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(論文紹介)生活習慣病と睡眠障害

今日は、「生活習慣病と睡眠障害」といいう論文を紹介させていただきます。安眠家具で不眠症を改善させていく上で、不眠症の原因を調べていくと、身体的疾患が原因ということもあり、その身体的疾患が生活習慣病といわれるものが多いということが分かります。ストレスからの過食や、不規則な時間等、ストレスと生活習慣と食と睡眠。すべてが繋がりをもっており、悪化する要因にもなるし、逆に例えば睡眠一つでも良好にしていくことが全体の改善につながっていくことが分かります。

(第6回学術集会 2008.2)

生活習慣病と睡眠障害

筒井 末春
日本心身健康科学会 会畏
人闇怒合科学大学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/4/2/4_2_69/_pdf

はじめに
睡眠障害の分類については今日、睡眠障害国際診断分類 (International Classification of Sleep Disorders; ICSD)に基づいて行われているが、疾患の数は多岐にわたっている。
これら睡眠障害を大別すると以下のごとく整理される。
第1は睡眠の量や質に問題のあるもので、不眠症や過眠症等が該当する。
第2は睡眠中もしくはこれに近接して生じる異常現象 (不随意運動も含む)を示すもので、レストレスレッグス症候群や各種睡眠随伴症等が含まれる。
第3は睡眠覚醒に直接影響する生体の概日リズムの異常で、概日リズム睡眠障害があげられる。
第4は身体・精神疾患に基づいて生じるものが知られている。
本稿ではこれら分類のうち第4に位置する身体疾患に基づいて生じる睡眠障害として、生活習慣病をとりあげて生活習慣病にみられる睡眠障害に関して行われている臨床的研究について概説する。

現代人の睡眠とその問題点

現代社会は24時間社会ともいわれ、人々の生活は都会ほど夜型化し就寝時刻が遅くなり、睡眠時間も短縮している。日本人全体の平均睡眠時間は約7時間といわれているが、これは40年前に比較して約1時間減少している。従って多くの人々が睡眠不足の状態で生活しているものと思われる。
また成人の約5人に1人が睡眠の問題をかかえていて、特に一般勤労者では20〜40%に不眠や睡眠の質の悪さを認めるとされている。
ところで睡眠不足は昼間の眠気や偽怠感、集中力の低下、不安など心身の症状を呈するだけでなく、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の誘因や増悪因子となり得る。
一方、高血圧や糖尿病では不眠が高率にみとめられ、不眠の原因疾患として考えられている。
また我が国で問題となっている自殺の背景にうつ病、うつ状態がひそんでいることが指摘されているなかで、これら心の病には不眠はほぼ必発とされ、今日では慢性化した不眠はうつ病発症の危険因子とされている”.

健康日本21からみた睡眠の課題”

平成12年 (2000年)から21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21) が推進されているが 平成15年 (2003年)3月には健康日本21に定められた睡眠に関する目標達成を促進することを目指して健康づくりのための睡眠指針が策定された。
本指針では成人を対象として睡眠の問題をとりあげ、「快適な睡眠のための7箇条」と名付けて生活習慣を改善することで、より良い睡眠が得られるように整理されている。以下にその項目を示す。
1) 快適な睡眠でいきいき健康生活
2) 睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眼のバロメーター
3) 快適な睡眠は自ら創り出す
4) 眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる
5) 目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン
6) 午後の眠気をやりすごす短い昼寝でリフレッシュ、昼寝をするなら午後3時前の20〜30分
7) 睡眠障害は専門家に相談
睡眠障害は体や心の病気のサインであることがある。
第1箇条では快適な睡眠で疲労回復・ストレス解消・事故防止がうたわれているが、一方睡眠に問題があると生活習慣病のリスクが上昇することも記載されている。

睡眠と食欲・耐糖能の関連

ラットを長時間断眠させると摂食量は増加するにも関わらず体重は減少して、2〜3週間後には体温調節が破綻し低体温をきたし死亡するに至る。人では健康成人を4日間連続して睡眠時間を4時間に短縮するだけで耐糖能の低下をきたす。睡眠時間の短縮は食欲や空腹感にも影響を及ぼし、それに関与する神経ペプチドとしてレプチンとグレリンがあげられる。
睡眠時間を4日間にわたり4時間に制限するだけで空腹感と食欲は1日中増加を示し、空腹のシグナルであるレプチンの減少がみとめられる。これらから短時間睡眠はレプチンの減少とグレリンの増加及び空腹感と食欲の冗進につながる可能性もあり、また睡眠不足により耐糖能も低下するため、その際睡眠不足の状態で過食におちいることがあれば高血糖を来す可能性もあるといえよう。
健常者を対象に平均睡眠時間8〜9時間から強制的に6晩にわたり睡眠時間を4時間以下にすると、睡眠不足によりインスリン拮抗ホルモンであるコルチゾール値が有意に増加し、交感神経活性亢進が認められインスリン分泌低下とは無関係に食後の血糖値の上昇が生ずることも知られている。

睡眠時間と糖尿病

Nilssonらは縦断的研究として6000人以上の中年男性を15年間にわたり追跡し、睡眠障害のあるものでは睡眠障害のないものに比較して、糖尿病発症の危険が1.5倍高まると報告している。
またGottlielらは一般人を対象とした日常の睡眠時間と糖尿病の大規模にわたる関係を検討し、睡眠時間が5時間以下の人は睡眠時間が7〜8時間の人に比較して、糖尿病発症の危険率が2.5倍に上昇するとしている。
Knutsonら(2006年)はⅡ型糖尿病を対象とした 横断的研究で、睡眠時間と睡眠の質がHbA1cの有用な予測因子であることを明らかにし、また睡眠時間と睡眠の質はⅡ型糖尿病のリスクだけでなく、その重症度にも関連性があるとしている。
本邦では川上ら(2006年)が日本人男性を対象に睡眠障害とⅡ型糖尿病の発症を8年間追跡し、睡眠障害のある人はない人に比較してⅡ型糖尿病を発症するリスクが2〜3倍高いとしている。
ここで臨床的立場から本邦において糖尿病患者における睡眠障害の実態についての最近の報告を概述する。
調査はWHO/WWPSH睡眠障害の診断と治療のためのキット (日本版)の不眠の自己評価表を用い、糖尿病患者158名とコントロール群205名について睡眠障害の実態調査が行われている。糖尿病患者ではコントロール群に比し明らかに不眠を訴える割合が2倍以上多く、患者の37%が何らかの頻回な不眠を経験しており、不眠のタイプ別では入眠困難19.5%、中途覚醒17.5%、早期覚醒18.2%で、入眠困難・早期覚醒に有意差が認められている (図1).

