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(paper)不眠症の診断と治療

昨日突然yahoo IDによる知恵袋の利用ができなくなりました。特にいびきに関して回答をしていたのですが、どうやら広告ととられたようです。いびきに関しては結構いい加減な回答をしている人が多かったので、修正していたのですが、少しやり方を変えるしかなさそうですね。

本日は、不眠症の診断と睡眠薬の使い方辞め方が分かりやすく説明されている論文を見つけたのでご紹介いたします。

不眠症の診断と治療
村崎 光邦
不眠は臨床的には痛みに次いで多い訴えであり, 日常の臨床場面で不眠症患者の治療が必要になる機会はきわめて多い, アメリカの国立精神保健研究所NIMHでの最初の調査では10.2 % が重い不眠に悩み,そのうちの31 % は1 年後もなお不眠を訴えており,全体の3% は厳密な意味での慢性不眠症と判断されている。また,1950 人のインタビューによるGallup 調査では9% が慢性的に不眠を訴え,うち20 % か睡眠薬を服用している。ヨーロッパでの調査でも2% はいわゆる不眠症であるとの結果が得られている。資料のとり方や不眠症の定義の違いなどで、多少の開きはあるが,調査対象の2~ 3% が慢性の不眠症で治療が必要があるとのコンセンサスがある。
最も外来患者数の多い病院の1 つである北里大学病院,北里大学東病院における1991年度の外来処方箋1万枚あたりの睡眠薬の処方頻度をみてみると,全科平均8.1% に及び,精神神経科のみでは51%と外来患者の半数以上に睡眠薬が処方されるように,現実に外来患者のいかに多くが睡眠薬を服用しているかが明らかである(表1)。したがって,不眠症の正しい知識とその治療法を知ることは,一般治療科の医師にとってきわめて大切である。ここでは,不眠症の診断と治療,とくに睡眠薬の使い方とやめ方について解説しておきたい。
http://ci.nii.ac.jp/els/contents110004696666.pdf?id=ART0007435515

不眠症の診断
1. 睡眠調査表を用いた診断
不眠症の診断は、眠れない、あるいは眠れないために翌日気分が優れず、日常生活に支障があるといった 患者の主観的訴えに基づくことになる。例えば、国際疾患分類案(ICD-10)による不眠症診断ガイドラインでも、①入眠困難 (2時間以上寝つけない)、睡眠の持続の障害 (中途覚醒:一晩に2回以上、早朝覚醒: 普段より2時間以上早く目覚める) および熟睡感のなさのうち、1つ以上を訴える、②不眠の訴えは少なくとも週3回以上あり、1か月以上持続している、といった2項目を重視し、付加的に、③眠れないとの先入感があり、不眠を過剰に気にしている。④顕著な苦悩, 社会的、職業上の困難を惹き起こしている、との2項 目を加えているように、主観的訴えが診断の中心となっている。
ここでは、睡眠調査表を用い具体的点数化を試みた 診断の仕方を紹介しておこう(表2)。この表から。中等度以上の不眠があると判定された場合には治療が必要となる。


項目①~⑦の合計点が多いほど下位へランクする。但し、合計点が6点以下でも1つの項目で3点がある場合は1ランク下位へ、7点以上で2つ以上の項目に3点がある場合は2ランク下位へ下げて評価する。中等度以上の不眠がある場合は治療が必要となる 。
⑧と⑨の項目は睡眠の精神身体に及ぼす影響や不眠症の原因を考えるうえの参考になり①~⑦の点数が低くても、この項目での点数が高い場合には精神医学的治療が必要である。

2.睡眠ポリグラフィ記録による診断
主観的訴えのみでは把握しえない特殊な不眠症の診断に、脳波、眼球運動、筋電図、呼吸、心電図を中心とする睡眠ポリグラフイ記録 (polysomnography。 PSG) を実施して、一夜の睡眠経過や夜間のエピソー ドを客観的に知ることが必要となる。PSG からは次のような情報が得られる。
a) 睡眠経過と睡眠パターンのパラメーター
Rechtschaffen – Kalesの基準を用いて、①全睡眠時間、②入眠潜時、③覚醒時間の長さおよび中途覚醒の頻度、④各睡眠段階の量と比率 (徐波睡眠とレム睡眠)、⑤レム睡眠潜時、⑥睡眠効率などの睡眠パターンのパラメーターを計算するとともに、一夜の睡眠 経過を描くことによってどの程度のおよびどのタイプの不眠症が存在するかを客観的に明らかにすることができる(図 1)。
本態性不眠症とも特発性不眠症とも呼ばれている精神生理性不眠症は、神経質な人や心気的傾向のある人にみられ、寝つきがわるくなったり、眠りが浅くなったりするが、全体としては睡眠の量や質は正常者のそれと変わらないことが多いといった事実が PSG で明らかにされているし、客観的所見を欠 不眠症と呼ばれるものも、PSG によって実際にはよく眠っていることが証明されよう。
b) 睡眠時無呼吸の有無と程度
覚醒時には呼吸障害がみられないのに、一晩7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上、または睡眠1時間あたりの無呼吸の回数(apnea index)が5回 以上みられる場合を睡眠時無呼吸症候群と診断する。PSG の所見から、睡眠時無呼吸の型 (閉塞型、中枢型、混合型) や程度(無呼吸指数 apnea index)を知ることによって、睡眠時無呼吸症候群の存在が明らかにされる。同時にパルスオキシメトリーによって動脈血酸素飽和度を連続測定することで、より正確な情報のもとに正しい診断が可能となる。表3にみるような 症状が認められて、とくに不眠が強い症例は睡眠時無呼吸不眠症候群ということになる。主な原因は上気道の閉塞であり、アルコールや睡眠薬はこれを悪化させることがあるので、主訴が不眠でも、本病態が疑われる場合には PSG を施行し、診断を確定し、上気道狭猪の除去を中心とする治療をすすめることが必要である。

c) 睡眠時ミオクローヌスの有無と程度
入眠とともに両側下肢の前腔骨筋にミオクローヌスが出現し著しい場合には睡眠が中断されて不眠症をきたす。睡眠時ミオクローヌス不眠症候群の存在を疑った場合には、前脛骨筋の表面筋電図を同時記録することで、容易に確定診断される。むずむず脚症候群 restless legs syndrome.に随伴して出現することが稀でない。
d) 夜間の異常行動と睡眠パターンとの関連
高齢者やアルコール離脱期にみられる夜間せん妄や、高齢者や小児にみられる夢中遊行と睡眠パターンとの関連をみることができる。近年、高齢者の夢中遊行とレム睡眠との関連がレム睡眠行動障害として注目されている。
以上のように、PSG から得られる情報はきわめて多く、睡眠障害の診断には決定的といえるが、一晩のみの記録では初夜効果のために正確な情報とはなりえず、最低二夜連続の記録は必要である。単なる不眠症には睡眠調査表のみで診断可能であるが、睡眠薬などの治療でむしろ悪化するような場合には、こうした検査を積極的に施行して、診断を確定した上で治療を行なうことが必要である。PSG の実施には特別の施設と専門医が必要であり、遠慮なくこうした施設へ依頼することをすすめたい。

不眠症の原因と分類
1.原因
ヒトの睡眠・覚醒リズムは、脳内の上位機構としての体内時計のコントロールのもとに覚醒中枢と睡眠中枢が相反性に働き、サーカデイアンリズムが形成されていると仮定するとよい。このリズムを乱すようないかなる因子も睡眠・覚醒障害としての不眠をもたらすことになるが、外から入ってくる刺激による不眠症を大別すれば、心因性と身体因性とに分けられる。これを模式的に示したのが図2である。

心因性の不眠とは, 大脳辺縁系を中心とする情動中枢に不安、懸念、心配事、恐怖などの情動性ストレスが入って興奮させ、情動中枢からの強いインパルスが覚醒中枢へ送りこまれてそこを興奮させる結果、覚醒中枢が優位となって睡眠中枢の働きを抑え、脳全体を覚醒させる方向に展開して不眠をもたらす。一方、身体因性の不眠は、知覚経路からのインパルスが側鎖を通って脳幹網様体-視床非特殊核からなる覚醒中枢へ送りこまれて興奮させ、同じくこれが睡眠中枢の働きを抑えて不眠をもたらす。なお、内因性のものは、躍うつ病や精神分裂病のように内因性に規定された脳内のある部位の活動性異常が直接-間接に睡眠・覚醒機構に作用して不眠をもたらすと考えられている。
実際の臨床では、不眠症の原因は5つの P として 表4のようにまとめられており、きわめてわかりやすい。2. 分類
睡眠・覚醒障害の国際分類は、アメリカのASDC-APSS 分類と ICSD 分類”が有名であるが、詳細をきわめており、ここに紹介しきれない。ここでは期間別に分類したものが臨床的に有用であり、理解しやすいので紹介しておく。診断の項で述べたように、いわ ゆる不眠症とは、長期不眠のことであり、この中に重要な不眠症のすべてが網羅されている(表5)”。

