 効果を減少させ、日中傾眠を伴うという調査結果[50]がある。さらに27/hrの AI (Apnea Index)が食事療法による17kgの減量で AI が 3/hrに改善した[51]。食事療法のみと運動療法併用群との減量効果については14週で7~9kg の減量で運動療法の有無に関わらず、パルスオキシメーターを用いた ODI(oxygen desaturation index)動脈血酸 素飽和度低下指数は有意に改善した[58]。減量は中等度の SAS に有効であり、重症度でも CPAP の圧を下げることは可能である[53]。平均7kgの減量で、活力年齢が6~8歳若返り、睡眠呼吸障害スクリーニングも改善された [54]。 VLCD (very low calorie diet)による8%の減量は ODI を30%改善した[55]。減量後長期コントロールできている者、リバウンドしても再発しないものまたは再発するものと様々であるが BMI が31.5kg/㎡ から25.9kg/㎡への減 量で AHI は大幅に改善された [56]。胃バイパス術を施した15例の超肥満患者は44.5±19.4kgの減量で、CPAP圧 が18%減少でき、目標体重に到達した4例では22%の減少であった。夜間のいびき、日中傾眠、偏頭痛、運転中 の一過性の意識消失等の自覚症状を伴った OSAS患者が13kgの減量で、職場復帰し体調も改善した [58] など、SAS と減量の効果を報告するものが多い。その反面、減量による SAS の改善につながらなかったという報告もある。超低カロリーの食事療法で45kgの減量によりインスリンの過剰反応等は改善したが、SAS は改善しなかった[59]。
VLCD を用いた食事療法による減量は、OSA の改善がみられたが、47kgの減量ができた症例でも SAS は改善されないケースもあった [60] などかなりの減量成果が得られた症例において必ずしも SAS の改善に結びつくとは限らない場合もあるようである。
生活習慣を見直すことは SAS 治療において重要であるが、特に肥満患者は減量することが必要になる。すなわちエネルギー摂取量を抑える食事療法とエネルギー消費量を増加するための運動療法が中心となる。
運動療法の実施には注意が必要で高度肥満の場合にはひざ関節痛等を伴う場合がありそれ以後の運動療法の継続が不可能になる場合があるため、ある程度食事療法で体重減少を行なってから運動を開始するなどが必要であるが、減量のための食事療法と運動療法は食事療法単独では体重減少に伴った基礎代謝量の低下がみられたが、運動療法併用群では基礎代謝量の上昇、または低下の抑制がみられ、治療後のリバウンドを軽減する効果がある[6] ので、 食事と運動を上手く取り入れる必要がある。また、目標意識をもたせ自らが取り組むこと。ある程度の減量が達成できたとしてもそれを維持することやリバウンドを生じることがないようにすることが重要である。減量効果は患者の食行動を患者自身が正しく把握することが重要で、自己評価を取り入れることは減量効果に影響を及ぼす [62]。 食事療法を開始する前の意識調査では減量の必要性や肥満が体質に起因しないことなどの食行動の自己効力意識の高いものに体重減少が顕著であった [63]。食行動の変化と減量が可能な対象者は、健康への関心度が高く減量への 準備が整ったものであった [64]。
SAS は脂質の量的な異常に起因する疾患として位置づけされており内臓脂肪の蓄積も多いと考えられる。内臓脂肪蓄積の食習慣は「早食い、脂っこいものを好む、欠食する、摂取食品数が少ない」などの要因が考えられる [65]という「食事内容」についての原因と、食生活におけるある特有な食意識が働き、SAS 患者は肥満のメカニズム については十分な理解があったが、食行動パターンには多くの問題点を抱いていた [66)。CPAP 療養中の患者に対しての実態調査で食事療法と運動療法は継続されていない (67)。食行動意識が低いと健康度も低下する [8]。など複数の要因が引き金になっていることが推察される。
肥満治療についてはこれまでさまざまな研究がされてきたが、一時的に体重が減少してもその後リバウンドを生じることも多い。肥満はエネルギー代謝における摂取系と消費系の不均衡が契機になり発現してくる [69]、そのためいかに対象者にそのことを理解させるかが大切である。肥満症の治療には説明や説得といった治療手段は役に立 たない [70] ことも事実で、医療従事者の肥満者へのアプローチ法が大切となる。