精尿病患者の睡眠障害とその関連因子についての検討では、HbA1cの値が上昇するにつれて入眠困難を訴える患者の頻度が段階的に増加し (図2)、糖尿病性神経障害による下肢の痛み、しびれ等の症状を有する患者で中途覚醒、早期覚醒を中心とした不眠を半数以上の高率に認めている (図3)。また糖尿病患者のうちで不眠のある者を無作為に2群に分け睡眠薬投与群と非投与群で比較したところ、投与群ではHbA1c が有意に減少し、非投与群ではむしろ増加する傾向がみられたという。

これらの成績は健常者での睡眠短縮による耐糖能低下とともに、糖尿病患者においても不眠や睡眠不足が 耐糖能に悪影響を及ぼしていると可能性も示唆されよう。
糖尿病患者の睡眠障害と関連する要因としては高血糖や神経障害以外にも不規則な生活習慣や不規則な勤務形態 (二交代ないし三交代勤務) に起因して睡眠障害があらわれることもある。
その他糖尿病の患者には、睡眠時無呼吸症候群が肥満との関連でもみられやすく、糖尿病で特に血糖コントロールの悪い例にうつ状態や不安障害が出現しやすく、これらが共存して睡眠障害を増悪したり修飾することもあり、一層の注意が必要となる。

睡眠障害と高血圧

健康成人を一晩断眠させると血圧は約10mm/Hg ほど上昇するされ、その上昇は圧受容体反射のセットポイントの変化による可能性が指摘されている。
また睡眠と血圧の関係ついて睡眠時間を残業などによる睡眠不足で平均3.6時間に限定して、血圧及び心拍数を睡眠時間が平均8時間の人と比較すると、睡眠不足の人では翌日の平均収縮期血圧、平均心拍数ともに有意に上昇するという。これらの結果は急性の断眠や睡眠不足が翌日の血圧上昇を招くということを示している。
さらに職場の定期健康診断の際のデータを利用し、睡眠障害の有無で高血圧の発症率にどの程度の差があるのかをみた前向き研究の報告がみられる。それによると入眠困難のあることで、高血圧発症の危険率は入眠困難のない人に比較して約2倍、中途覚醒では約 1.9倍に高まるとし、睡眠障害が年齢、アルコール摂取量、喫煙習慣、肥満やストレスと並んで高血圧発症の危険因子であるとしている。
このことから睡眠不足、睡眠障害はいずれも高血圧発症の危険因子である可能性が高いといえよう。

睡眠障害とうつ病

うつ病では高い頻度で睡眠障害がみとめられるが、その逆に睡眠障害からうつ病が生じる可能性についても論じられている。
米国のジョンス・ホプキンス大学医学部学生に対する長期間にわたる縦断的調査が知られ、これは1948年から1964年にかけて在籍した学生の在学中における睡眠習慣に関する調査をもとに、卒後5年おきに最長で45年間 (中央値34年) 追跡した1053名のうち、1993年時点での生存者は941名(平均年齢 62.6歳) で、101名がそれまでにうつ病の時期があり。 そのうち87名が抗うつ薬や専門的な治療を受け、さらに13名が自殺を完遂したとしている。
これに加えて詳しく解析すると、学生時代に睡眠障害もしくはストレスがかかった時の寝つきの悪さを訴えた者は、そのような訴えのなかった学生と比較して 卒業後に2倍近くうつ病に羅患したことも判明している。
これとは別に一般人口である時点で不眠を訴えた人は、そうでない人と比較して有意にうつ病になりやすいとする報告があり、それによれば7954人の一般住民を初回と1年後に面接して精神疾患の有無を調査した結果、初回と2回目ともに不眠を訴えている人は,そうでない人と比較してこの1年間に新たにうつ病に確患した比率が40倍近くに及んでいるとしている。

一方、高齢者のうつ病に関連する危険因子を一般住民を対象に検討したメタ解析によると (図4)、不眠は女性、身体障害、配偶者との死別、うつ病の既往とともに、高齢者にうつ病をもたらす明らかな危険因子であることが判明している。
日本人の一般人口を対象とした最近の疫学調査では、不眠症状のうち中途覚醒や早朝覚醒とうつ病との関連がよく知られているが、睡眠障害のパターンとして入眠困難が最も強くうつ症状と関連していることが明らかにされている。

生活習慣病と不眠の関連

ここで生活習慣病と不眠に関して本邦で最近行われた大規模調査について紹介する。
2004年12月にJR東海が有するオフィス勤務を主体とした勤労者モニターグループの会員 (年齢35〜 59歳) 7800名を対象に33項目にわたる質問を作成し、生活習慣病に関する情報や不眠に関する情報を収集し、現在の抑うつ状態に関する質問はM.I.N.I. (Mini International Neuropsychiatric Interview) を用い、睡眠の質及び昼間の眠気に関する質問項目としてピッツバーグ睡眠質問表及びエップワース眠気尺度を使用した。
解析対象は5747名、うち男性5230名、女性517名で平均年齢は43.8歳。男性44.1歳、女性41.4歳である。
過去2年間に健康診断で高血圧、高脂血症、糖尿病 (以下三疾患)のうち、少なくとも一つ以上に異常を指摘された人は2837名 (49.4%)。生活習慣病のない人は2910名 (50.6%) であった。生活習慣病の指摘を受けて通院治療しているのは721名(25.4%)、指摘を受けていながら放置しているものは2116名(74.6%) であった。
次に不眠で悩んだ経験のある群について生活習慣病の有無で比較すると (図5)、有病群で32.6%、ない群で26.2%で有病群での割合が高率であった。有病群のなかでも放置群での割合は33.3%で、治療群の 30.5%より高率でコントロール群と比較すると有意に高かった。
また三疾患で治療中の群においてもコントロール群と比較して不眠の割合が高く (6.0%) 有意差をみとめた。さらに三疾患で指摘を受け放置している群では不眠が47.3%に達し、約2人に1人の割合でみとめられた。

次にピッツバーグ睡眠質問表で5.5点以上の睡眠が障害されている人の割合は有病群で40.1%、コントロ ール群32.2%で有病群で高く、そのなかでも治療群より放置群で、また単独群よりも三疾患で治療群がより高く、特に放置群はコントロール群との間に有意差をみとめた (図6).
同時に施行したエップワース眠気尺度が11点以上の昼間の眠気が強い人の割合も同様な傾向がみられ、有病群で12.0%、コントロール群で10.3%で放置群ではいずれも有病群より昼間の眠気が高かった (図6)

生活習慣病、不眠と抑うつの関連

抑うつ状態をみとめる人の割合は、有病群で6.0% でコントロール群 (4.0%) より高かった。また治療群と放置群では治療群5.7%に対し放置群は6.1%を示し、三疾患で指摘を受け放置している場合は9.9% の高い率を示し、これはコントロール群の約25倍に相当した。
有効回答者全体で不眠経験のある人は、ない人に比較して抑うつ状態を有する割合が有意に高く、前者で 12.4%、後者は1.9%であった。
これを生活習慣病で治療中の人。生活習慣病の指摘を受け放置している人及び生活習慣病の指摘なしの人について、それぞれ不眠の経験の有無から抑うつの関連を調べると、いずれも不眠経験のある人はない人に比較して抑うつ状態を有する割合が有意に高く、特に治療群では10倍以上を示した (図7)

逆に抑うつ状態をみとめる人 (285名) は、みとめない人 (5462名) に比較して生活習慣病の有病率が高く (59.6%vs48.8%)、さらに不眠経験者の割合も高かった (73.3%vs27.3%)。また性差の面で検討すると女性勤労者は生活習慣病の有無やその治療の有無に拘わらず、男性勤労者に比較して睡眠の問題が深刻で抑うつ状態をみとめる割合も高くなる傾向がみとめられたという。