精神生理性不眠とは、とくに原因もないのに不眠が現われる特発性不眠症あるいは本態性不眠症と同義であり、性格要因が強い。はっきりと取りあげるほどのストレスはかかってはいないかにみえるが、性格的に過敏で、内省的、心気的であることから、日常の生活の中で、不断のストレスが情動中枢をチリチリと刺激し続け、覚醒中枢へこまかいインパルスが送り続けられることによって、結果的には心因性不眠と同じ機序で不眠に陥ってしまうものをいう。心因性不眠症の1 つのタイプで、ストレスが表面化していないものといえ、その代表的なものが不眠を恐れる神経質性不眠である。

不眠症の治療
不眠症の治療は、まず第一に睡眠薬によらない治療を試みるべきである。うまく成功すれば、そのまま不眠症状の改善が得られて、睡眠薬を使用することなく治療しうることになる。現実には睡眠薬の使用の段階へ進まざるをえない不眠症が多いのも事実であるが、治療法の順序はこれから述べる方法をまず試みることである。

1. 睡眠薬によらない治療
まず、毎晩の睡眠を良好なものとするにはいくつかの工夫が有用なことが知られている。そのすべてを列記したのが表6である。ここに書かれている項目は, いずれも比較的容易に実行可能なものであり、まず実施してみることである。これらの工夫はいずれ次の治療段階へ進む場合にも引き続いて実行すべきものである。

次に、不眠の改善のための行動療法について述べておこう (表7)。ここにあるすべての療法を一つ一つ 試みることは不可能で、いくつかを組み合わせて実施することになる。いずれも専門家の指導が必要であり、例えば最も有用性の高い自律訓練法を例にとると、専門家のいる精神科なり心療内科を受診してまず自律訓練の方法を教わる。何回か通院してそのやり方をマスターすれば、あとは自宅で自分で続けることによって不眠症の治療をめざして頑張るということになる。
以上のような薬物によらない治療を行なうのみならず、薬物療法に進んだ場合にも、認知療法を基底にした精神療法を併用すると、より効果的になる。患者の不眠症の詳細を領解したうえで、治療者はヒトの睡眠はどのように起きているのか、患者の不眠はどうして起きているのか、どの程度のものなのか、不眠が続いた場合にどういうことが起きるのか、詳しく教えこむ。よく患者は睡眠中に死亡することがあるのではないか、不眠症が続くうちにどうにかなってしまうのではないか、翌日の仕事に悪い影響を及ぼして、だめになってしまうのではないかといった不安感、恐怖感を抱く一方で、睡眠薬への恐れを抱いていることが多いのである。まず患者の抱いている不安をやわらげるような状況に導いたうえで治療に入ることが肝要である。

2. 薬物による治療
可能な範囲で薬物によらない治療を試みたうえでなお不眠症状が改善しない場合には、睡眠楽による治療へ進むことになる。
a) 睡眠薬の種類
睡眠薬は大きくはbarbiturates, nonbarbiturates,およびbenzodiazepine受容体作動薬系睡眠薬 (BZ 系睡眠薬) の3つに分類される。barbiturates は図3にみるように、脳全体を抑制し、強力な麻酔作用ともいうべき催眠作用をもたらすが、高用量になると、脳幹の生命維持機構をも抑制するために、常用量の10倍量で皆睡状態に陥り、大量服用で呼吸中枢の抑制による死亡に至らしめ、中毒量との安全幅が狭いという欠点を有している。しかも耐性が早く形成され、 退薬症候もせん妄、けいれん発作など激しいものが起こりうる。こうした barbituratesの欠点を克服すべく開発された nonbarbiturates も、 barbiturates と同じ欠点を有してこれを克服しきれず、多くのものが姿を消し、現在では bromvalerylurea と新しいタイプの perlapine, butoctamide のみが残っているが(表8)、いずれも処方頻度は低く、私自身は barbiturates は例外的にしか用いず、 nonbarbituratesも perlapine を分裂病患者の不眠に用いることがあるくらいで、睡眠薬といえば BZ系睡眠薬のことを指すといってよい。
BZ 系睡眠薬は、現在benzodiazepines, thienodiazepines, cyclopyrrolones の3種類があり、いずれもBZ 受容体作動薬であり、共通の作用機序と作用特徴および副作用を有していることから、一括して BZ系 睡眠薬と呼んでいる (表8)。すなわち、主として情動中枢である大脳辺縁系に存在する BZ受容体に結合ることによって、脳内の抑制系伝達物質である GABAの活性を高め GABA 受容体と chloride channel 2 のカップリング機能を高め、chloride channelの開存頻度を増加させ、Cl⁻の細胞内流入を増加させて脳の興奮を鎮めるという作用を有している。いずれも催眠 作用のほかに、抗不安作用、抗けいれん作用、筋弾地緩作用を有しており、情動中枢に選択的に作用することから (図3)、過量服用による自殺に成功しないくらいに生命的には安全性が高い。


c) 薬物動態からみた BZ系睡眠薬の特徴
BZ 系睡眠薬は、作用時間の長さによって、①超短時間作用型,②短時間作用型,③中間作用型,④長時間作用型の4つに分類される(図4)。
超短時間作用型
消失半減期が2〜4時間ときわめて短い超短時間作用型は、服用とともに素早く血中濃度が上昇して、睡眠の前半に強く作用し、入眠障害に対して優れた催眠効果をもたらす。翌朝の覚醒時には、血中濃度はすでに有効濃度を割っており、残薬感を残さず、目覚めのよさを自覚させる。入眠障害を主たる訴えとする精神生理性不眠に最適であり、熟眠感の欠如に悩むタイプ の不眠症にもきわめて有効である。その反面、一夜の後半、とくに早朝期に血中濃度が低下しているために、早朝不眠 early morning insomniaとして明け方の5~6時に覚醒してしまうことがある。また、日中不安 daytime anxiety、反跳性不眠 rebound insomnia, BZ 健忘をきたしやすいとの指摘もあり、作用時間の短いものほど退薬症候や臨床用量依存との関連が深いとするのが一般的見解である。

短時間作用型
消失半減期が 6〜10 時間の短時間作用型も超短時間作用型と同様の経過をとり、朝方には何らかの作用を発揮しうるレベルを下回っていることから、翌朝の覚醒時の気分は良好で、超短時間作用型と同様な適応を有すると考えてよい。ともに、毎日服用することが あっても、最高血中濃度はほぼ同じ値を示して、蓄積することがない (図4)。

中間作用型
消失半減期が20〜30時間の中間作用型では、翌日の就寝時にはまだある程度の血中濃度が維持されており、連用するうちに中等度の蓄積が生じ、4、5日のうちに定常状態に達する。したがって、朝の覚醒時に眠気、頭重、ふらつきなどの持ち越し効果 hangover をきたすことがありうる。中途覚醒や早朝覚醒などの睡眠維持の障害を主訴とするタイプの不眠症に向いている。日中もある一定レベルの血中濃度が維持されることから、朝、覚醒時に不安・緊張を呈しやすい病態。とくに不安神経症やうつ病、あるいは精神分裂病といった精神医学的疾患に伴う不眠症には適応といえる。 1991年度の北里大学病院、北里大学東病院でのBZ系 睡眠薬の処方頻度をみても、この間の事情が如実に示されている (図5)。

長時間作用型
活性代謝物を含めて、消失半減期が50~100時間と長い長時間作用型になるとこの傾向はさらに強く、最高血中濃度の上昇とともに、昼間の血中濃度もかなり高いレベルに維持され、定常状態に達するのに1週間前後かかる。持ち越し効果や日中の精神運動機能に及ぼす影響は、それだけ出やすくなる。反面、急に中断しても反跳性不眠や退薬症候は出にくく、睡眠維持の 障害や日中の不安・緊張の強い病態によく、精神医学的疾患にみられる不眠症への適応は高いといえる。

睡眠薬選択の基準
睡眠薬の選択基準には、不眠症の原因別に選ぶ方法,タイプ別 (入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒) に選ぶ方法、不眠症患者の病態に応じて選ぶ方法 (不安や抑うつ病状の有無) の3つがある。いずれも睡眠薬の持つ作用時間の長さが選択基準の基本になっている。睡眠薬の処方に当たっては、3つの方法を総合的に組み合わせることになるが、以下に期間別の不眠症の分類 (表5) に従って述べておく。
1,一過性不眠
作用時間の短いものを1、2日の単発的、アドリブ的投与する。ゴルフの前夜のみ服用して成功している例を知っている。

2。短期不眠
やはり作用時間の短いものを不眠時のみ、あるいは 2日1回くらいの割合で投与して、できるだけ短期の使用にとどめる。時差呆けに超短時間作用型はきわめて有用である。短期不眠から長期不眠に移行しうるので、ここでしっかり治療して長期への移行を防止しておかねばならない。

