いびき防止の為の口蓋垂切除手術

日本人の死因の第3位として「肺炎」があります。
ちょっと前まで、日本人の死因は、「がん」「心臓病」「脳卒中」の3大疾病が不動の位置を占めていました。
近年そこに割って入ったのが「肺炎」です。
若い人からみれば、「えっ?肺炎?風邪をこじらせたやつ?」くらいな感覚ではないでしょうか?
高齢化社会で高齢者の割合が高く、高齢者は肺炎になりやすいという背景があります。なぜ高齢者は肺炎になりやすいかというと、間違って飲みこんだものが肺に入りやすく、そこから炎症を起こすのです。誤嚥性肺炎というものです。
食べ物や飲み物を飲み込む際に、喉の入り口のところで、食べ物や飲み物が気管(肺のほう)に入らないように、軟口蓋が気管を閉じ食道に食べ物を運びます。この時口蓋垂は食べ物が鼻のほうに逆流するのを防ぎます。
この連係プレーが無意識のうちに行われるわけです。

さて、いびきの原因として口蓋垂とその周りの組織が震えることが原因であるため、それを切り取ってしまえば、いびきが出ないというのが、いびき防止の為の手術の一つです。ネットによくある日帰りでできるレーザー手術などとされているものはほとんどこの手術です。

実際、口蓋垂自体は、いびきを強くかくことが原因で長く伸びてしまうことがあり、通常であれば1cm程度のものが、3cmくらいになる場合があります。いびきをかいたときには音がなりやすくなります。うまく切除するのは高度の技術が必要で、しかもうまく切除したところで効果のほどはよくわからないというのが実情のため、現状はマウスピースのほうが主流のようです。

そして、下手な切り方をするとどうなるかというと、飲み込むときの蓋の役目を果たさなくなるため、飲み物食べ物が鼻の奥に一部逃げ込んでしまいます。一連の飲み込み作業が終わった後の呼吸時にその残りが気管に入り込み、むせてしまうわけです。

若いうちは少しぐらい肺に入っても、むせて咳き込めば吐き出すことができますが、高齢者になるとその力が衰えたり、肺に入ってしまったことに体が反応できなくなったりして、肺炎となるリスクが高くなるのです。
肺炎による死亡は、呼吸をしてもガス交換が上手くできないため、水の中でもないのにおぼれてしまうようなものだそうです。

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