主治医とのコミュニケーション

不眠経験者 (1687名)で「かかりつけの主治医に睡眠の相談をしたことがありますか」という質問に対して「はい」と回答した人の割合は23.2%で、そのうち有病者で治療を受けている人 (220名) では 39.5%、放置している人 (704名) では20.6%と低率で、治療者と比較して有意に低率であった。
対象者 (5747名) に対してかかりつけの主治医に「眠れていますか」とたずねられた経験があるか否かについて検討すると (図8)、治療中 (721名)の人で問いかけのあったのが32.5%、放置群では23.9%で両群の間に有意差がみられ、放置群よりも有意に低率を示した。
従って生活習慣病を扱う医療機関の現場において、約7割の医師が睡眠に関する問診を実施していないわけで、今後睡眠の問題を積極的に把握する姿勢が強調されても良いものといえよう。

不眠症の対処

不眠経験者の「眠れないときの対処法」として最も多かったのは「何もしない」が43.5%で、次いで「寝酒をする」が29.5%、「医師に相談して睡眠薬を処方してもらう」が17.0%、「市販の睡眠改善薬を使用する」が7.3%であった (図9).
コントロール群及び放置群においてもほぼ同様な傾向がみとめられ、全体的に不眠への対処として主に寝酒に頼る傾向が示された。これらから不眠経験者の多くは、我が国においては自発的に医師に相談することも。また医師からも睡眠に関する問診を受けることも乏しいまま、無治療で放置するかあるいは自己判断で寝酒や市販薬に頼る場合が多く、処方薬による適切な治療を受けていない実態が明らかにされている。

ところで2002年に世界10ヶ国 (オーストリア、ベルギー、ブラジル、中国、日本、ドイツ、ポルトガル、スロバキア、南アフリカ、スペイン) で実施された国際睡眠調査をみると、不眠への対処として寝酒を選ぶ人の割合は日本が最も高く30.3%、最も低いのがオーストリアで9.8%、平均で19.4%であるとしている。我が国では一般に睡眠薬に対する依存症な どの偏見がみられ、眠れないと容易に寝酒に頼る傾向がみられ、それがかえってアルコール依存につながる場合もみられることから、不眠を放置することなく、医療機関に受診して正しく対処することが肝要といえよう。

今後の課題

これまで生活習慣病についての不眠及び抑うつとの関連からその実態を示し、生活習慣病を有する人は無い人に比較して不眠及び抑うつの割合が高く、治療群よりも放置群でその傾向が強く、逆に不眠及び抑うつの無い人よりも有る人が有意に生活習慣病率が高いことが判明した。
また不眠症経験者の多くは自ら医師に相談することも、医師から睡眠に関する問診を受けることもなく放置するか、あるいは自己判断で寝酒や市販薬に頼る場合が多く、睡眠薬による適切な治療を受けていない結果が得られている。
生活習慣病治療においては食事療法や運動療法の重要性が従来から指摘され実施されているが、生活習慣病は不眠や抑うつと密接に関連しており、食事療法。運動療法に加えて睡眠療法も1つの柱として重要であることを指摘したい。
睡眠が不足すると昼間の眠気が増しQOLが低下しやすい。さらに脳に満腹感を伝達するレプチン濃度が減少し、一方では空腹感を引き起こすグレリン濃度が増加し、その結果食欲が高まるとされている。
したがって睡眠が不足することで食事療法や運動療法にも支障をきたし、睡眠の十分な確保が生活習慣病には欠かせないと申せよう。
これらを踏まえて今後は生活習慣病における睡眠療法の効果を立証し、将来的にはその予防面にも研究が進んでいくことが期待される。心身の健康を考える際にも睡眠の問題はキーワードの一つとして捉えていくことはもちろんである。

引用•参考文献

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19) 寺尾岳、寺尾未知:生活習慣とメンタルへルス ー精神科医と健診医の実証的検討、新興医学出 版,束京,2007
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21) 内村直尚:生活習慣病と睡眠障害。心身医学, 47 (9) : 771-776, 2007.
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23) Soldatos R, Alleart FA, Ohta T et al. How do individuals sleep around the world Results from a single-day survey in ten countries. Sleep Med, 6(1) : 5-13, 2005.

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(論文紹介)安眠と明るさ

明るい部屋で眠ると太りやすくなるという論文もありましたが、
睡眠の質に「明るさ」がどのような影響を与えているのか、発表論文から面白いものがあるので見ていきたいと思います。概要として紹介しますので、全文はURLからご覧ください。

(論文紹介)安眠と明るさ

公益社団法人 空気調和・衛生工学会 近畿支部
平成27年10月30日(金)15時~17時
講習会「(大阪)環境工学研究会「睡眠に影響を及ぼす環境要因」」
2. タイトル:光環境と睡眠http://www.kinki-shasej.org/upload/pdf/hikari.pdf
■報告者
小山恵美(京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系 生理環境工学研究室)
■内 容
眼球から大脳視覚領域に伝わる途中で分岐した光の信号は、総じて覚醒方向の生理作用を視覚情報処理とは無関係にもたらすことが知られている。したがって、良質な睡眠確保のために、朝は目覚めを助け、日中は覚醒維持のために光を活用し、夜には余分な覚醒作用を生じないよう不必要な光を減らし、就寝時はできるだけ暗い環境を確保することが、光環境整備の原則である。また、光の量だけでなく分光分布にも留意する必要がある。

1. はじめに
①概日リズムの規則性の確保、②日中や就床前の良好な覚醒状態の確保、③適正な睡眠環境の整備、④就床前のリラックスと睡眠への脳の準備をとりあげ、睡眠衛生の向上という観点から、光環境と睡眠について概説する。

2. 睡眠衛生と光環境
光環境をはじめとする生活環境整備や生活行動の工夫などによって睡眠衛生の向上を図る場合に、1日の時間帯を考慮に入れて、それぞれの生活時間帯に適した方法を選択することの必要性が導かれる。

3. 光が心身に及ぼす影響
日常の生活空間における「光」は、対象物の形や色を認知するために必要な「あかり」としての役割が大きい。日常の生活空間に対する適合性や満足感の向上、あるいは、暗闇に対する不安感の軽減などの心理的・精神生理的な影響を人間にもたらすと一般に考えられている。
一方、生物としてのヒトにとって、光の信号は、生物時計の調節の他、直接的な脳の覚醒作用、交感神経の亢進作用、夜間に分泌されるメラトニンの生合成を(夜間の光曝露で)抑制する作用など、総じていうと覚醒・緊張方向の生理的作用を視覚情報処理とは無関係にもたらすことが知られている。
照度と相関色温度を白色光範囲内で変化させて主観評価を比較した結果をまとめると、1940年代の古典的研究から1990年代の3波長型蛍光ランプを用いた複数の研究を通して大筋で一貫性がみられる。相関色温度が低い空間(~3000K程度)については落ち着いた暖かい雰囲気となって比較的低照度(~200 lx程度)条件が適切であるのに対し、相関色温度が高い空間(4000K程度~)については低照度では寒々とした陰気な雰囲気となるので高照度条件が適切である、という結果が示されている。
良質な睡眠確保のために睡眠と覚醒のサイクルに着目すると、1日の時間帯に応じて光環境の生活適合性が変動することが示される。すなわち、夜間は眠りに入ろうとする心身の状態を妨げないように覚醒方向の作用を弱める(受光量を減らす)必要があり、逆に昼間は覚醒維持を助けるように受光量を確保する必要がある。さらに、光環境が心理的違和感を生じないような分光分布(相関色温度)の光源を選択する必要がある。