3. 長期不眠(慢性不眠症)
a) 不眠症のみの場合: 日中に不安症状のない、不眠のみの場合には、本態性不眠症 (精神生理性不眠) や身体疾患に伴う不眠症が中心であり、主に入眠障害を呈することから、寝つきをよくし、翌朝に持ち越し効果のない作用時間の短いもの、ことに超短時間作用型がよい。
b) 不安や抑うつ症を伴う不眠症の場合: 持続性のストレスや精神医学疾患に伴う不眠症では、日中の不安、緊張、焦燥や抑うつ症状が存在することが多い。こうした場合には、日中に BZ系抗不安薬を投与されている症例には、入眠障害には作用時間の短いもの、中途覚醒あるいは早朝覚醒の睡眠維持の障害には、中間型ないし長時間型のものを選べばよい。
日中に BZ 系抗不安薬が投与されていない場合には、どのタイプの不眠症にも中間型ないし長時間型の BZ 系睡眠薬を投与して、日中にもある程度の血中濃度を維持することによって、不眠症のみならず、抗不安作用をも期待する方法がよい。
c)高齢者の不眠症:高齢者では、BZ 受容体の感受性が亢進するとともに、薬物動態上、肝クリアランス の低下に伴って、最高血中濃度の上昇と消失半減期の延長が認められることから、作用・副作用とも強く出て、ふらつきによる転倒・骨折などの危険性がある。 作用時間の短いものほどよく、また、代謝過程の単純な lormctazepam や筋弛緩作用の弱いrilmazafone が推奨される。原則として成人量の1/2から始めるのが安全である。

眠眠薬の副作用
BZ 系睡眠薬は辺縁系を中心とする情動中枢に選択的に作用することから、それ自体の単独使用では、自殺に成功しないといわれ、臓器障害を惹起することがなく、主作用に耐性が形成されないとされて、優れた臨床効果と高い安全性から全世界で広く用いられている。しかし、いくら安全とはいっても、BZ系睡眠薬の副作用としていくつかの問題点が指摘されている (表9)。

この中で、とくに問題となるのは、健忘作用, 反跳性不眠、退薬症候および臨床用量依存である。
健忘作用は、diazepam の静注製剤をよく用いる麻酔科領域では、BZ 健忘として古くから知られていたが、高力価の超短時間作用型睡眠薬が繁用されるようになって、経口剤による報告例が増加し、とくに triazolam の高用量やアルコールとの併用といった不適正使用による健忘や多彩な精神病様症状がマスコミに過大かつセンセーショナルに取りあげられ、一時は社会問題とさえなった。その経緯は別の総説に詳しいが、適正目的による適正使用によって triazolam の使用には問題となることはないとの結論が出されている。
次の反跳性不眠、退薬症候、臨床用量依存は睡眠薬はのみ始めると癖になってやめられなくなると、医師も患者も等しく睡眠薬の使用を怖れる原因となっているもので、その成立過程は図6のように説明されている。

全国の内科医と精神科医を対象して実施したアンケート調査にも、処方する医師自身にこうした現象を恐れて、睡眠薬の処方に強い抵抗があることが明らかにされている”。図6の説明によると、睡眠薬によって一時は症状改善するが、耐性形成のために効果が薄れ、睡眠薬を増量する。そうするとそれにまた耐性が生じて眠れなくなるために思い切ってやめようとする。ところが、反跳性不眠と退薬症候が出現するために薬物を再開せざるをえなくなり、ここに依存が形成されるとの悪循環に陥るというのである。BZ 系睡眠薬は原則として耐性形成はなく、効果が薄れて増量していくことはないのであるが、一挙に中止した際、反跳性不眠や退薬症候が出現しうることは事実であり、やめるにやめられない臨床用量依存が形成されることはよく知られている。
これらの問題は、不眠症状が十分に改善したのち。 医師・患者間で睡眠薬を漸減・中止の方向への努力を進めることで解決していくべきものであろう。

眠薬のやめ方
不眠症状が改善して、睡眠薬なしに眠ることが可能な状態になったと判断されたときには、睡眠薬を中止することになるが、反跳性不眠や退薬症候を避けるために、いくつかの工夫が必要となる。 1. 漸減法 tapering method
BZ系睡眠薬は作用時間が短いものほど、一挙に中止すると反跳性不眠や退薬症候が出現しやすいので、徐々に減らすことが肝要である。まず、1日1/4量を減量し、3/4量を1~2週間続け、経過がよければ次には1/2量とし、さらによければ1/4量にする。減量して不眠症状が再現する場合には、その前の量でとどめて服用し、1〜2か月の経過をみて再び挑戦する。
2,隔日法
作用時間の長いものでは、一挙に中止しても血中濃度がゆっくり下降するので、反跳性不眠も退薬症候も遅れて現れ、程度も軽い。したがって、中止する際には、服用しない日を1週1日から始めて経過をみながら徐々にのまない日をふやしていく。
3. 長時間作用型への置き換え
漸減法が成功しない場合には、いったん短いものから長いものへ置き換えたのち、漸減法なり隔日法で減量する方法をとるとよいことがある。薬物動態学的にみて、長いものの方がやめやすいからである。超短時間作用型を長いものに置き換えたときに、一過性に不眠症状が出現することが少なくないが、1週間の我慢で症状が改善されることを知っておく必要がある。
実際には、図7にみるように長いものも短いものも、まずは漸減し、それ以上減らせない段階で隔日法で経過をみていくのがよい。
4、認知療法の併用
長年不眠に悩み、睡眠薬の助けで症状改善をみたものの、なんとか睡眠薬なしに眠りたいとの欲求を持つケースはきわめて多い。自分の不眠症状を現実的に検討し、対応していく力を身につけさせる認知療法を中心とする精神療法的接近を併用することが大切であり、何回失敗しても再挑戦する心意気をもたせるべく努力すべきである。
慢性不眠症とは本来きわめて難治なものであることから、以上に述べた方法をどう用いても減量・中止の方向にもっていけない症例は少なくない。BZ 系睡眠薬は必要最小限の臨床用量の範囲であれば、長期連用によっても危険性はないとするのが筆者の立場である。自信をもった態度で使用し、quality of life を高めることも立派な治療法であると考えている。最近の超短時間作用型睡眠薬の危険性についてのマスコミの誇大な報道にまとわされることなく、不眠症を正しく理解し、睡眠薬の適正目的に沿った適正使用を心掛けることが肝要である。

おわりに
不眠症の診断と治療について簡単な解説を加え、とくに睡眠薬の使い方とやめ方について説明した。不眠症は、患者にとってきわめて苦しい病態であり、決して軽く扱ってはならない。適切な治療法を用いて苦痛を軽減・消失させることは、患者を救うのみならず、 社会一経済的にも大きな利益を生むことになる。日常の臨床に少しでもこの解説が役立てば幸せというものである。

文,献
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〔北里医学,24:1~14,1994〕

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(article)医師が教える【不眠】と睡眠薬が効きづらい4つの理由

見沼田んぼを流れる芝川の鴨
柴川の土手の上を散歩します。鴨や亀、鯉などが水辺で生きているのを眺めていると、ここには、わずかながらの自然があるんだなと思います。ちょっと前にはカワセミも見ました。
もうすぐつくしも出てくるのかな。

「不眠症には安眠家具」を裏付けるための情報収集中に面白い記事を見つけました。
私の都合の良い解釈をさせていただければ、睡眠薬が効きづらい環境要因による不眠症や睡眠過誤による不眠症の訴えに関しては、睡眠薬よりも安眠家具のほうがはるかに効果的であるということです。
「医者が教えない精神科のこと」というサイトで、管理人の「Dr.G」による、医学的根拠に基づいた情報と医師個人の見解ということです。

http://tokyo-mentalclinic.com/insomnia/post-1559/
医師が教える【不眠】と睡眠薬が効きづらい4つの理由
目次
1 不眠
1.1 睡眠薬が効く不眠症と、効きにくい不眠症
1.1.1 1.環境要因による不眠
1.1.2 2.心理的要因による不眠
1.1.3 3.精神疾患による不眠
1.1.3.1 躁うつ病(双極性障害)による不眠
1.1.3.2 アルコール依存症による不眠
1.1.3.3 高齢者の不眠
1.1.4 4.身体症状による不眠
2 まとめ
3 不眠に関するQ&A

不眠

不眠とはよく眠れないことを指す症状ですが、どこからが不眠なのでしょうか?
この定義は意外に重要で、患者さんを診ていると、異常に睡眠にこだわっていて患者さん自身のいう睡眠を満たさないと不眠だという「厳しい不眠」という患者さん独自の不眠もあるほどです。
つまり実際には不眠ではなく、患者さんの思い込みによる不眠も相当数いると考えられます。
それでは不眠とはどの程度のことを指すのか?
まず「眠れていない」という感覚は必要条件ではあるのですが、本人の訴えだけでは睡眠過誤ということもあり得ます。
また睡眠過誤とは眠れているのにもかかわらず、本人の感覚では眠れていないという感覚のずれを指します。
日本の成人の睡眠の調査では、6時間を切ると「よく眠れていない」という感覚に陥りやすいことがわかっています。
睡眠薬はそもそも不眠を治療するものですので、よく眠れていないという感覚を治療するものではありません。
ましてや睡眠薬(特にベンゾジアゼピン系)の依存性は最短で1ヶ月以内の内服でもできることがあることを考えると、いくら短期間といえども安易に飲むべきではないのかもしれませんね。
つまりは睡眠薬を飲むべき状況というのは、健康な睡眠をとっている前提で(生活習慣的に、極端に寝る時間が少なくはない、明らかに眠れないだろうという状況がない、パートナーからも「よく眠っていそうだよ」と言われる)にもかかわらず、日中過度の眠気が来てしまう、これを不眠症として睡眠薬での治療を検討するのがいいのだと思います。
実際の臨床現場でも、「睡眠薬がやめられない」という方は本当に増えている印象があります。
おそらく本当の不眠症だけでなく、感覚的な不眠であっても睡眠薬を飲んだりしている例も多いのだと思います。