Ⅸ, 睡眠時無呼吸症候群と日本人について
SAS と肥満の関連性は高いと考えるが、わが国と欧米諸国では肥満の基準値が異なる[24]。しかしながら日本人 の SAS 患者数の割合は欧米諸国に比べ少ないわけではない[2]。その理由のひとつとして肥満でなくても SAS で あるという割合がわが国においては高いことが上げられる。わが国の10施設における AHI≦20/hrの SAS に対して肥満度に関するアンケートを行なったところ、4,814例中1,426例(30%)が BMI<25kg/㎡で肥満はなかった [71] という調査結果が報告されている。
その原因としては日本人の場合メタボリックシンドロームの危険因子が変動する BMI 閾値は男性が BMI22kg/㎡で、女性は BMI21kg/㎡と正常体重域に存在する[72] という報告もあり、比較的軽度の肥満であっても日本人は生活習慣病の疾患が発症し易い可能性がある[24] こと。また、入社後7年間で体重が増加する男性が多く9割、10kg 以上の増加を示す割合が3割程度あった [73] という報告からも推察されるように若年時に比べ就業年齢層においての体重増加が見られ今日のメタボリックシンドロームの可能性が強く疑われる者、または予備群と考えられる者も特に男性では増加傾向を示す結果にも結びつくことになっている[74]。SAS に関しても肥満傾向にある現状から考えるとメタボリックシンドローム同様発症の要因が増していることになると考えられる。現代社会においての肥満はそれが 食習慣だけでなく、生活習慣の乱れの影響がある[7] こと、すなわち喫煙習慣は他の生活習慣も不健康な方向へと導き、 特に男性では体重増加の一因となる[76]。睡眠の質が低いと評価している人ほど喫煙本数が多い。家族関係も肥満には関連性があり、家族関係が良い場合男性では腹囲が増加の傾向を示し、女性では抑制するとの報告[78] もある。生活スタイルの多様化や単身世帯の増加など生活環境の変化がいくつもの要因となって睡眠障害や肥満を引き起こしていると考えられる。しかし、前述したようにわが国の肥満の割合は増加傾向にはあるが欧米の肥満率にまでは達していないにもかかわらず SAS の罹患率は低くない。その原因のひとつとして考えられるのが顎顔面形態 の差が咽頭腔の狭小化に大きく関与していて頭蓋骨の形状特性に由来するものが考えられる。日本人をはじめとしてアジア人は頭蓋骨の骨格がモンゴロイド系に属しそのことが原因で SAS が発症している場合がある(72)。したがって、肥満を伴ってなくても SAS である可能性がある。具体的には頭蓋骨の側面をレントゲン撮影にて画像化したものをいくつかの基準点から得られた直線の交点の角度により判定する。頭部X線規格写真法(Cepharometric radiography,以下セファロメトリー)を用いて行なわれる。代表的なものとしては、小顎症を評価する SNB、小顎症を伴わないものも評価できる顔面軸角(facial axis; Fx)などがある。SNB は Sella-Nasion-Basion 点で形成される角度で、その値が小さいほど小顎症であることを示し SAS 患者では下顎骨の後位と SNB 角度が小さいことが特徴である[79]、日本人を含めてアジア人にはモンゴロイド系の頭蓋骨形態を示す割合が高く、SAS ではSNB77°以下と健常者に比べ角度が小さいなどの報告[80] や、非肥満の SAS では小下顎症傾向にあり[81]、SNB や SNA (Sella-Nasion-A point)が重傷度に関係している[82]。すなわち、日本人の場合、頭蓋骨形態により非肥満者においても SAS である可能性を示唆するものであるが、実際には重症度とセファロメトリーでは有意な差がなかったという報告(83) もある。Fx は Basion-Nasion を結んだ線と、Pterygoid point-Gnathion を結んだ線で形成される角度で角度が大きいと Short face 小さいと Long face であることを示す。健常人の Fx の平均値は、白人が約90°であるのに対して、日本人では約86°と小さく日本人は白人よりも Long face である(84) ことが知られて いる。日本人の SAS に特異な頭蓋骨形態の特定には SAS 群と非 SAS 群において Fx は SAS群で有意に値が低 かった[85]。日本人を対象に65歳未満、男性であること、患者群、対象群の BMI に有意な差がないという条件での Fxで対象群は85.7±3.8°であるのに対して、患者群は83.0±4.5°で、患者群で有意に小さかった(p=0.002) [86]。白 人に比べ日本人が肥満の割合は少ないにもかかわらず SAS の有病率が白人と変わらない理由のひとつにこのことが要因にあり、非肥満者の割合が多いことに起因していると考えられる。