4. 睡眠と光環境の現状問題点と解決方向性について
昼間の受光量が不足することよりも、夜間の光が過剰であることの方がより深刻な問題点と考えられ、相関色温度の高い分光分布を有する光源が夜間に使われた場合には、青色波長成分も増大することが懸念される。昼夜の覚醒と睡眠のサイクルを健康的に維持するためには、昼間はできるだけ明るくするとともに青色波長成分を白色光としてのバランスの範囲内で確保し、日没後は相関色温度の低い光環境で過ごし、さらにパラメトリック同調を成立させるために、夜間就寝前から就寝中にかけてまとまった時間の暗さを確保し、起床前には暗から明への移行部分の薄明漸増状態を作ることが重要と考えられる。

5.おわりに
眼球から大脳視覚領域に伝わる途中で分岐した光の信号は、総じて覚醒・緊張方向の生理作用を視覚情報処理とは無関係にもたらすことが知られている。したがって、睡眠衛生の向上という観点から適正な睡眠確保を考える場合に、朝は目覚めを助け、日中は覚醒維持のために光を活用し、夜には余分な覚醒作用を生じないよう不必要な光を減らし、就寝時はできるだけ暗い環境を確保することが、光環境整備の原則である。さらに、光の量や相関色温度だけでなく分光分布・光源の種類にも留意する必要がある。


安眠をもたらす夜間の照明は、明るすぎない様に照度を落とす必要があるが、色温度の高いLED照明は不向きであり、電球色や炎の色が良いと言っております。生物学的な網膜光受容器のピークや、過去主観統計などにより、感覚の裏付けを行っています。

一時期ブルーライトを遮断するメガネというのが流行ってましたね。夜間にブルーライトを浴びると、交感神経が刺激されるとかで、眠れなくなるから、夜はブルーライトを浴びないようにしようという目的だったと思いますが、皆さん昼間働いているときにパソコン画面が良くないからブルーライト眼鏡をかけるとかいう使い方してました。昼間ブルーライトを遮断して交感神経を静めちゃったら、夜眠れなくなるんじゃないかな。と不思議に見ていました。

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生活習慣病と「安眠家具」

家内制手工業跡地?
建物の中はがらんどうですが、ちょっといい雰囲気を醸し出しています。うまくリニューアルすると映画のセットのような居酒屋が出来上がりそう。耐震性とかが若干心配ですけどね。

生活習慣病と「安眠家具」

日本人の平均睡眠時間は、世界でも最も短い部類に入るようです。睡眠時間が短いということは睡眠不足を感じている人の割合も多いことになります。
そして長期間の睡眠不足が生活習慣病に悪影響を与えるということも、様々な研究論文で発表されているように、その関連は看過できる状態ではありません。
さて生活習慣病といっても具体的にどのようなものがあるでしょうか。糖尿病、高血圧、脂質異常症、癌も生活習慣病であり、生活習慣の乱れが原因と言われています。さらに、そこから心臓病、脳梗塞、脳溢血、腎臓病等を引き起こします。
病院にかかる原因は、交通事故などの怪我や、ウィルス性の疾病、生まれついての障害や持病を除くとほとんどが、生活習慣病を起点にしているのではないかと思われるほどです。

睡眠障害と生活習慣病が切っても切れない関係であり、悪化するときは両方が悪化し、逆に改善するときは両方が改善するということも言えます。
病気知らずで生活するためには、睡眠障害にかからない生活を行う事に心がけることです。そしてそれこそが生活習慣の改善につながりますので、生活習慣病のリスクを減らすことになるのです。

睡眠障害にかからない生活にはリズムだと思います。
睡眠不足の体で朝起きるのはつらいでしょうが、とにかく決まった時間に必ず布団から出ることから始めることです。
起きたらできるだけ明るい光を浴びることと、日中どんなに眠くても仮眠をとるとか、ボーとする時間を作らない。
夕方から少しずつ活動を抑え、食事を早めに済ませ、お風呂でゆっくり温まって、遅くても23時くらいには布団に入る。
晩御飯から寝るまではパソコンや携帯をいじらず、できればテレビも見ないで新聞や軽い読書でゆったりと過ごす。
もちろん薬を飲まずに寝ます。
交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズに行う生活習慣が睡眠障害にならず生活習慣病にもならない生活になります。

大事なのは安眠の環境
さて布団に入ってそのまま睡眠に入れればいいのですが、寝つきの悪い状態や元々寝つきの良くない方がいます。
強いストレスがある方や、布団に入って眠れないんじゃないかとか、眠らないといけないと強く思ってしまう方が不眠症になりやすいのですが、安眠の環境を作ることがその不安を取り除くことになります。
よく言われるのは寝室は寝るためだけに使いましょうという環境づくりです。条件反射と同じで「ここにいれば眠れる」ということを体に覚えさせることで、眠れないかもしれないという不安を抑えることになるのです。
とはいえ、日本の住宅事情ではむしろ寝室こそは個人空間として様々なことに活用される傾向にあります。また、パートナーがいれば当然個人空間としても完全ではありません。
睡眠はもっともパーソナルな世界です。
自分だけの環境を作るための環境改善。安眠家具が最も睡眠環境改善に有効です。

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REM、non-REM睡眠とイビキ②

眠りって本当に難しい。
ただ単に眠くなったら眠れるっていうのは、実は結構うれしいことなのです。不眠症に悩む人にとっては、眠いのに眠れない。何日もただ布団の中にいるという感覚なのです。実際は眠っている時間もあるのかもしれないのですが、本人に自覚がなければ、辛さは変わりませんからね。いびきの問題とは別に睡眠障害としてあるのです。

REM、non-REM睡眠とイビキ②
これまでの研究では、REM睡眠は脳は起きて、体が休んでいる眠り。non-REM睡眠は、脳が休んでいる睡眠と言われています。
REM睡眠は脳は起きているといっても覚醒しているわけではなく、コンピュータで言えば、システムのメンテナンス作業を行っている時間です。必要な情報と不要な情報を分類し、必要な情報はこれまでの情報との連結をして整理し、不要な情報を消去する排泄の機能を持っています。

REM睡眠で記憶の整理を行っていると言われています。この時整理作業の副産物的に夢を見ます。さらにその夢に体が反応しないように、筋肉が弛緩して動かないようになっています。
よく言う金縛りは、このREM睡眠中に意識が覚醒してしまった状態で、体はREM睡眠の状態なので筋肉は弛緩して動かないため、動かそうとしても動かせない状態なのです。
non-REM睡眠は、脳が休息して眠っている状態ですが、眠りの深さの段階があります。
深い眠りの段階で、体のメンテナンスが行われるようで、成長ホルモンの分泌が促され、免疫力を高めたり、傷ついた体の修復を行うということです。そのため、深いnon-REM睡眠がないと眠っていても体の疲れが取れないということです。

さて、いびきの出るのは、浅いnon-REM睡眠とREM睡眠の時で、深いnon-REM睡眠では、いびきも無呼吸もなく静かに眠ることができます。
いびきや無呼吸の原因が胃食道逆流症であるとすると、REM睡眠の筋肉が弛緩した状態は、胃の入り口の噴門も緩まっていると考える事ができるので、納得ができるのですが、non-REM睡眠の浅い状態ではどうなのでしょうか?
残念ながら論文などを見る限りその辺の細かいところまでの調査が行われたものの発表は見当たりませんでした。

non-REM睡眠の深い眠りでは呼吸数や脈拍も減る状態になります。いわゆる徐波睡眠という状態になります。この状態になると気道が多少狭まっても、呼吸そのものがゆっくりであるため狭まった気道でもいびきにならず呼吸ができる状態になるのではないかと思われます。
また睡眠時には内臓の活動も低下するのですが、寝る直前に食事をすると、たとえnon-REM睡眠であっても、消化管は働かざるを得ない状態になるため、いびき、無呼吸症状が出てくると考えられます。