睡眠薬が効く不眠症と、効きにくい不眠症

不眠だからといっていかなる状況でも睡眠薬が効くというわけではありません。
不眠症の分類が正式にこうやって分類されるというわけではありませんが、医師の立場からこのように分類するとあらかじめ睡眠薬を処方したときの効果が予測できるというものを示します。
おそらく精神科・心療内科の主治医の先生のお考え、かかりつけの内科で処方してもらうときの先生のお考えもあるでしょうから必ずしも一致するものではないということを前提にお読みいただければと思います。
1.環境要因による不眠
2.心理的要因による不眠
3.精神疾患による不眠
4.身体症状による不眠

1.環境要因による不眠

その字のごとく、眠る場所・環境に問題があることで起こる不眠です。
温度や湿度、部屋の明るさ、音、仕事の不規則さ(シフトで動く交代制勤務など)が挙げられます。
物理的な要因による不眠ですからこの場合、睡眠薬はメインにはなりません。
睡眠薬を飲むよりよっぽど環境面を整えた方がはるかに効果が高いからです。
しかし勘違いしないでいただきたいのは、睡眠薬を使用しないというわけではないことです。
自身の努力ではどうやっても変えられない部分もあるからです。
でも大事なことは、環境を調整できるところはしてみるという努力です。
この前提のもと短時間だけ作用するような睡眠薬を飲んでみるのはありです。
短時間だけというのは睡眠導入剤といわれるものです。
その目的は、環境が明らかに悪くこれによって不眠になっているのも明白だけど不眠が重なって悪循環になっている。このときはリセットするという意味で睡眠薬(短時間作用)を飲むのです。
お分かりだと思いますが、これで眠れたからと言って連日服用し環境の調整ができなければそのうち耐性ができて、睡眠薬の量を増やすことになり、さらに依存性もできて気づいたらやめられないことになりかねません。
睡眠薬はレスキューとして飲むという感覚が処方されている側にも必要なのが、この環境面によって起こる不眠です。

2.心理的要因による不眠

環境的な要因と対をなすのがこの心理的な要因による不眠です。
一言で言うなら、ストレスによる不眠です。
実際、ストレスによって睡眠が不十分になってしまうことは、生理的な範疇で結構経験されることかもしれません。
これが慢性的に続くと、生理的な範疇と言えないくらい夜眠る時間がくるのが怖くなったり、だるさや日中頭が働かないことが日常茶飯事になり、この状態を心理的な要因による不眠症というのかと思います。
ストレスに対する反応は様々で、些細なことで必要以上に辛く感じてしまう方、些細なことは些細なことで感じられる方様々だと思います。
知覚過敏もそうですが、ある刺激に対して必要以上に神経の興奮が起こる、必要以上に冷たく痛く感じてしまう、アイスや冷たいものを口にするときにでもおこってしまうこの現象、ストレスでも同じ現象があるのではと思います。
これはもう本人の性格の問題ではないのではと思っています。(あくまで個人的な見解かもしれませんが・・・。)
ストレス反応によって脳の中ではノルアドレナリンが増える、これによって覚醒する方向に脳は動き出してしまい、眠れなくなるのでしょう。
おそらくそれだけでなく、同じことをぐるぐると考えだしてしまい、そこにもブレーキがかからないそんな状況からくる不眠が心理的要因による不眠だと定義できると思います。
その心理的因子に影響するストレスがなくなれば再び眠れるようにはなるはずなのでその状況を乗り切るという意味で睡眠薬を使用するのはありですが、なかには解決しない問題もあるでしょう。
このときには長期に服用する状況になりやすく、依存性に注意を払う必要があります。
心理要因による不眠では、睡眠薬としての側面もそうですが、抗不安作用を期待してベンゾジアゼピン系の睡眠薬・安定剤(抗不安薬)が処方されることが多いと思います。(よく処方されることが多いのはデパス®です。)

【睡眠薬・安定剤(抗不安薬)】の実際でも書きましたが、依存性は強いのでこの場合は催眠効果の強い抗うつ薬(トラゾドン:レスリン®、デジレル®)も併用することでベンゾジアゼピン系の睡眠薬の使用量が多くならないようにするのもありかと思います。
実際、うつ病を併発していることもあります。

3.精神疾患による不眠

統合失調症、うつ病、躁うつ病(双極性障害)、認知症、アルコール依存症などの精神疾患は多くの場合「不眠」を伴います。
ただ背景に上記の精神疾患があり、そこから出る「不眠」なのでその基礎となる疾患の治療が「不眠」の治療に必要になります。
そこに、対症療法的にマイナートランキライザー(睡眠薬・安定剤)をメインにして飲んでいても、もとの精神疾患の治療が進まなければ耐性と依存によってどんどん処方される量が多くなっていくだけになってしまいます。
そうなると、短時間作用型の睡眠薬だけでなく長時間作用型も一緒に飲むようになり、翌日まで眠くなり結局、仕事の効率が落ちたり、眠っていることが多くなったりなど生活レベルは落ちていくだけになってしまいます。
ですから基礎の精神疾患に対する治療をしっかりやっていくことが大切になりますので、薬物療法であれば睡眠薬・安定剤(抗不安薬)を増やすのではなく、うつ病なら抗うつ薬、躁うつ病(双極性障害)なら気分安定薬(これは当サイトでマイナートランキライザーと同じ意味で使っている安定剤とは違う薬の種類です)、統合失調症であれば抗精神病薬を強化していくのが原則なのではないかと思います。

躁うつ病(双極性障害)による不眠

躁状態はハイテンションのイメージが強く、気分が高まって眠れないイメージですが、必ずしも気分がハイになって調子がいいことを示すものではありません。
イライラや焦燥感(そわそわ、じっとしていられない)がメインの躁状態もあり、その精神運動興奮により眠れなくなることがあります。
この場合の対応は抗精神病薬(エビリファイ®やセロクエル®など)や気分安定薬(ラミクタール®やデパケン®)を飲むとおさまって眠りやすくなることがありますので、躁状態というのが気分がハイであるイメージにとらわれず相談するようにしてみてください。

アルコール依存症による不眠

アルコール依存症で注意が必要なのは、アルコールと睡眠薬・安定剤(抗不安薬)がお互いに干渉しあう(交叉耐性といいます)ことです。
つまり、アルコールもマイナートランキライザーと同じ作用をするし、マイナートランキライザーもアルコールのような成分を持つという意味です。
アルコールが睡眠薬・安定剤(抗不安薬)に変わったところで、単にアルコールそのものではなくなっただけであって、解決はしていないということです。(逆にアルコール離脱症状に病院ではアルコールで抑えるわけにはいきませんので、マイナートランキライザーを使うこともありますが・・・実のところ意味はないですね)
アルコールの不眠には睡眠薬・安定剤よりは、抗精神病薬や抗てんかん薬(気分安定薬)を使用することがあります。

高齢者の不眠

高齢者の不眠では徘徊やせん妄(軽い意識障害を伴い、本人は記憶なく行動しているような状態)となることがあります。
特に中途半端に睡眠薬が効くとかえってこのような症状が強くなり、周囲も大変ですし、転倒して骨折して寝たきりになってしまうようなリスクさえあります。
ですから、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬(例えばマイスリー®、ジェネリックではゾルピデム)が処方されることが多いと思います。

4.身体症状による不眠

風邪をひいて咳で眠れないとか、虫歯は夜にずきずき痛み出すので一晩中痛みと闘っていたりなど身体症状による不快から眠れないという経験をしたことはありませんか?
呼吸が苦しい、痛みが強い、その他の症状で不快感が強いことによって起こる不眠を「身体症状による不眠」としました。
当然この場合、睡眠薬が解決にならないのはわかるかと思います。
原則、不快な症状そのものを抑えないといけませんよね。
不快な症状に打ち勝つような強い睡眠薬でしか眠れないでしょうし、かえって痛み止めなどでその症状そのものを緩和してしまえば効いている間は眠れるはずです。
このような不眠は一過性ですので、あまり睡眠薬による依存などのリスクを考える必要はないと思います。

まとめ

不眠は生理的な反応であって、病気としてとらえにくい面があります(疾患としての不眠ももちろんあるのでしょうが・・・)。
本人が不眠と言えば「不眠症」であって、通常病院でそのことを言われれば「睡眠導入剤」を出したくなるのが医師の人情なのかもしれません。
でもそのことが結果、飲む側にとってはとんでもない災難になることもあります。

