音・音楽・振動と眠り

「音・音楽・振動と眠り」-情報を持つ体感音響振動の誘眠効果考察試論-

小松 明*

ボディソニック(株) 研究開発センター

1995年12月 日本睡眠環境学会誌

http://www.bodysonic.cc/j_sleep.htm

 

小松 明:音・音楽と眠り -体感音響振動と誘眠効果への考察-

日本睡眠環境学会誌「睡眠と環境」Vol.2 Suppl 1994年,9月 P28-31

 

騒音と睡眠に関する学会論文を探しているうちに見つけた、面白い発表資料がありましたので紹介させていただきます。

 

1970年代くらいから、ボディソニック(体感音響装置)という技術というか理論のようなものが、音楽や映画・ゲームなどのエンターテイメントの世界で、利用されてきているのですが,これがリラクゼーション効果から医療や睡眠に応用されるという内容です。

個人的には胎児記憶という考えが嫌いではないですが、仮説をさらに突っ込んで、証明までもっていってほしいと思いました。

 

 

 

要旨

ボディソニック(体感音響装置)で眠り込む人たちが大勢いる。また、受容的音楽療法に適用された、ボディソニックによる臨床報告が医学分野で多数なされてもいる。しかし、なぜボディソニックが誘眠や音楽療法、リラクセーションなどに効果があるのか、その効果メカニズムについての言及は少ない。

そこで、これらが及ぼす根源的な効果の手がかりとしての仮説を立て、「人間の聴く音の原点は振動を伴っている」「意識下に残る胎児期の記憶とリラクセーション」「胎児の鼓動と母親の鼓動の関係」などの視点から、体感音響振動の効果メカニズムについて考察する。また、そこから導き出された、さまざまな心理的効果を及ぼす感性振動波形(メンタルバイブレーション)の例を示す。

 

はじめに

「眠りと音」の関係を言われれば、静かなことだけが眠りの絶対条件でもない。もともと自然界には風の音、川の音、波の音、鳥の鳴き声…などさまざまな音が存在している。

また我々が最初に聴く音は母親の胎内音であるが、胎内は、母親の心臓の鼓動、血流音など、生理的な音が絶え間なく聞こえている。音・音楽と眠りの関係から、さらに一歩進めて、情報を持つ体感音響振動とリラクセーション・眠りの関係について考察を試みたい。

 

目的

本論文では「音・音楽・振動と眠り」について検討し、情報を持つ体感音響振動 の誘眠効果について考察を試みる。

 

検討

  • 音・音楽と誘眠の検討

1.1眠りを誘う音・音楽

眠りを誘う音として「雨だれ」の音が良いといわれている。ゆっくりとした単調な繰り返し(時計のような正確さではなく、少し遅くなったり早くなったりするゆらぎがある)は眠気を誘うことが多く、雨だれの音とも共通する要素がある。

 

1.2眠りを誘う音楽の条件

筒井1)は 眠りを誘うのに適した音楽の条件として、

①ゆっくりしたテンポで小さい音量の音楽

②シンコペーションのない規則正しいリズムの音楽

③小さい音程(急激な音程変化のないゆるやかな旋律)の音楽

④柔らかで暗い音色の音楽

参考文献

1)筒井末春:心身症・内科的疾患と不眠

日本医師会雑誌 Vol.105,No.11, FC16-FC18, 1991.

 

1.3音楽受容性の個人差

音楽療法において、どんな症状の患者にどんな曲を聴かせるかについては、古典的ともいえるポドルスキーの音楽処方曲目リスト(表1)などが良く知られている。しかし、音楽の及ぼす効果は、その国の音楽風土、個人の音楽来歴や嗜好、病態などにより、受容性に個人差がでる。薬と同じような作用機序を適用することは困難であり、「何々の曲が何々に効く」という風には行かない面もあるので注意を要する。

 

表1 ポドルスキーの音楽処方曲目リスト
●不安神経症の音楽処方

バルトシュ   :「町人貴族」組曲
ベルク     :「抒情組曲」
ビゼー     :「幼児の遊び」
ブリス     :「ゴーバル家の奇蹟」
ボッケリーニ  :「イ長調交響曲」
ボロディン   :「第2交響曲」
シャブリエ   :「ポーランド・ダンス」
ドリーブ    :「シルビア」
デュカ     :「魔法使いの弟子」
ガーシュイン  :「キューバ序曲」