X. 最後に
SAS は単に睡眠中に呼吸が止まりそのため昼間の眠気が出るといった単純な疾患ではなく、循環器疾患 [36] や生活習慣病[41] との関連性も高く、さらには治療を必要とする状態を未治療のままにすると死に至る事もありえる重大な問題を抱える疾患[12] である。
CPAP療法は効果が大きく現在のところ治療の第一選択になっているが、中止すると即座に元に戻ってしまい 継続するしかないという点がある。それ以外にも睡眠中常に装着しているための違和感や無意識に装置をはずして しまうなどの患者側からすると満足することばかりでもない。あくまで対症療法であることが CPAP の限界といえる。
肥満者の場合減量による効果が期待できるが、その際には我が国における SAS 患者の特性としてFx 等を指標 としたセファロメトリーの測定を用い Short face の対象者に対して weight control を促すことが必要と考える。

引用文献


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(論文紹介)中枢性睡眠時無呼吸症候群の機序解明に大きな進歩

紅葉した葉っぱ。細かいしわが、人の肌のようにみえます。
人も年を取るとこんな感じ?だからケアが大切なのでしょうね。
と言っても基礎化粧品などを念入りに使う女性よりも、何もしない男性のほうが、肌の状態が良かったりします。化粧品会社のCMに騙されないようにしましょうね。 さて、本日紹介する論文ですが、いびきを伴わない無呼吸。中枢性無呼吸症候群です。閉塞性で説明がつかない無呼吸症候群の機序を解明するために考え出された中枢性無呼吸症候群。
無呼吸症候群の原因が、胃食道逆流症からの無呼吸であればいびきを伴う必要はありません。胃食道逆流症で食道が絞められるに伴って気道が狭められる際に、一般的にいびきをかく体形でない方や、口が開いていなければいびきまで行かない場合があります。

中枢性無呼吸症候群ですが、先天性の場合は、これまで世界中で1000例ほどしか事例がありません。非常に珍しい疾患です。
また本日紹介した実験による機序も、呼吸神経の損壊です。そんなに簡単に誰でも症状として現れるとは到底考えづらいと思います。
しかしながら、現在の検査でやると、睡眠時無呼吸の中に中枢性と言われるいびきを伴わない無呼吸が5%程度は誰にでも見られ、特に男性で60歳を超えると、その比率が多くなります。
単純に定年を迎えた男性の食事時間(生活習慣)が変わって、症状が緩和されているだけのような気がしますがいかがでしょうか?

中枢性睡眠時無呼吸症候群の機序解明に大きな進歩
「中枢性睡眠時無呼吸症候群の機序解明に大きな進歩」という論文紹介の記事がありました。覚醒時にも呼吸障害が出ているので、中枢性無呼吸の機序と言えるのか疑問ですが、論文をご紹介いたします。

preBotC neuronを破壊すると中枢性無呼吸症候群に似た睡眠障害がみられる点は、研究で明らかになっているが、中枢性睡眠時無呼吸症候群患者のpreBotC neuronに障害がみられるのかどうかの記述がなく、ALS,PD,MSAでの睡眠中の突然死を関連付けることでCPAPの有効性を指摘することが非常に恣意的に感じられる報告であると思います。