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笑顔の安眠⑤不眠症の対処

安眠家具「Sleep Labo」は、発売当初からいびきの音を閉じ込めるという発想で、睡眠環境を作る世界初の家具として提案し続けております。
ただ最近、不眠症対策として、睡眠環境の改善が認知行動療法などの薬物療法以外の心理療法として注目を集め、睡眠環境としての「明るさ」「音環境」「温度」「湿度」などが重要であることが盛んに言われるようになってきています。
まさに安眠を得るための環境として、「Sleep Labo」が提案している環境づくりとぴたりと一致しているのです。

笑顔の安眠⑤不眠症の対処
最近はストレスの多い社会というのは誰でも思うところではないでしょうか?
その中でも眠れないという悩みを聞くと、いろいろな事柄が頭の中でもやもやと渦巻き、寝付けないというものです。
「相愛大学人間発達学研究」の論文は、経験的には、悲観的な考えにいつまでもとらわれて、寝つきが悪いとか、よく眠れない等が続くと、抑うつ的な気分になるということが言われているが、科学的な検証がされていないこのような案件を、アンケート調査により統計的な検証を行ったというものです。

心理的要因が睡眠状況に及ぼす影響

その結果、統制の所在と私的自己意識がネガティブな反すう傾向に影響し、ネガティブな反すう傾向は睡眠傾向に影響することが検証されました。

ではその対処法の一つをかいておきます。
布団に入って目を瞑っていてもいろいろと考えてしまい、もやもやして眠れない時に頭の中の思考を止める方法です。

実は頭の中であっても思考は言葉です。
同時にいろいろとしゃべれないように、頭の中であっても同時にいろいろと思考の言葉を作り出すことはできません。
何か考えてしまうときには、頭の中で、「ンー」とか「ムーン」とかを言葉として思い浮かべると、ほかのことを考えられなくなります。

色々な宗教で瞑想するときに「ムーン」とか「オーム」等を低く発するものがありますが、邪念を払う効果があります。
まあ、オーム真理教の事件で「オーム」って言葉がイメージ悪いですが、元々はちゃんとしたものです。

実際に言葉を発する必要はなく、頭の中だけで大丈夫です。
そうするといろいろと頭の中で考えずに済むので、心を落ち着けて眠りに入りやすくなります。

認知行動療法
不眠症には睡眠薬よりも環境改善です。
よく効くけれど副作用が強い睡眠薬は昔の話。
今は副作用の少ない効き目の優しい睡眠薬が主流です。
睡眠薬が効果的な患者は、健康な睡眠をとっている前提で(生活習慣的に、極端に寝る時間が少なくはない、明らかに眠れないだろうという状況がない、パートナーからも「よく眠っていそうだよ」と言われる)にもかかわらず、日中過度の眠気が来てしまう、これを不眠症として睡眠薬での治療を検討するのがいいのだと思います。
そして睡眠薬が効かない患者はどうすればいいかというと、睡眠環境の改善という方法です。
不眠症対策に、薬物療法ではなく認知行動療法という心理療法がありますが、その考えから言うと、眠れないのにベッドの中にいることによって、「ベッド=眠れない」という条件反射のようなものを体が覚えてしまっているため、余計に悪くなっているということがあります。
要するに眠れないときにベッドに入らないということです。
これを改善するには、睡眠環境を整えて眠れる環境で眠ることを繰り返し、この環境にいれば眠れるということを体が覚えるようにします。
睡眠環境とは、「騒音」「明るさ」「温度」「湿度」などに加え、交代勤務などによる「睡眠に入る時間の不規則」などです。
環境の改善には、寝室そのものの改善を行うことが考えられます。
しかしながら、防音の部屋、遮光カーテン、冷暖房や加湿器で対処したとしても、一緒に生活する相手がいれば、必ずしも自分本位では調節できません。時間のずれ、趣味の違い、パートナーのいびきなどの生活音。
睡眠はもっともパーソナルな世界です。

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笑顔の安眠③温度管理

この時期はお天気が周期的に変わるようですね。私はずいぶんな晴れ男だと思っているのですが、この時期には傘を持って出歩くことがあります。ほとんど差すことがないので、やはり晴れ男はかなりなものだと自負しています。
天気の心配がなければ、自転車で出かけることが多いですね。

笑顔の安眠③温度管理
睡眠時の適温は冬で16度~19度くらい。夏で26度以下といわれ、布団の中が32度~34度くらいです。湿度は50%程度。
研究機関などで、睡眠時の体表温度変化などを見る実験が行われたりする場合、肌着だけで布団をかけずに睡眠をとることがありますが、その時の室温は29度です。
中性温度環境である29度の設定であれば、肌着だけで寝ても風邪もひかないし、暑くも寒くも感じません。

年間を通した外気の温度変化に関しては、体がゆっくり適応するのですが、短期の温度変化はそれなりに大きく、一日を通しても差があります。また、地域によっても一日の寒暖差が大きい小さいの違いがあります。
夏用冬用のパジャマに変えたり、冬の布団や毛布から夏はタオルケット程度まで、温度変化に合わせて睡眠環境を整えるのですが、寝るときには暑いと思っても、朝方はずいぶん冷え込んで風邪をひいたりするので、調整は難しい。

さて、気温の低い冬場に関しては、乾燥も気になります。布団をかけているので体は大丈夫ですが、布団から出ている顔や頭から、思いのほか熱が奪われます。喉も乾燥します。インフルエンザウィルスは空気が乾燥すると強くなるように言われますが、実際はウィルスが強くなるのではなく、乾燥により喉の粘膜の防衛機能が低下して、かかりやすくなるのです。
風邪をひくのは寝ているときと言われるのが、そういう理由からです。

人為的温暖化ガスが原因かどうかは別にして、特に都市部では温暖化傾向がみられます。夏は窓を開けて風が入ってくれば寝れるという環境でもなくなってきました。夜間の室内でも熱中症になるという冗談のような環境に変わってきています。
かといって一晩中エアコンをつけて寝るのはいやだという方もまだまだ多い状況です。また、夏場の蚊に関しては、これまで以上に問題が大きくなってきています。日本脳炎、デング熱、ジカ熱等蚊が媒介する感染症に関しても、外国のことだから日本は安全とも言い切れなくなっているのが現状です。

安眠家具「Sleep Labo」は、温度変化を少なくし乾燥を防ぎます。花粉や蚊の侵入も極力防ぐ事が出来ます。笑顔の安眠を守ります。

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笑顔の安眠②騒音

ちょっと早い羽化でしょうか。
クロアゲハを見ました。クロアゲハとしては小さい個体だったので、もしかしたら、違うかもしれないと思いしらべてみました。
どうやら春型と夏型があるようで、春型は小さいのだそうです。
ハナミズキの蜜を吸いに来たようですね。

