ロシアW杯の初戦で日本がコロンビアに勝利を挙げることができました。ワールドカップの歴史上、アジアの代表チームが南米の代表チームに勝ったのは初めてらしいです。歴史的勝利ということですが、それだけ差があったという事でしょう。よく頑張りました。
イビキをかく原因
いびきの音については、①口呼吸+②呼吸の強さ+③組織の震えやすさがあげられます。いびき対策と言われるツールやサプリは何とかこれを抑えようとしています。
しかしながら、音がでなければいびきはOKかというとそうではありませんよね。根本的に止める必要があるわけで、それにはいびきの原因を調べなければいけません。
一般的ないびきの原因を調べると、あおむけで寝るなどの「寝方」、肥満や鼻の病気などの「体質」、疲れているとか、お酒を飲んだとかの「体調」などが複合的に絡んでいるということです。しかし、人や動物がなぜ「いびき」をかくように進化したのか?を根本的に説明したものに行きつきません。
睡眠時無呼吸症候群と胃食道逆流症の関係を調査した結果があり、胃食道逆流症を抑える薬を服用することで、睡眠時無呼吸が改善した結果となっています。(「胃食道逆流症 (GERD) と睡眠障害:ランソプラゾール内服と睡眠内容の検討」(第8回食道逆流症(GERD)と咽喉頭疾患研究会にて報告、収録刊行物「耳鼻と臨床 52(2)、145-151、2006」)
睡眠時無呼吸と「いびき」の原因が完全一致するかどうかははっきりとしていませんが、胃内容物が胃から食道、食道からさらに気道に逆流することを防ぐために「いびき」をかいていると仮定してみました。
まずなぜ逆流するかというと、原因は胃の噴門の下部食道括約筋という筋肉のゆるみです。
食道と胃の境界が噴門になります。反対に胃と十二指腸の境界は幽門となります。
もともと噴門は食道から入ってきた食べ物を胃に送ると閉じて、逆流しないようにしますが、必要以上に多くの食べ物を詰め込んだ場合や、消化に時間のかかる脂肪やたんぱく質の多い食事、また食後2~3時間は胃に食物が残っているのですが、その状態で横になる(寝る)などの生活習慣や、たばこ、ストレスなどでも噴門は緩んでくるようです。
また、ゆるんでしまった噴門を鍛えて元に戻すということが簡単ではないようです。
このいくつか挙げた原因は、逆流性食道炎だけではなく、睡眠時無呼吸症候群、肥満、いびきの原因として挙げられている内容と同じなのです。
さらに、脳障害(脳梗塞や脳溢血など)による嘔吐を防ぐことが、窒息やその後の肺炎の原因となるのを防ぐために、大きないびきをかく原因説明ともなります。
さて睡眠学会的には、いびきの原因として舌の根が重力で落ち込む等、物理的な作用により、気道が狭窄するという説明から、いびきがさらに悪化して気道をふさぐことで睡眠時無呼吸症(SAS)が起こるとしております。またSASの患者に胃食道逆流症(GERD)が多い原因として、無呼吸の陰圧によって胃酸が食道に逆流すると説明されています。実際この陰圧も机上論であり、きちんとした検査結果ではなかったようで、最近の検査結果では、陰圧は発生していないことが分かってきたようです。
更に宇宙ステーションでもいびきをかくことが分かっているように、重力による落ち込みが原因ではないことも明確になっています。
実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法として利用されるネーザルCPAP療法ですが、ネーザルCPAPを使うと、胃食道逆流症(GERD)の改善効果も認められるという結果が出ております。デューク大学(アメリカ)の研究グループが331人を調査し、SASの患者の62%にGERDの症状があり、CPAPによって、48%の改善が見られたそうです。
上記だけであれば無呼吸の陰圧が減った効果として見ていいかもしれませんが、陰圧自体がもともとなかったのであれば、それも怪しいですし、実はSASを合併していないGERDの患者にCPAPを使うと、症状の改善がみられるという報告もあるようです。
CPAPの副作用に腹部膨満感やおならがありますが、CPAPで送り込まれた強制空気が、食道に圧をかけて胃内容物の逆流を押し戻す効果を起こしていることも考えられます。また、CPAP治療は、肥満治療や生活習慣改善も同時にやって初めて効果が得られることもデータとしてあるので、ほかの効果が出ただけなのかもしれません。
睡眠時無呼吸やいびきの改善策として胃食道逆流症(GERD)などのほかの疾病を検討せずに、ただ物理的な作用を止めることが、ほかの病気を悪化させる原因となる可能性があり、さらには逆流性肺炎などそれまで抑えられていた病気を併発する可能性もあることが懸念されます。
根本的ないびきをかく原因を解明することが、いびきの問題を解決することにつながります。しかしながらその解決の方法はいびきを止めることではない可能性もあるということです。
発想の転換が必要になるでしょう。
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