睡眠時無呼吸症候群の合併症として胃食道逆流症は40%以上とも言われています。睡眠外来系の説明では、「無呼吸症候群で喉が閉じ、呼吸をしようとして食道内が陰圧になり、胃の内容物が食道に吸いあがるため、胃食道逆流症をおこす。」とされています。
一般的に陰圧になって吸いあがるとしたら、先に気道から空気が入ってくるほうが自然と思われます。胃の先は閉じているので、吸気の力ではなく腹圧で押し出すのであれば胃の内容物が上がってきます。陰圧で、片や外気に続いた気道であるのに対して、もう片方が胃で気圧的には閉鎖されている状態では、閉じた側の胃から中身を吸い上げるのは容易ではありません。
無呼吸症候群の原因である気道の狭小が、喉の周りの組織が物理的に閉じてしまうこととするならば、成り立つことですが、私自身は、睡眠時無呼吸の原因が睡眠時の脱力による物理的な閉塞であれば、重症の無呼吸患者が気絶したら、そのまま窒息する事件が多発するだろうと思うので、基本的に単なる脱力による閉塞ではないと考えております。
実際には物理的な窒息は起こりえません。体の反応として狭小化が起こっているので、陰圧ということもありません。
胃食道逆流症は胃の入り口の噴門のゆるみと、胃の内容物が体を横にするには多すぎること。脂肪分や着るもの等の腹圧が強いことが原因で起こっています。
碧南市民病院診療部耳鼻咽喉科の論文です。
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―ランソプラゾール内服と睡眠内容の検討―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi1954/52/2/52_145/_pdf
今回の検討は正常成人において潜在的に逆流した胃分泌物よりも、その中和機構が優位になった状態を作り出したと考えられる。その結果、上部気道に作用する要因が減少し、気道の狭窄にかかわるパラメーター を中心に睡眠の質に影響を与えたものと考えられた。下部食道括約筋の機能障害がGERDの症状発現には重要な因子であることは間違いないと考えるが、症状の抑制因子としての口腔咽頭機能の存在を改めて認識する結果となった。
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もちろん論文の中では、違う説明となっていますが、観察の結果は明らかに胃食道逆流症の治療が、睡眠時無呼吸症の症状を緩和しています。
胃食道逆流症を緩和すればいびきを緩和できる。いびきや睡眠時無呼吸症は、それ自体が病気なのではなく、風邪を引けば熱が出るのと同じ、胃食道逆流症による症状と見るほうが正しいものと考えています。
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