笑顔の安眠②騒音
音の問題は、実際の音量以上に感覚的な音量に左右されることが多い問題です。
「ミソフォニア(音嫌悪症)」のような症状も、特に病的なものでなければ誰にだって経験があるはずです。
音は気になりだしたら、我慢をするより先に、能動的に対処するほうがよいと思われます。対処の仕方は相手の音を止めようとする方法ではなく、自身の快適性を求めるための方法です。簡単なところでは耳栓であり、大掛かりなところでは防音工事や場合によっては騒音源から離れるための引っ越しも含めた対処ですね。
もちろん「いびき」には安眠家具SleepLaboが最適です。

ミソフォニアを頂点とする騒音に対する嫌悪感をストレスからくる症状ととらえた場合の対処方法を以下に示します。
東洋医学の考えで、病気の症状で病気を治す方法というのがあります。病気の症状は、体がその病気を治すために戦って出ている症状ですから、同じ状態にして免疫の力を加算するということです。風邪の時に熱が出るので、風邪っぽいと思ったら体を温めるという考えです。

生活音を聞いてイライラする感情が高ぶるというのも、その音に関するなにがしかの原因(過去のトラウマなど)に、精神が支障をきたさないように、早く逃げろとか音源を排除しろという体の反応だと思われます。
我慢するのではなく、とりあえずその音を聞かないようにするのがまず第一です。

次に、根本治療として原因を見つけて解決する方法としては、カウンセリングなどのテクニックにより原因を突き止め排除するという方法があります。
他人の発する騒音は小さくてもストレスになります。
自分の音は当然ストレスにはなりません。自分の音を録音するなどして聞きなれ耳に慣れさせることで、他人の音に対しても許容量を増やしていくことが対処法として有効だと思われます。
ストレスへの対処の仕方としての基本的な考えになると思っています。免疫療法と同じ考えです。
そのうえで物理的な遮音があれば、気持ちよく安眠ができるというものです。
安眠家具の20dB減の機能は、数値としては結構大きい効果なのですが、メンタルな面を合わせて考えるとより効果的になります。うれしくなる安眠にはメンタルも満たされた状態で眠りにつけることが重要です。

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笑顔の安眠①明かるさ

新緑が美しい。
新たな生命ではないのでしょうが、新緑は新たに生まれたような初々しさを感じます。そしていとおしくもなります。春はそんな生きる希望のような季節ですね。

笑顔の安眠①明かるさ
皆さんの寝起きはいかがですか?すっきりと気持ちよく目覚めることができているでしょうか?
寝すぎると顔がむくんでると感じることも多いですし、寝不足だと、なんだか疲れが取れてなくて、口角も下がってほうれい線もくっきりの老け顔になっちゃいますね。
「眠くなって寝る」「自然に目覚める」が良いのかもしれませんが、時間に縛られた生活をしていればそういうわけにもいきません。
時間に合わせた生活に体を合わせていき、リズムを上手く作れるようにすることが、ストレスも少なくて良いようです。

リズムといえば自律神経のバランス。交感神経と副交感神経の切り替えが自律神経のバランスを整え、すっきりした目覚めにつながります。
自律神経失調症の治療にも使われる高照度療法という方法があるように、朝の明るい光(太陽光)をしっかりと受けることで、交感神経を活発にします。反対に副交感神経を優位にするためには、強い光を受けないことが大切です。夜はブルーライトを受けないようにしましょうと、少し前にブルーライト用の眼鏡が流行りましたね。パソコンのブルーライトが交感神経を活発にするから、夜はブルーライトを目に入れないようにしようというものでしたが、皆さん昼間のパソコン作業時にずっとかけてました。昼間は逆に交感神経優位にしておくほうがいいので、まったく逆に使ってたということですね。

さて、光のコントロールをしっかりすることで自律神経のバランスを整えるのであれば、寝ている間も周りが明るくないほうが良いわけです。その明るくない光というと、実は3ルクス程度。室内灯の豆電球で9ルクス程度あるようですので、3ルクスはかなり暗いです。

不規則な時間で生活する人は、周りが明るい環境で寝る状態であったりします。実は睡眠時間は足りていてもバランスは崩れやすく体調に影響があります。
安眠の為の環境コントロールとして、明るさ、暗さの調整が、笑顔の安眠のための第1段階として必要です。

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睡眠薬-危険性4

ナガミヒナゲシでしょうか、雑草として自生しているのに、きれいな花が咲きます。麻薬の原料になるケシとは近縁種なのに、モルヒネはもっていないようです。
実際ケシは、しっかりと管理されているので、意図的に栽培しようとしなければ勝手に増えることはないようですが、アツミゲシは、雑草として繁殖することがあり、野生化して時に取り締まりの対象になることもあるようです。

睡眠薬-危険性4

不眠症の薬である睡眠薬や睡眠導入剤は、何らかの障害により睡眠が阻害されている症状があり、その症状の緩和に対しては、障害によって失われた機能を補填するための薬であると考えるべきです。
そのため恐ろしい副作用があっても、それ以上に眠れない苦しさが強い場合に処方されるべきお薬であると思いますが、あまりにも安易に処方されていると思います。
特に高齢者については、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなっているにもかかわらず、若い時と同じように7時間8時間眠れていないからと言って、睡眠薬を常用している方が非常に多い。
強い依存症となり、薬の強さや服用量も多くなっています。そして、睡眠薬の恐ろしい副作用である、認知機能の低下。いわゆる認知症という病気になるのではなく、認知症と同じ症状が出るわけです。薬をやめれば症状は消えるので、薬の副作用である事は間違いないと思いますが、製薬会社も医者も、睡眠薬の長期使用で認知症になるということは認めません。そのような似た症状が出るだけで、その病気になるわけではないので、間違ってはいないでしょうが、依存性が強くやめられない事と、認知症と同様の症状がでれば、結果的に認知症になっているのと変わらないわけです。
そしてやめようとしても今度は禁断症状の苦しみが、麻薬以上であれば安易に処方することがどれほど危険かということです。
睡眠薬や睡眠導入剤も、本当に眠れないときに利用する1回分とか、数日分とかで十分だし、定期的な職業などを持たない高齢者に至っては、あえてその時間に眠らなくてもよいわけです。
夜眠れないからと睡眠薬を常用している高齢者が、昼間ベッドで寝ている時間が長いというのは、単なる薬漬けでしかありません。


睡眠導入剤の副作用について、「おくすり110番」から引用させていただきます。

① バルビツール酸系睡眠薬
商品名としては、バルビタール、ラボナ等
バルビタールの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
呼吸抑制・・息苦しい、起床時の頭痛・頭重感。
重い皮膚・粘膜障害・・発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。

【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感。
発疹、じんま疹、発熱。
腎臓の異常(蛋白尿など)
長期連用で効き目が悪くなる。

② ベンゾジアゼピン系睡眠薬
商品名としては、ハルシオン、デパス、レンドルミン等
ハルシオンの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
精神症状・・もうろう状態、異常行動、夢遊症状、興奮、取り乱す、幻覚。
一過性前向性健忘・・服薬後寝るまでの出来事を覚えていない、夜中に起きたときの出来事を覚えていない、もうろう状態。
呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシス・・息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。

【その他】
眠気、ボーッとする、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感、脱力感。
口が渇く
長期連用で効き目が悪くなる。

デパスの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
刺激興奮・・興奮、もうろう状態、取り乱す、かえって眠れない。
呼吸抑制・・息苦しい、起床時の頭痛・頭重感。