http://blog.goo.ne.jp/pkcdelta/e/8441db0adfc7b59170d8e20ac77031c2

中枢性睡眠時無呼吸症候群の機序解明に大きな進歩

2005年08月11日 | 睡眠に伴う疾患

睡眠時無呼吸症候群は,上気道の閉塞により生じる閉塞型,呼吸調節をする脳幹領域の障害で生じる中枢型,および混合型に大別される.中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の機序についてはよく分かっていなかったが,今回,その機序を解明する上で非常に重要な研究が報告された.
まず,呼吸中枢神経回路の中核をなすpreBotzinger complexと呼ばれる吻側部領域が腹外側延髄に存在する.この領域にはneurokinin 1 receptor(NK1R)を高発現するpreBotC neuronが一側で300個ほど存在すると言われる.これまでにratを用いた実験で,このpreBotC NK1R neuronを80%以上,障害させると,覚醒時において失調性呼吸パターンが出現することが分かっていた.今回,睡眠呼吸障害におけるpreBotC neuronの関与について詳細に検討された.
方法としては,簡単に言うとpreBotC neuronを選択的に障害する毒素を注入し,その後,ポリソムノグラフィー(PSG)を経時的に観察し,睡眠中および覚醒時の呼吸パターン,apnea(無呼吸),hypopnea(低呼吸;50%未満の呼吸flowの減少)の頻度,持続時間を経時的に観察している.具体的にはratに筋電図(横隔膜,腹,頚部)および脳波電極を植え込み,術後14日目にpreBotC NK1R neuronを選択的に傷害する毒素としてsubstance-p conjugated saporin(SP-SAP)を両側のpreBotzinger complexめがけて注入(対照としてとしてconjugateさせてないsubstance-p とsaporin混合物を使用).実際にNK1R抗体を用いた免疫染色にて,preBotC NK1R neuronの選択的な減少を確認している.
結果としては,対照では注入前との比較で,注入後に各睡眠パラメーターに有意差を認めなかったのに対し,SP-SAP注入群では注入後4日目の時点でREM期においてのみhypopnea およびapnea(中枢型)の頻度が有意に増加.注入後5-6日目ではこの傾向が顕著となり,Non-REM期でも対照と比べ,hypopnea およびapneaが軽度ながらも有意に増加した.覚醒時でも短時間のapneaが生じ始めた.7日目以降ではNon-REM期におけるhypopnea およびapnea(とくに持続時間より頻度)が顕著となり,睡眠の断片化と全睡眠時間の減少が生じた(データとしてはarousalの増加として観察される.つまりapneaに伴いStage-Wに入ってしまう).覚醒時でも呼吸パターンはさらに不規則化した.9-10日目で覚醒時の失調性呼吸が出現し,なかにはCheyne-Stokes呼吸パターンを呈するratも出現した.以上の結果は,中枢型無呼吸にpreBotC NK1R neuronが深く関与する可能性を示唆する.
ではなぜ先にREM期に変化が現れるのだろうか? たしかにヒトでも中枢性無呼吸はREM期に出現しやすい.REMではセロトニンやノルエピネフリン産生ニューロンは不活化傾向にあり,preBotC neuronはセロトニンやノルエピネフリンにより刺激を受けるため,REM期ではpreBotC neuronニューロン活動は減少する.よってREM期ではpreBotC neuronニューロンの変化が表出しやすいのではないかと著者らは考察している.
またこの結果から神経変性疾患における睡眠呼吸障害(SDB)におけるpreBotC NK1R neuronの関与を考える必要がクローズアップされる.ALS,PD,MSAでも睡眠中の突然死が生じることがあるが,PDでは60%程度,MSAでは89%ものNK1R neuronの減少が生じることがすでに報告されている.さらにMSAではセロトニン作動性ニューロンの減少も知られている.MSAの夜間突然死については,声帯外転麻痺による閉塞性の呼吸障害がその原因として考えられてきたが,preBotC neuronニューロンの減少が突然死に関与している可能性も十分に考えられる.こうなると気管切開をしても突然死は防げない(実際にこのような症例は存在する).むしろCPAP,BiPAPのほうが有効である可能性があり,呼吸障害パターンを判断した上で,適切な治療を選択を必要するがあるものと思われる.
Nat neurosci. published online 7 August, 2005

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