「やめられない・・・」と。

研修医のころ、患者さんが「眠れない」と訴えたら「睡眠薬を処方します」ではなく「話を聞きなさい」と言われました。
たぶんこれが一番正しいのかもしれません。

「先生に話を聞いてもらって、少し安心した。」

この言葉が出るのが一番の薬なのかもしれません。
でもこれは綺麗ごとで、不眠の方にとっては「夜が来るのが怖い」とも聞きます。
だから、「睡眠薬があると安心する」これも事実です。
大事なことは、「どの睡眠薬が効くか」とか「この睡眠薬ではだめだ」ではなく、いったい今何がこの不眠の原因になっているのかを考えられること、「眠れない=病気」と直結させないことではないでしょうか。
医者になって10年以上経ちますが、結局のところ不眠に対する正しい治療法は未だわかりません。

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(paper)総説:日本における睡眠障害の頻度と健康影響

散歩中に見つけた油膜とヘドロの側溝。いろいろなエフェクト機能を使ってみました。ただの汚い側溝ですが、色の変化は面白いです。こうやって眺めると、同じ景色を同時に様々な側面で感じる面白さだと思います。
私は夢を見ているときの感覚ってこういう感じかもしれません。

総説:日本における睡眠障害の頻度と健康影響
睡眠障害と健康との因果関係については、誰でも承知と思ってはいるものの、実際のエビデンスに基づいた資料などが体系的に示されているものがあまりなかった。
それを様々な実験結果や調査結果と関連付けて総説とした論文です。最終的なまとめも結果的には私の安眠家具につながると思いますが、一つだけ気に入らないのが、睡眠薬を医師の指導で正しく使えば安全というところですね。少なくとも日本の医師で不眠症の症状を患者の申告ではなく、検査を行ったうえで正しく処方しているほうが、圧倒的に少ない現状が正しくないと思っています。

(論文)総説:日本における睡眠障害の頻度と健康影響
https://www.niph.go.jp/journal/data/61-1/201261010002.pdf

土井由利子
国立保健医療科学院統括研究官(疫学調査研究分野)
Prevalence and health impacts of sleep disorders in Japan

抄録
近年,国内外の数多くの睡眠研究によって,睡眠障害が罹病のリスクを高め生命予後を悪化させるというエビデンスが積み重ねられて来た.世界的に睡眠研究が進む中,睡眠問題は取り組むべき重要課題として認識されるようになり,日本を含む各国で,国家的健康戦略の1 つとして取り上げられつつある。このような流れの中で,過去10 年間を振り返って,日本における睡眠障害の頻度(有症率)と睡眠障害による健康影響について,エビデンスをもとにレビューすることは,公衆衛生上,有意義なことと考える。
文献レビューの結果,睡眠障害の有症率は,慢性不眠で約20%,睡眠時無呼吸症候群で3% ~ 22%,周期性四肢運動障害で2 ~ 12%, レストレスレッグス症候群で0.96 ~ 1.80%,ナルコレプシーで0.16 ~ 0.59%,睡眠相後退障害で0.13 ~ 0.40%であった。
健康影響に関するコホート研究では,死亡に対し短時間睡眠で1.3 ~ 2.4,長時間睡眠で1.4 ~ 1.6,2 型糖尿病の罹病に対し入眠困難で1.6 ~ 3.0,中途覚醒で2.2 と有意なリスク比,入眠困難と抑うつとの間で1.6 と有意なオッズ比を認めた.日本国内外のコホート研究に基づくメタアナリシス研究でも同様の結果であった。
以上より,睡眠障害へ適切に対処することが人々の健康増進やQOL の向上に大きく寄与することが示唆された。そのためには,睡眠衛生に関する健康教育の充実をはかるとともに,それを支援する社会や職場での環境整備が重要である。また,睡眠障害の中には,通常の睡眠薬では無効な難治性の神経筋疾患なども含まれており,睡眠専門医との連携など保健医療福祉における環境整備も進める必要がある。
キーワード:睡眠障害,睡眠時間,不眠,死亡,罹病

Ⅰ.はじめに
近年,国内外の数多くの睡眠研究によって,睡眠障害が罹病のリスクを高め生命予後を悪化させるというエビデンスが積み重ねられて来た.世界的に睡眠研究が進む中,睡眠問題は取り組むべき重要課題として認識されるようになり,日本を含む各国で,国家的健康戦略の1 つとして取り上げられつつある.このような流れの中で,過去10 年間における日本の睡眠障害の実態を明らかにし,その健康影響についてエビデンスをもとに概観することは,公衆衛生上,有意義なことと考える。
そこで,本稿では,ヒトの正常睡眠と睡眠障害について概説した上で,これまでに蓄積された疫学研究の成果をもとに,日本における睡眠障害の頻度(有症率)と健康影響についてレビューする。

Ⅱ.睡眠の量,質,リズム
私たちの眠り(睡眠)と目覚め(覚醒)は,体内にある生物時計による時刻依存性(サーカディアンリズム)と,時刻に依存しないで覚醒時間の長さによって量と質が決定される恒常性維持機能(ホメオスターシス)によって制御されている.以下に,ヒトの正常睡眠について簡単に解説する。

1.睡眠の量と質
夜間ヒトの睡眠中に電極を付けて終夜ポリグラフ(脳波・眼球運動・筋電位)をとると,脳波では,覚醒→ノンレム睡眠(段階1 →段階2 →段階3 →段階4)→レム睡眠を1 サイクル(約90 分)として,1 晩に3 ~ 5 サイクルを繰り返す.覚醒と浅いノンレム睡眠(段階1 と段階2)が混在する移行期を入眠過程という。浅いノンレム睡眠から,徐波睡眠(段階3 と段階4)とよばれる深いノンレム睡眠へ進み,レム睡眠(脳波↑,筋電位↓,急速眼球運動)を経て1 サイクルが終わる[1]。
Ohayon ら[2] は,5 ~ 102 歳の健常人3,577 人(5-19 歳:1,186 人,20-102 歳: 2,391 人)を対象に実施された終夜ポリグラフまたはアクチグラフから得られた睡眠変数(総睡眠時間,睡眠潜時,睡眠効率(睡眠/(睡眠+覚醒)),睡眠段階1(%),睡眠段階2( %),徐波睡眠(%),レム睡眠(%),レム睡眠潜時,中途覚醒時間)をプールし,年齢による睡眠変数への影響についてメタアナリシスを行った(図1)。
この研究によれば,年齢が進むにつれて,総睡眠時間,睡眠効率,徐波睡眠,レム睡眠,レム睡眠潜時が減少,睡眠潜時,中途覚醒時間,睡眠段階1,睡眠段階2 が増加することが認められた.年齢以外では,精神疾患,身体疾患,服薬や飲酒,睡眠時無呼吸などの睡眠障害,性別,睡眠習慣などが,睡眠変数の分布に影響を及ぼすことが確認された。2.睡眠・覚醒リズム
ヒトの睡眠・覚醒リズム(概日リズム)の概念図を示す(図2)[3,4].生物時計の機能は,①自律性の概日リズム,②昼夜変化(明暗サイクル)への同調,③生体機能への概日リズムの伝達と発現の3 要素に分解できる.睡眠・覚醒リズムあるいは睡眠・覚醒傾向は,生物時計,恒常性維持機能,明暗サイクル(光)によって制御され,その他の要因(図2 の左上のボックス内,右のボックス内)によって影響を受ける。
生物時計自体の発する概日リズムを直接測定することはできないが,深部体温,メラトニン,ホルモン(コルチゾール,成長ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,プロラクチンなど)の測定値が概日リズムを示すことによって,生物時計の概日リズムを間接的に観測することができる。

Ⅲ.睡眠障害
睡眠障害に関する国際分類には,世界保健機関(WHO)による「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(ICD)),米国精神医学会(APA)による「精神障害の診断と統計の手引き(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders( DSM))」などがあるが,ここでは,米国睡眠障害連合(ASDA)が中心となってまとめた「睡眠障害国際分類(International Classifi cation of Sleep Disorders(ICSD))」を紹介する。加えて,主な睡眠障害が日本ではどのくらいの頻度でみられるのか,これまでに行われた疫学研究をもとに紹介する。