【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ
ふらつき、めまい、けん怠感、脱力、まぶたが下がる
生理不順、乳汁分泌
長期連用で効き目が悪くなる

③ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
商品名としては、マイスリー、アモバン等
マイスリーの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
精神症状・・もうろう状態、異常行動、夢遊症状、興奮、取り乱す、幻覚。
一過性前向性健忘・・服薬後寝るまでの出来事を覚えていない、夜中に起きたときの出来事を覚えていない、もうろう状態。
呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシス・・息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。
肝臓の重い症状・・だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
眠気、ボーッとする、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感。
口が渇く、吐き気。
発疹、かゆみ。
長期連用で効き目が悪くなる。

アモバンの副作用には、アナフィラキシーがさらに追加されます..発疹、じんま疹、全身発赤、顔や口・喉や舌の腫れ、咳き込む、ゼーゼー息苦しい。

④ メラトニン受容体作動薬
商品名としては、ロゼレム。
ロゼレムの副作用
【重い副作用】
アナフィラキシー様症状・・じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい。

【その他】
めまい、頭痛、眠気、けん怠感
プロラクチン上昇(生理不順、無月経、乳汁漏出、性欲減退)

⑤ オレキシン受容体拮抗薬
商品名はベルソムラ。
ベルソムラの副作用
眠気、めまい、ふらつき、疲労感、頭痛
悪い夢、入眠時幻覚、睡眠時麻痺(金縛り)、夢遊症

番外編 一般市販睡眠薬
ジフェンヒドラミン塩酸塩
商品名はドリエル、ウット等
市販の睡眠改善薬が人気でよく売れているようですが、主成分はすべてジフェンヒドラミン塩酸塩です。抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用したもので、抗ヒスタミン薬で眠くならない人は全く効きません。また元から同じ成分でアレルギー薬として市販されているレスタミンコーワ錠の10倍の価格で製薬会社は大儲けというわけです。
そして、当然副作用もあります。
口の乾きや、眼圧の上昇、排尿障害等と眠気です。緑内障や、前立腺肥大、排尿障害がある方は十分な注意が必要。眠気については、睡眠改善薬ですから眠気があって当然と思われるかもしれませんが、いわゆる睡眠薬ではないため、薬効6時間に対し、睡眠時間が短い場合に、翌日の日中の眠気などとして残ることがあります。また、4日連続で使うと、眠気に対しての耐性ができ、プラシボ薬との差がなくなります。
エスエス製薬から出されているドリエルの副作用としては、眠気、悪心、頭痛、多夢、心高部痛、夢・気分不快、起床時の頭重感です。

不眠の解消には、生活リズムと睡眠環境の改善です。一時的な不眠症状を安易に薬に頼るのは、うつ症状や自殺、他害行為に至る非常に恐ろしいリスクを伴うことであるという認識が必要であると思います。

不眠症の解消には原因のところから手を付けてみる方法が良いと思います。「人間の3大欲求」で書いているので読まれてみてはいかがでしょうか。

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睡眠薬-危険性3

ハナダイコン
ダイコンとついているのは、花や葉を食べると大根のような辛みを感じます。根は食べないようです。食用出来る花なので、焼き魚などにつけると見た目が華やかになるのと、大根の味で油がすっきりする効果があります。
この地域では珍しくないようで、案外道端に自生しているのを見かけますね。繁殖力の強い花のようです。

睡眠薬-危険性3
薬というものは効果があれば当然その副反応(副作用)があります。おおむね薬が強く効けばそれだけ副反応も強く出ます。

① バルビツール酸系睡眠薬
その昔、睡眠薬をたくさん飲んで自殺するというドラマがあったほど、その副反応の強さが知られており、現在はほとんど処方されず、製造も中止される睡眠薬がバルビツール酸系睡眠薬です。薬効は麻酔として使われるほど強いのですが、呼吸抑制や不整脈といった副反応があり、さらに耐性・依存性が強く飲み続ければやめられなくなるお薬です。
中枢神経の神経伝達物質として神経興奮性を低下させるのは、抑制アミノ酸のGABA受容体への結合により、薬理効果を増強するわけですが、後述するベンゾジアゼピン系睡眠薬と同じ機序となります。違いとしては、バルビツール酸系は高濃度になれば、薬理効果の増強が、過剰となりすぎ呼吸や心拍へも影響を強く及ぼすことになる点です。
商品名としては、バルビタール、ラボナ等

② ベンゾジアゼピン系睡眠薬
作用機序はバルビツール酸系睡眠薬と同様、GABA受容体への結合により、鎮静作用をもちますが、バルビツールの過剰反応を起こす機序が作用しない特徴を持つため、より安全であるとされます。しかしながら、GABA抑制機能の賦活化の結果、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、セロトニン、アセチルコリン、ドーパミンを含む脳内の興奮性神経伝達物質の出力が減少します。これらの興奮性神経伝達物質は、正常な注意力、記憶、筋緊張、協調運動、情動反応、内分泌作用、心拍数・血圧のコントロール、その他多くの機能に欠かせないものですが、これら全てがベンゾジアゼピンによって損なわれる可能性があります。GABA と結合しない他のベンゾジアゼピン受容体が、腎臓、結腸、血球、副腎皮質にも存在します。これらもまた、いくつかのベンゾジアゼピンに影響を受ける可能性があります。このような、直接的・間接的作用が、ベンゾジアゼピン服薬による周知の有害作用に関係しています。
商品名としては、ハルシオン、デパス、レンドルミン等

③ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
非ベンゾジアゼピン系とは、ベンゾジアゼピン系の改良型の睡眠薬です。
ベンゾジアゼピン系は催眠作用(眠らせる作用)の他に筋弛緩作用(筋肉を緩めてしまう作用)があり、これによってふらつきや転倒が生じてしまうことがあります。特に高齢者はふらつきによって転倒してしまうと骨折して寝たきりになってしまう事もあり、時に問題となります。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はGABA受容体への結合のうち、筋弛緩作用への結合を少なくした改良型です。
安全性が高いため、処方される頻度も多いお薬です。耐性や依存性は生じますが、ベンゾジアゼピン系と同程度か、ベンゾジアゼピン系よりも若干少ないと言われています。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、作用時間の短いものしかありません。現時点で発売されているものは全て超短時間型になります。そのため、非ベンゾジアゼピン系は主に寝つきが悪いタイプの不眠(入眠障害)に用いられ、夜中に何度も起きてしまうタイプ(中途覚醒)にはあまり向きません。
商品名としては、マイスリー、アモバン等

ちなみにGABAそのものを食品で取っても脳関門を通過しないため、直接作用することはできませんが、腸にもGABA受容体があり、腸のGABA受容体での作用が脳に神経伝達され影響を与える可能性があるようです。

④ メラトニン受容体作動薬
その名の通り、メラトニン受容体に作用する睡眠薬です。自然な生体リズムにより、脳の松果体から分泌されるホルモンであるメラトニンと結合するメラトニン受容体に作用します。
何らかの理由によりメラトニン分泌に異常が出ている場合に、メラトニンの代わりに作用し睡眠に導くため、自然な眠りであるとされます。そのため薬効が現れるのに2週間程度を要するのが難点ではありますが、高齢者はメラトニン分泌自体が減少していることが多く、ベンゾジアゼピン系睡眠薬のようなふらつきなどの副作用が少ないなど、適しているとも言えます。
商品名としては、ロゼレム。