●うつ状態の音楽処方

リスト     :「ハンガリー狂詩曲 第2番」
ミロー     :「謝肉祭」
モーツァルト  :「劇場支配人」
オッフェンバッハ:「トロイのヘレン」
プロコフィエフ :「シシリア組曲」
プッチーニ   :「妖精の女王」
レスピーギ   :「ローマの祭」
リムスキー
=コルサコフ:「シエラザード」
ロジャース   :「オクラホマ」
ロッシーニ   :「ウィリアム・テル」序曲
シベリウス   :「フィンランディア」
スメタナ    :「ワレンシュタインの陣営」
J・シュトラウス:「古きウィーンの音楽」
スッペ     :「詩人と農夫」序曲
ワーグナー   :「パルシファル」前奏曲

●神経衰弱状態の音楽処方

バッハ     :「コーヒー・カンタータ」
ベートーヴェン :「プロメテウスの創造」
ブラームス   :「マリアの歌」
ブリテン    :「ピータークライムス」
ショパン    :「ノクターン」
クープラン   :「劇場風の合奏曲」
ドビュッシー  :「選ばれし乙女」
ドヴォルザーク :「フス党」
ファリャ    :「スペインの庭の夜」
グリンカ    :「六重奏曲」
グリーク    :「抒情組曲」
ヘンデル    :「水上の音楽」
ハイドン    :「ト長調のトリオ」
フンメル    :「七重奏」
リスト     :「メフィスト・ワルツ」

●心身症の音楽処方

高血圧の処方

 

バッハ     :「ヴァイオリン協奏曲
ニ短調」
バルトーク   :「ピアノ・ソナタ」
ベートーヴェン :「ピアノ・ソナタ 第8番」
ボッケリーニ  :「フルートと弦楽のための
協奏曲 ニ長調」
ボロディン   :「4重奏曲 第2番 ニ長調」
ブラームス   :「4重奏曲 第1番 ト短調」
ブルックナー  :「ミサ ホ短調」
ドビュッシー  :「ピアノの為に」

●心身症の音楽処方

胃腸障害の処方

 

ブラームス   :「ピアノ・トリオ ハ長調」
バルトーク   :「ヴァイオリン・ソナタ」
バッハ     :「2つのヴァイオリンの
ための協奏曲 ニ短調」
ベートーヴェン :「ピアノ・ソナタ 第7番」
モーツァルト  :「ソナタ イ短調」
プロコフィエフ :「組曲夏の日」
ラヴェル    :「ワルツ」
サティ     :「梨の形をした三つの小品」

 

  • 体感音響振動についての検討

2.1ボディソニックで眠り込む人達

ボディソニックを展示、実演すると、展示会場でよく眠ってしまうお客さんがいる。

かけている音楽は低音成分の多い、ボディソニックのデモンストレーション効果を重視したものが多く、眠りを誘う音楽というわけではない。

 

2.2根源的効果の仮説

2.2.1人間が聴く音の原点は体感振動を伴っている

     -意識下に残る胎児期の記憶とリラクセーション-

人間が聴く音の原点は、振動を伴った音を聴いている状態といえる。母親が健康で情緒が安定している時のリズミカルな鼓動は、胎児に安心感を与える音と振動である。そして鼓動には1/fゆらぎがある。体感できる音の振動→「体感音響振動」が人間に及ぼす効果の最も根源的なことが胎児期の記憶にある。胎児期の記憶につながることは、リラクセーション効果をもたらす。

これらが、情報を持つ体感音響振動を伝えるボディソニックによる効果の根源的な要素である。

 

2.2.2強すぎる振動は害がある 公害や地震

同じ振動でも強過ぎるものは害がある。振動公害(人間にとって医学的に有害な振動周波数帯域は3~6Hz辺り)がそれである。自然現象でも、地震、津波、山崩れなどから発生する振動(地響き)は、巨大なエネルギーの低周波振動(主として10Hz以下)であり、振動公害と物理的性質が似ている。

 

2.2.3生命の根源に関わるサイエンス

胎児期に赤ちゃんは、お母さんのおなかの中で体感音響振動を伴った音を聴いている。母親のリズミカルな鼓動は、胎児に安心感を与える振動であり、この状態が人間にとって最も心やすらぐ状態の原点であろう。これは生命の根源に関わるサイエンスとして捉えられるであろう。生命の根源に関わるが故に、眠りなどにも効果を及ぼす可能性がある。

 

  • ボディソニックについての検討

3.1ボディソニックと音楽療法の効果

ボディソニックは音楽療法に応用されて、心身症、不眠症、うつ病、不登校児、摂食障害、過敏性腸症候群などの心療内科領域、老人痴呆、末期医療、人工透析、成分献血、歯科、外科領域、ストーマなど、医学分野で多くの臨床報告があり注目されている。