1.睡眠障害国際分類
2005 年に改訂された睡眠障害国際分類第2 版(ICSD-2)[5,6] による主要な睡眠障害(8 項目)を表1 に示す。
それぞれの睡眠障害は,さらに次のように,細分類される。
不眠症(適応障害性,精神生理性,逆説性,特発性,精神障害,不適切な睡眠衛生,行動的(小児期),薬剤・物質,内科的疾患,特定不能(非器質的),特定不能(器質的)),睡眠関連呼吸障害(中枢性睡眠時無呼吸症候群,閉塞性睡眠時無呼吸症候群,睡眠関連低換気/ 低酸素血症症候群,その他),中枢性過眠症(ナルコレプシー,反復性,特発性,行動起因性睡眠不足症候群,内科的疾患,薬剤・物質,特定不能(非器質的),特定不能(器質的)),概日リズム睡眠障害(睡眠相後退型,睡眠相前進型,不規則睡眠・覚醒リズム,自由継続型,時差型,交代勤務型,内科的疾患,薬剤・物質,その他),睡眠時随伴症(ノンレム睡眠からの覚醒障害,レム睡眠関連,その他),睡眠関連運動障害(レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群),周期性四肢運動障害,睡眠関連下肢こむらがえり,睡眠関連歯ぎしり,睡眠関連律動性運動障害,特定不能,薬剤・物質,身体疾患),孤発性の諸症状・正常範囲内の異型症状・未解決の諸問題(長時間睡眠者,短時間睡眠者,いびき,寝言,ひきつけ,ミオクローヌス),その他の睡眠障害(環境性,その他)。
いずれの睡眠障害も,疾患特異的な症状のほかに,夜間の不眠や日中の眠気といった症状を呈する。睡眠障害に応じて治療方法が異なるので,ICSD-2 に基づいて,正しく診断・分類することが肝要である。

2.睡眠障害の頻度
表2 に,それぞれの睡眠障害を有する人々がどれくらいいるのか,日本で実施された主な疫学研究の結果(有症率)を示す。

いずれも地域・職域で行われた比較的大規模なヒト集団を対象としたものであるため,その多くは,目的とする睡眠障害に適した質問紙を用いて,対象者の自己申告に基づき,睡眠障害があるかどうかの判定を行っている。
1997 年に実施された全国調査によれば,入眠困難(寝付きが悪い)や中途覚醒(夜間・早朝に目が覚める)などの不眠の症状が一時的ではなく1 ヶ月以上続く,慢性不眠の有症率は約20% と推定された[7,8].ICSD-2(2005 年)の不眠症の判定基準では[5],夜間の不眠の症状に,日中の機能障害(日中の眠気,注意力・集中力の低下など)が追記されたので,この判定基準に照らし合わせると,不眠症の有症率は,これよりも低くなるであろう。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の判定の場合には,終夜ポリグラフ検査による睡眠中の呼吸イベント(無呼吸・低呼吸/ 睡眠1 時間)の確認が必須であるが[5],疫学研究では,携帯型の簡易装置(パルスオキシメーター,鼻口呼吸センサー,気道音センサー)を用いて睡眠1 時間あたりの動脈血酸素飽和度の3%以上の低下や無呼吸・低呼吸の頻度を測定して代用している.睡眠時無呼吸症候群の有症率は,おそらく対象とした集団や測定方法の違いなどからであろう,低いものでは約3%(地域住民女性),高いものでは
約22%(職域男性)と,大きな開きがみられた[9-12]。
ナルコレプシーの有症率は0.16 ~ 0.59%[13,14],睡眠相後退障害の有症率は0.13 ~ 0.40% [15,16],レストレスレッグス症候群の有症率は0.96 ~ 1.80%[17-19] と,不眠症や睡眠時無呼吸症候群に比べると,その頻度は低い。
周期性四肢運動障害は,ノンレム睡眠期に足関節の周期的な不随意運動によって夜間の睡眠が妨げられる障害であるため,判定には終夜ポリグラフ検査が必須である[5]。
ここで報告されている周期性四肢運動障害の有症率2 ~12%[20,21] は,第3 者(ベッドパートナーやルームメイトなど)による評価(眠っている間に足のビクンとする動きがある)に基づいて判定されたものである。

Ⅳ.睡眠と健康
ここでは,睡眠時間と死亡(総死亡)や罹病(2 型糖尿病),慢性不眠と併存疾患や罹病(2 型糖尿病,うつ病)に関して,これまでに蓄積された疫学研究の成果から,現時点で明らかになっていることについて解説する。

1.睡眠時間
1)分布
2007 年に厚生労働省によって実施された2 つの実態調査(国民健康・栄養調査[22]) と労働安全衛生特別調査[23])の報告をもとに,睡眠時間の分布を示す(図3)。

無作為に抽出された全国の15 歳以上の一般住民(8,119 人)および20 歳以上の民営事業所従業員(11,440 人)ともに,6-6.9 時間を中央値・最頻値とした正規分布をしていた。睡眠時間が6 時間未満の者の割合は,15 歳以上の住民では,男性26%,女性31%,20 歳以上の従業員では,男性41%,女性45% であった.年齢階級別(図4)では40-49 歳(37%),

職種別(図5)では保安(68%),運輸(50%),営業・サービス(49%)が高い割合を示した.一般住民[24],ホワイトカラー[25],シフトワーカー[26] を対象とした先行研究では,睡眠時間が6 時間を下回ると,日中に過度の眠気を来すことが報告されている。
睡眠時間が9 時間以上の者に関しては,従業員ではみられなかったが,15 歳以上の一般住民では全体で3% であった(図3)。これを年齢階級別に見ると,70 歳以上では10% に上っていたが,70 歳未満は2% 以下であった(図4).終夜ポリグラフから客観的に得られた健常人の睡眠時間は,年齢とともに減少することが確認されている(図1)。
高齢者の場合,本人の自己申告(アンケート調査や生活時間調査など)による睡眠時間には,実際の睡眠時間(図1の総睡眠時間に相当)の他に,床の中で寝付くまでに要する時間(図1 の睡眠潜時に相当)や途中で目が覚めた時間(図1 の中途覚醒に相当)や午睡の時間が含まれている可能性がある。

2)死亡
近年,多くの疫学研究(コホート研究)により,睡眠時間が総死亡と有意な関連(U字型)を示したとする報告が相次いだ.これらのコホート研究をもとに,Gallicchio Lら[27] とCappuccio FP ら[28] は,それぞれ独自に睡眠時間と死亡に関するメタアナリシスを行った.メタアナリシスには,異質性や公表バイアスなど研究方法上の限界はあるものの,ここでは,2009 年3 月までに発表された論文をもとにCappuccio FP ら[28] が行ったメタアナリシスによる最新の知見を紹介する.この中には,日本からのコホート研究[29-33] が含まれているが,同一のコホート研究からの発表論文[32,33] は基準に合致した方が採用されている.その結果,死亡に対する相対リスク(95% 信頼区間)は,短時間睡眠(7 時間未満,6 時間未満,5 時間未満,4時間未満と定義は異なる)で1.12(1.06-1.18),長時間睡眠(8時間以上,9-9.9 時間,9 時間以上,10 時間以上,12 時間以上と定義は異なる)で1.30(1.22-1.38)と有意に高くなっていた(表3)。

短時間睡眠と死亡との因果関係の機序については,充分に解明されているわけではないが,短時間睡眠による糖代謝および交感神経系や免疫系への影響が示唆されている。長時間睡眠と死亡との因果関係については,その機序を示唆する研究は今のところ無い。むしろ,調整しきれなかった交絡要因(潜在要因を含む)や併存疾患によるものではないかと考えられている.例えば,長時間睡眠と関連があるとされる,芳しくない健康状態,診断のついていない病気,身体活動状態の低下,抑うつ状態,良好ではない社会経済状態などである。

3)2 型糖尿病
Cappuccio FP ら[34] は,2009 年4 月までに発表されたコホート研究の論文をもとに,睡眠の量(睡眠時間)や質(不眠)と2 型糖尿病の罹病に関するメタアナリシスを行った(表3).その結果,2 型糖尿病の罹病に対する相対リスクは,短時間睡眠(7 時間未満,6 時間未満,5 時間未満,と定義は異なる)で1.28(1.03-1.60),長時間睡眠(8 時間以上9 時間以上と定義は異なる)で1.48(1.13-1.96)と有意に高くなっていた.これらの因果関係の機序については,Ⅳ -1-2)と同様に,考えられている。
なお,この中には,日本から職域でのコホート研究(6,509人)[35] が含まれているが,2 型糖尿病の罹病に対する相対リスクは,短時間睡眠,長時間睡眠,いずれにおいても有意ではなかった。

2.不眠
1)併存する症状や疾患
不眠の症状は,さまざまな心身の症状と関連しており,身体疾患や精神疾患などと併存している[5].前述のⅢ- 2で紹介した全国調査によれば,慢性不眠の症状(入眠困難や中途覚醒)と関連する心身の症状として,腰痛,心窩部痛,体重減少,頭痛,疲労,心配,いらいら,興味の喪失[36],併存疾患として,高血圧症,心疾患,糖尿病,筋骨格系疾患,胃・十二指腸潰瘍[37] が認められた。