⑤ オレキシン受容体拮抗薬
オレキシンは、脳内で覚醒に関係するホルモンであり、それを阻害すれば起きていられないというわけです。ナルコレプシーという突然眠ってしまう病気がありますが、原因はオレキシンの欠乏と言われているため、同様の機序により脳の覚醒レベルを落とし、眠りに導く薬となります。
商品名はベルソムラ。

番外編 一般市販睡眠薬
ジフェンヒドラミン塩酸塩
医者に掛かって睡眠薬を処方してもらうことに抵抗のある人や、一般的な睡眠薬は怖いけれど、不眠症状の自覚の有る人が、一般薬局で購入できる睡眠改善薬の主成分が、ジフェンヒドラミン塩酸塩です。
花粉症などのアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬で、ねむけをもたらすことが知られています。

一般市販鎮静剤
ウットという鎮静剤が市販薬であります。
主成分はブロモバレリル尿素・アリルイソプロピルアセチル尿素
アメリカでは不可。危険性が高くバルビツール酸系ととってかわられた鎮静剤です。そのバルビツールもすでに使われていないのに市販されています。

さて、いわゆる睡眠薬や睡眠導入剤と言われる薬の作用機序の説明をしましたが、基本的にどれも脳に作用する薬です。
脳の機能の一部を損傷し、それが原因で不眠症となってしまった場合の、損傷した機能を補う薬であれば、副作用があろうとも使う必要があるでしょう。それほど眠りというものの必要性が高いことは間違いがありません。

しかしながら、一時的なストレスや、睡眠環境の変化などでの不眠症に対し、脳へ直接作用する薬剤の投与が危険であることは、あまり重く見られていないようです。しかも、何年も薬を飲み続け、耐性とより強い薬や、複合、増量を繰り返すことによる依存症状は、麻薬以上とも言われます。

脳に直接作用する「覚せい剤」は一度使うだけでやめられなくなり、中毒者の禁断症状は、テレビなどでもよく取り上げられていますが、睡眠薬の離脱症状は麻薬中毒の禁断症状よりも強いと言われています。
因みに厚生労働省のホームページでは、平成28年9月14日付で、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」を一部改正し、新たに3物質(ゾピクロン・エチゾラム・フェナゼパム)(※1)を 第三種向精神薬(※2) として指定しました。(政令の施行は 本年10月14日 )
今回の向精神薬指定により、向精神薬の総数は83物質になります。

新たに指定された 3物質のうち、2物質(ゾピクロン・エチゾラム)は、国内で医薬品(※3)として流通していますが、今般の指定に伴って規制と罰則が強化されることになります(※4、※5)。 (フェナゼパムは国内で医薬品としての流通はありませんが、国際条約上、規制対象とされたため規制しました。)

厚生労働省としては、今後、向精神薬に指定された物質が乱用されることなく適正に使用されるよう、関係機関に通知を発出し、注意喚起を行っていきます。
商品名は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬「デパス」。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬「アモバン」が対象。

※1 物質1 化学名: (RS)― 6―(5―クロロピリジン―2―イル)―7―オキソ―6,7―ジヒドロ―5H―ピロロ[3,4―b]ピラジン―5―イル=4―メチルピペラジン―1―カルボキシラート  別 名:ゾピクロン
物質2 化学名: 4―(2―クロロフェニル)―2―エチル―9―メチル―6H―チエ ノ[3,2―f][1,2,4]トリアゾロ[4,3―a][1,4] ジアゼピン    別 名:エチゾラム
物質3 化学名: 7―ブロモ―5―(2―クロロフェニル)―1,3―ジヒドロ―2H―1,4―ベンゾジアゼピン―2―オン 通 称:フェナゼパム

※2 向精神薬は、乱用された場合の有害性の程度が物質ごとに異なるため、医療上の有用性及び乱用された場合の危険性により、危険性が高いものから第一種向精神薬、第二種向精神薬及び第三種向精神薬に区分し、 段階的な規制を課すことにしています。

※3 ゾピクロン及びエチゾラムを含有する医薬品

物質名(別名)
ゾピクロン
販売名
ゾピクロン錠7.5mg「アメル」/ゾピクロン錠10mg「アメル」/アモバンテス錠7.5/アモバンテス錠10/アモバン錠7.5/アモバン錠10/ゾピクロン錠7.5mg「サワイ」/ゾピクロン錠10mg「サワイ」/ゾピクロン錠7.5mg「トーワ」/ゾピクロン錠10mg「トーワ」/ゾピクロン錠7.5mg「TCK」/ゾピクロン錠10mg「TCK」/ドパリール錠7.5/ドパリール錠10

物質名(別名)
エチゾラム
販売名
エチゾラム錠0.25mg「JG」/エチゾラム錠0.5mg「JG」/エチゾラム錠1mg「JG」/エチゾラム細粒1%「JG」/デパス錠0.25mg/デパス錠0.5mg/デパス錠1mg/デパス細粒1%/エチゾラム錠0.25mg「日医工」/エチゾラム錠0.5mg「日医工」/エチゾラム錠1mg「日医工」/エチゾラム錠0.25mg「アメル」/エチゾラム錠0.5mg「アメル」/エチゾラム錠1mg「アメル」/エチゾラム錠0.25mg「オーハラ」/エチゾラム錠0.5mg「オーハラ」/エチゾラム錠1mg「オーハラ」/エチゾラム錠0.25mg「ツルハラ」/エチゾラム錠0.5mg「ツルハラ」/エチゾラム錠1mg「ツルハラ」/エチゾラム錠0.25mg「トーワ」/エチゾラム錠0.5mg「トーワ」/エチゾラム錠1mg「トーワ」/エチゾラム錠0.25mg「日新」/エチゾラム錠0.5mg「日新」/エチゾラム錠1mg「日新」/エチゾラム錠0.25mg「フジナガ」/エチゾラム錠0.5mg「フジナガ」/エチゾラム錠1mg「フジナガ」/エチゾラム錠0.25mg「EMEC」/エチゾラム錠0.5mg「EMEC」/エチゾラム錠1mg「EMEC」/エチゾラム錠0.25mg「KN」/エチゾラム錠0.5mg「KN」/エチゾラム錠1mg「KN」/エチゾラム錠0.25mg「NP」/エチゾラム錠0.5mg「NP」/エチゾラム錠1mg「NP」/エチゾラム錠0.25mg「SW」/エチゾラム錠0.5mg「SW」/エチゾラム錠1mg「SW」/エチゾラム錠0.25mg「TCK」/エチゾラム錠0.5mg「TCK」/エチゾラム錠1mg「TCK」/デゾラム錠0.25mg/デゾラム錠0.5mg/デゾラム錠1mg/パルギン錠0.5mg/パルギン錠1mg

※4 向精神薬に関する罰則:最高で7年以下の懲役又は200万円以下の罰金

※5  向精神薬は、医師から処方された本人が携帯して入国する場合を除いて、一般の個人が輸入することは禁止されています。本人が携帯せず、他の人に持ち込んでもらったり、国際郵便などで海外から取り寄せたりすることはできません。

市販されている薬だから安全とは限りません。医者でも扱いに注意が必要なものを素人が薬局で買って飲むようなことは控えたほうが良いと思いますよ。まして、通販等で手に入るからと言って海外の薬品を処方箋もなしに買うなどは、自分の体を実験に使うようなものです。しかも脳に直接作用する薬の怖さをもっと考えるべきでしょうね。

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