寝る前の「ぐるぐる思考」が睡眠を妨げる?心のクセと眠りの関係

みなさんは、布団に入ってから「あんなこと言わなきゃよかった」「明日失敗したらどうしよう」と、ネガティブなことを繰り返し考えて眠れなくなった経験はありませんか?

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実は、こうした**「ネガティブな反すう(繰り返し考えること)」**が、私たちの睡眠の質に大きく関わっていることが科学的に研究されています。 今回は、相愛大学人間発達学研究に掲載された西迫成一郎氏の論文を参考に、心の持ちようと眠りの関係について紐解いていきましょう。

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1. 睡眠の質を左右する「反すう」とは?

心理学では、嫌な出来事を何度も繰り返し思い出すことを**「ネガティブな反すう」**と呼びます。 この研究によると、この「反すう」が強ければ強いほど、以下の傾向があることが分かりました。

  • 入眠時間(寝付くまでの時間)が長くなる

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  • 睡眠傾向(寝付きの良さ、起床時の気分、眠りの深さ)が悪化する

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つまり、寝る前に考え込みすぎてしまうクセが、ダイレクトに翌日のコンディションに響いてしまうのです。

2. 「考え込みやすい人」の共通点

研究では、どんな人がネガティブな反すうをしやすいのか、2つの心理的要因に注目しています。

  • 「私的自己意識」が高い人 自分の感情や考え、性格など、外からは見えない「内面」に意識が向きやすいタイプです。 自分の心に敏感であることは美点でもありますが、ネガティブな状況では自分を責めたり、深く悩みすぎたりする原因にもなります。

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  • 「外的統制」の傾向がある人 物事の成否を「運」や「他人のせい」にする傾向のことです。 逆に、「自分の努力や能力で状況は変えられる」と考える内的統制型の人は、未来を前向きに捉えられるため、ネガティブな反すうが少ないことが示されています。

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3. 良い眠りのためのヒント

この研究結果から、心地よい眠りを得るためのヒントが見えてきます。

  • 「自分で変えられること」に注目する 変えられない過去や運命を嘆くより、「明日からこうしてみよう」と自分の行動にフォーカスすることで、無駄な考え込みを減らせるかもしれません。
  • 自分を客観視しすぎない 自分を厳しく評価しすぎるのではなく、時には「そんな日もある」と受け流すことも、スムーズな入眠には大切です。

まとめ

睡眠は、心身の疲れをリセットし、明日へのエネルギーを蓄える大切な時間です。 もし寝付きの悪さを感じているなら、それはあなたの「心のクセ」が影響しているのかもしれません。

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寝る前は、反省会をするよりも「今日はここまで頑張った」と自分を労って、思考のスイッチをオフにしてあげましょう。


参考文献: 西迫成一郎 (2010) 「心理的要因が睡眠状況に及ぼす影響」相愛大学人間発達学研究 第1号 pp.49-56