2)2 型糖尿病
前述したCappuccio FP ら[34] による,睡眠の量(睡眠時間)や質(不眠)と2 型糖尿病の罹病に関するメタアナリシスでは,2 型糖尿病の罹病に対する不眠の症状の相対リスクは,入眠困難で1.57(1.25-1.97),中途覚醒で1.84(1.39-2.43)と有意に高くなっていた.これらの因果関係の機序については,Ⅳ -1-2)と同様に,考えられている。
なお,この中には,日本から,前述の職域でのコホート研究[35] と地域でのコホート研究(2,265人)[38] が含まれている. 地域のコホート研究では, 入眠困難で2.98(1.36-6.53),中途覚醒で2.23(1.08-4.61),職域のコホート研究では入眠困難で1.62(1.01-2.59)と有意であったものの,中途覚醒では1.36(0.87-2.14)と有意差を認めることができなかった.職域のコホート研究では,睡眠時間でも有意差を認めなかったことなどを考え合わせると,理由の1 つとして,健康労働者効果などが考えられる。

3)うつ病
Baglioni C ら[39] は,2010 年2 月までに発表されたコホート研究の論文をもとに,主としてDSM- ⅣまたはTR に基づく不眠症とうつ病の罹病に関するメタアナリシスを行った(表3).その結果,うつ病の罹病に対する不眠症のオッズ比(95% 信頼区間)は,2.10(1.86-2.38)であった.なお,この中には,日本からの研究は含まれていなかった。
近年,日本において,不眠の症状と抑うつの関連をみたコホート研究では,65 歳以上の地域住民3,065 人を3 年間追跡した結果,入眠困難を有する者はそうでない者に比べ抑うつを呈したオッズ比が1.59(1.01-2.50)であったと報告されている[40]。

Ⅴ.おわりに
以上,日本における睡眠障害の頻度と睡眠障害による健康影響について,解説した.夜間の睡眠障害と日中のQOL(主観的健康感の低下や仕事上・人間関係上のトラブルや事故など)の低下には有意な関連がある[41].しかしながら,睡眠が障害されても適切な対処行動が取られず,寝酒を常用する(男性37.4%,女性10.0%)などして,かえって早朝覚醒を来し充分な睡眠を維持できず悪循環に陥る[42]。
睡眠障害に適切に対処することによって,人々の健康増進やQOL の向上に,大いに貢献できるものと考えられる。
表4 に睡眠障害に対処するための指針を示した。
一人一人が睡眠衛生の面から自分に合った睡眠を確保できるよう,健康教育の充実をはかるとともに,それを支援する社会や職場での環境整備が求められている.睡眠障害の多くが,夜間の不眠の症状に日中の眠気など不眠症に共通の症状を呈するが[5],通常の睡眠薬では効果が期待できない疾患,あるいは憎悪してしまう疾患もある.この中には,難治性の神経筋疾患や神経変性疾患なども含まれている[43].症状が改善しない場合には,睡眠障害を専門とする医師による診断と治療が必要となる.保健医療福祉の諸機関と睡眠専門医療機関との連携といった環境面での整備も望まれるところである。

文献
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睡眠薬について-危険性4

大雪の後はすっきりと晴れたさいたま。道路の雪をご近所総出で雪かきしました。気温が上がらないので、雪もなかなか解けないでしょう。これから転倒に気を付けなきゃいけませんね。
それにしても関東は1日で済むのがいいところ。雪国はこれが毎日続いているのですから、大変さを少しは感じる機会になりますね。

睡眠薬について-危険性4

不眠症の薬である睡眠薬や睡眠導入剤は、何らかの障害により睡眠が阻害されている症状があり、その症状の緩和に対しては、障害によって失われた機能を補填するための薬であると考えるべきです。
そのため恐ろしい副作用があっても、それ以上に眠れない苦しさが強い場合に処方されるべきお薬であると思いますが、あまりにも安易に処方されていると思います。
特に高齢者については、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなっているにもかかわらず、若い時と同じように7時間8時間眠れていないからと言って、睡眠薬を常用している方が非常に多い。
強い依存症となり、薬の強さや服用量も多くなっています。そして、睡眠薬の恐ろしい副作用である、認知機能の低下。いわゆる認知症という病気になるのではなく、認知症と同じ症状が出るわけです。薬をやめれば症状は消えるので、薬の副作用である事は間違いないと思いますが、製薬会社も医者も、睡眠薬の長期使用で認知症になるということは認めません。そのような似た症状が出るだけで、その病気になるわけではないので、間違ってはいないでしょうが、依存性が強くやめられない事と、認知症と同様の症状がでれば、結果的に認知症になっているのと変わらないわけです。
そしてやめようとしても今度は禁断症状の苦しみが、麻薬以上であれば安易に処方することがどれほど危険かということです。
睡眠薬や睡眠導入剤も、本当に眠れないときに利用する1回分とか、数日分とかで十分だし、定期的な職業などを持たない高齢者に至っては、あえてその時間に眠らなくてもよいわけです。
夜眠れないからと睡眠薬を常用している高齢者が、昼間ベッドで寝ている時間が長いというのは、単なる薬漬けでしかありません。

睡眠導入剤の副作用について、「おくすり110番」から引用させていただきます。

① バルビツール酸系睡眠薬
商品名としては、バルビタール、ラボナ等
バルビタールの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
呼吸抑制・・息苦しい、起床時の頭痛・頭重感。
重い皮膚・粘膜障害・・発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。

【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感。
発疹、じんま疹、発熱。
腎臓の異常(蛋白尿など)
長期連用で効き目が悪くなる。

② ベンゾジアゼピン系睡眠薬
商品名としては、ハルシオン、デパス、レンドルミン等
ハルシオンの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
精神症状・・もうろう状態、異常行動、夢遊症状、興奮、取り乱す、幻覚。
一過性前向性健忘・・服薬後寝るまでの出来事を覚えていない、夜中に起きたときの出来事を覚えていない、もうろう状態。
呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシス・・息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。

【その他】
眠気、ボーッとする、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感、脱力感。
口が渇く
長期連用で効き目が悪くなる。

デパスの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
刺激興奮・・興奮、もうろう状態、取り乱す、かえって眠れない。
呼吸抑制・・息苦しい、起床時の頭痛・頭重感。

【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ
ふらつき、めまい、けん怠感、脱力、まぶたが下がる
生理不順、乳汁分泌
長期連用で効き目が悪くなる

③ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
商品名としては、マイスリー、アモバン等
マイスリーの副作用
【重い副作用】
依存・・長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
精神症状・・もうろう状態、異常行動、夢遊症状、興奮、取り乱す、幻覚。
一過性前向性健忘・・服薬後寝るまでの出来事を覚えていない、夜中に起きたときの出来事を覚えていない、もうろう状態。
呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシス・・息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。
肝臓の重い症状・・だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
眠気、ボーッとする、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感。
口が渇く、吐き気。
発疹、かゆみ。
長期連用で効き目が悪くなる。

アモバンの副作用には、アナフィラキシーがさらに追加されます..発疹、じんま疹、全身発赤、顔や口・喉や舌の腫れ、咳き込む、ゼーゼー息苦しい。

④ メラトニン受容体作動薬
商品名としては、ロゼレム。
ロゼレムの副作用
【重い副作用】
アナフィラキシー様症状・・じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい。

【その他】
めまい、頭痛、眠気、けん怠感
プロラクチン上昇(生理不順、無月経、乳汁漏出、性欲減退)

⑤ オレキシン受容体拮抗薬
商品名はベルソムラ。
ベルソムラの副作用
眠気、めまい、ふらつき、疲労感、頭痛
悪い夢、入眠時幻覚、睡眠時麻痺(金縛り)、夢遊症

番外編 一般市販睡眠薬
ジフェンヒドラミン塩酸塩
商品名はドリエル、ウット等
市販の睡眠改善薬が人気でよく売れているようですが、主成分はすべてジフェンヒドラミン塩酸塩です。抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用したもので、抗ヒスタミン薬で眠くならない人は全く効きません。また元から同じ成分でアレルギー薬として市販されているレスタミンコーワ錠の10倍の価格で製薬会社は大儲けというわけです。
そして、当然副作用もあります。
口の乾きや、眼圧の上昇、排尿障害等と眠気です。緑内障や、前立腺肥大、排尿障害がある方は十分な注意が必要。眠気については、睡眠改善薬ですから眠気があって当然と思われるかもしれませんが、いわゆる睡眠薬ではないため、薬効6時間に対し、睡眠時間が短い場合に、翌日の日中の眠気などとして残ることがあります。また、4日連続で使うと、眠気に対しての耐性ができ、プラシボ薬との差がなくなります。
エスエス製薬から出されているドリエルの副作用としては、眠気、悪心、頭痛、多夢、心高部痛、夢・気分不快、起床時の頭重感です。

不眠の解消には、生活リズムと睡眠環境の改善です。一時的な不眠症状を安易に薬に頼るのは、うつ症状や自殺、他害行為に至る非常に恐ろしいリスクを伴うことであるという認識が必要であると思います。

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睡眠薬について-危険性3

もう降ってきましたね。用心のいい人はワイパー立ててます。

睡眠薬について-危険性3

薬というものは効果があれば当然その副反応(副作用)があります。おおむね薬が強く効けばそれだけ副反応も強く出ます。① バルビツール酸系睡眠薬

その昔、睡眠薬をたくさん飲んで自殺するというドラマがあったほど、その副反応の強さが知られており、現在はほとんど処方されず、製造も中止される睡眠薬がバルビツール酸系睡眠薬です。薬効は麻酔として使われるほど強いのですが、呼吸抑制や不整脈といった副反応があり、さらに耐性・依存性が強く飲み続ければやめられなくなるお薬です。