ボディソニックは、椅子方式(写真1)の他、ベッドパット方式、ベッドドライバ、クッション、床駆動方式などさまざなものがあるが、更に医療用として、外科手術台用(写真2)、分娩台用、人工透析椅子用(写真3)、献血台用(写真4)、歯科診療装置用、医療ベッド用(写真5)などもある。

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写真1 椅子方式のボディソニック・リフレッシュ1
音楽療法用として心療内科領域での臨床例が多い。
リラクセーション用としても多数使用されている。

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写真2 ボディソニックを搭載した外科手術台での
局所麻酔術中写真
 ボディソニックによって
不安や緊張を緩和する。写真は済生会横浜市
南部病院・手術室。

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写真3 人工透析椅子専用 体感音響・パット
QOLの向上、スムーズな透析などの効果がある。
写真は、聖路加国際病院・人工透析室。

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写真4 ボディソニックを搭載した献血台
日本赤十字社・北大坂血液センター

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写真5 医療用ボディソニック・ベッドパット
ベッドのマットレスの上にボディソニック・パットを敷く。
人工透析、外科手術前後の不安や痛みの緩和、ターミ
ナルケァ、ストーマケァなど、多くの領域で音楽療法用に
使用されている。
3.2 ボディソニックの1/fゆらぎと誘眠

ボディソニックの振動は基本的には入力される音楽の特性によるが、150Hz以下の低音部を取り出して体感音響振動に変えるので、比較的単調な振動となる。ゆらぎで言えば、1/f2ゆらぎに近い振動である。単調ということは雨だれの音にも似て、眠りを誘い易い要素である。

 

3.3 感性振動波形(メンタルバイブレーション)

ボディソニックで、音楽を用いる代りに鐘の音や波の音の感じを抽象化した信号を、電子回路で合成して駆動すると非常に高い効果が得られる感性振動波形となる。

 

3.3.1 胎児の鼓動と母親の鼓動の相互関係

成人すれば自分の鼓動は胎児期に比べ遥かに遅くなるので、胎内にいた状態にするには、母親に相当する鼓動の相対速度を遅く換算する必要があり、リラクセーションを得ようとすれば、現実の母親の鼓動の周期より遥かにゆっくりしたものが必要である。

 

3.3.2 感性振動の信号波形の種類

①感性振動用の波形は、自分の鼓動や 呼吸を忘れてしまうような非常にゆっくりした周期の場合、リラクセーションや誘眠の効果が大きい。

②信号波形の周期を早くし、自分の呼吸や鼓動を意識す るようになると、落ち着かなくなったり、緊迫感を与える効果が有る。

③上記の中間的な周期を持つ信号波は、快活、快適などの心理的効果をもたらす性質がある。

 

3.3.3 感性振動の信号波形名と効果

著作権主張の為転載を控えます。URLから確認してください。

 

3.3.4 能動的機能を持つ寝具の可能性

音楽によるボディソニックや感性振動について述べてきたが、これらの機能を巧く組み合せると、誘眠機能や、目覚し機能を持った「快眠快醒寝具(ベッド)」が実現可能になってくる。

 

4.工学的な技術面からの検討

“ボディソニック”“感性振動”などの工学的な技術面からの検討は、筆者(小松明氏)による特許、その他の文献を参照願います。

 

結果

ボディソニックは受容的音楽療法に応用されて、不眠症、うつ病、不登校児、摂食障害、過敏性腸症候群など、心療内科領域で多くの研究・臨床報告がなされている。これらはストレスに起因するもので、症状の改善は体感音響振動のリラクセーション効果を示す。ストレスや興奮は眠りを妨げるものであり、リラックスしていることは眠りに就きやすい条件のひとつで、ストレス社会の今日では重要である。

 

考察

  • 情報を持つ体感音響振動

情報を持つ体感音響振動は、物理現象としての振動・エネルギーの面と、情報の面を併せ持った、触振動覚的に身体で感じとることの出来る幅広いものと捉えることができる。

 

  • 通信における情報伝達との相違点

情報を持つ体感音響振動は、通信におけるような純粋で効率的な情報のみの伝達手段としての技術とは趣を異にする。

 

  • 情報を持つ体感音響振動の効果、概念の体系化

「情報を持つ体感音響振動の心理的効果、生理的効果、化学的効果、物理的効果などの応用の有用性の概念を体系的に捉える」ことの必要性を指摘したい。

 

むすび

展示会などで多くの人が見ている中で、ボディソニックで寝てしまう人が多いことや、音楽療法で得られている数多い臨床例など、さまざまな経験から、ボディソニックの開発者として、情報を持つ体感音響振動と眠り、リラクセーションとの関わりの考察を試みた。

 

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