中枢神経の神経伝達物質として神経興奮性を低下させるのは、抑制アミノ酸のGABA受容体への結合により、薬理効果を増強するわけですが、後述するベンゾジアゼピン系睡眠薬と同じ機序となります。違いとしては、バルビツール酸系は高濃度になれば、薬理効果の増強が、過剰となりすぎ呼吸や心拍へも影響を強く及ぼすことになる点です。

商品名としては、バルビタール、ラボナ等

② ベンゾジアゼピン系睡眠薬

作用機序はバルビツール酸系睡眠薬と同様、GABA受容体への結合により、鎮静作用をもちますが、バルビツールの過剰反応を起こす機序が作用しない特徴を持つため、より安全であるとされます。しかしながら、GABA抑制機能の賦活化の結果、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)、セロトニン、アセチルコリン、ドーパミンを含む脳内の興奮性神経伝達物質の出力が減少します。これらの興奮性神経伝達物質は、正常な注意力、記憶、筋緊張、協調運動、情動反応、内分泌作用、心拍数・血圧のコントロール、その他多くの機能に欠かせないものですが、これら全てがベンゾジアゼピンによって損なわれる可能性があります。GABA と結合しない他のベンゾジアゼピン受容体が、腎臓、結腸、血球、副腎皮質にも存在します。これらもまた、いくつかのベンゾジアゼピンに影響を受ける可能性があります。このような、直接的・間接的作用が、ベンゾジアゼピン服薬による周知の有害作用に関係しています。

商品名としては、ハルシオン、デパス、レンドルミン等

③ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系とは、ベンゾジアゼピン系の改良型の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系は催眠作用(眠らせる作用)の他に筋弛緩作用(筋肉を緩めてしまう作用)があり、これによってふらつきや転倒が生じてしまうことがあります。特に高齢者はふらつきによって転倒してしまうと骨折して寝たきりになってしまう事もあり、時に問題となります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はGABA受容体への結合のうち、筋弛緩作用への結合を少なくした改良型です。

安全性が高いため、処方される頻度も多いお薬です。耐性や依存性は生じますが、ベンゾジアゼピン系と同程度か、ベンゾジアゼピン系よりも若干少ないと言われています。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、作用時間の短いものしかありません。現時点で発売されているものは全て超短時間型になります。そのため、非ベンゾジアゼピン系は主に寝つきが悪いタイプの不眠(入眠障害)に用いられ、夜中に何度も起きてしまうタイプ(中途覚醒)にはあまり向きません。

商品名としては、マイスリー、アモバン等

ちなみにGABAそのものを食品で取っても脳関門を通過しないため、直接作用することはできませんが、腸にもGABA受容体があり、腸のGABA受容体での作用が脳に神経伝達され影響を与える可能性があるようです。

④ メラトニン受容体作動薬

その名の通り、メラトニン受容体に作用する睡眠薬です。自然な生体リズムにより、脳の松果体から分泌されるホルモンであるメラトニンと結合するメラトニン受容体に作用します。

何らかの理由によりメラトニン分泌に異常が出ている場合に、メラトニンの代わりに作用し睡眠に導くため、自然な眠りであるとされます。そのため薬効が現れるのに2週間程度を要するのが難点ではありますが、高齢者はメラトニン分泌自体が減少していることが多く、ベンゾジアゼピン系睡眠薬のようなふらつきなどの副作用が少ないなど、適しているとも言えます。

商品名としては、ロゼレム。

⑤ オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンは、脳内で覚醒に関係するホルモンであり、それを阻害すれば起きていられないというわけです。ナルコレプシーという突然眠ってしまう病気がありますが、原因はオレキシンの欠乏と言われているため、同様の機序により脳の覚醒レベルを落とし、眠りに導く薬となります。

商品名はベルソムラ。

番外編 一般市販睡眠薬

ジフェンヒドラミン塩酸塩

医者に掛かって睡眠薬を処方してもらうことに抵抗のある人や、一般的な睡眠薬は怖いけれど、不眠症状の自覚の有る人が、一般薬局で購入できる睡眠改善薬の主成分が、ジフェンヒドラミン塩酸塩です。

花粉症などのアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬で、ねむけをもたらすことが知られています。

一般市販鎮静剤

ウットという鎮静剤が市販薬であります。

主成分はブロモバレリル尿素・アリルイソプロピルアセチル尿素

アメリカでは不可。危険性が高くバルビツール酸系ととってかわられた鎮静剤です。そのバルビツールもすでに使われていないのに市販されています。

さて、いわゆる睡眠薬や睡眠導入剤と言われる薬の作用機序の説明をしましたが、基本的にどれも脳に作用する薬です。

脳の機能の一部を損傷し、それが原因で不眠症となってしまった場合の、損傷した機能を補う薬であれば、副作用があろうとも使う必要があるでしょう。それほど眠りというものの必要性が高いことは間違いがありません。

しかしながら、一時的なストレスや、睡眠環境の変化などでの不眠症に対し、脳へ直接作用する薬剤の投与が危険であることは、あまり重く見られていないようです。しかも、何年も薬を飲み続け、耐性とより強い薬や、複合、増量を繰り返すことによる依存症状は、麻薬以上とも言われます。

脳に直接作用する「覚せい剤」は一度使うだけでやめられなくなり、中毒者の禁断症状は、テレビなどでもよく取り上げられていますが、睡眠薬の離脱症状は麻薬中毒の禁断症状よりも強いと言われています。

因みに厚生労働省のホームページでは、平成28年9月14日付で、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」を一部改正し、新たに3物質(ゾピクロン・エチゾラム・フェナゼパム)(※1)を 第三種向精神薬(※2) として指定しました。(政令の施行は 本年10月14日 )

今回の向精神薬指定により、向精神薬の総数は83物質になります。

新たに指定された 3物質のうち、2物質(ゾピクロン・エチゾラム)は、国内で医薬品(※3)として流通していますが、今般の指定に伴って規制と罰則が強化されることになります(※4、※5)。 (フェナゼパムは国内で医薬品としての流通はありませんが、国際条約上、規制対象とされたため規制しました。)

厚生労働省としては、今後、向精神薬に指定された物質が乱用されることなく適正に使用されるよう、関係機関に通知を発出し、注意喚起を行っていきます。

商品名は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬「デパス」。非ベンゾジアゼピン系睡眠薬「アモバン」が対象。

※1 物質1 化学名: (RS)― 6―(5―クロロピリジン―2―イル)―7―オキソ―6,7―ジヒドロ―5H―ピロロ[3,4―b]ピラジン―5―イル=4―メチルピペラジン―1―カルボキシラート  別 名:ゾピクロン

物質2 化学名: 4―(2―クロロフェニル)―2―エチル―9―メチル―6H―チエ ノ[3,2―f][1,2,4]トリアゾロ[4,3―a][1,4] ジアゼピン                         別 名:エチゾラム

物質3 化学名: 7―ブロモ―5―(2―クロロフェニル)―1,3―ジヒドロ―2H―1,4―ベンゾジアゼピン―2―オン   通 称:フェナゼパム

※2 向精神薬は、乱用された場合の有害性の程度が物質ごとに異なるため、医療上の有用性及び乱用された場合の危険性により、危険性が高いものから第一種向精神薬、第二種向精神薬及び第三種向精神薬に区分し、 段階的な規制を課すことにしています。

※3 ゾピクロン及びエチゾラムを含有する医薬品

物質名(別名)

ゾピクロン

販売名

ゾピクロン錠7.5mg「アメル」/ゾピクロン錠10mg「アメル」/アモバンテス錠7.5/アモバンテス錠10/アモバン錠7.5/アモバン錠10/ゾピクロン錠7.5mg「サワイ」/ゾピクロン錠10mg「サワイ」/ゾピクロン錠7.5mg「トーワ」/ゾピクロン錠10mg「トーワ」/ゾピクロン錠7.5mg「TCK」/ゾピクロン錠10mg「TCK」/ドパリール錠7.5/ドパリール錠10

 物質名(別名)

エチゾラム

販売名

エチゾラム錠0.25mg「JG」/エチゾラム錠0.5mg「JG」/エチゾラム錠1mg「JG」/エチゾラム細粒1%「JG」/デパス錠0.25mg/デパス錠0.5mg/デパス錠1mg/デパス細粒1%/エチゾラム錠0.25mg「日医工」/エチゾラム錠0.5mg「日医工」/エチゾラム錠1mg「日医工」/エチゾラム錠0.25mg「アメル」/エチゾラム錠0.5mg「アメル」/エチゾラム錠1mg「アメル」/エチゾラム錠0.25mg「オーハラ」/エチゾラム錠0.5mg「オーハラ」/エチゾラム錠1mg「オーハラ」/エチゾラム錠0.25mg「ツルハラ」/エチゾラム錠0.5mg「ツルハラ」/エチゾラム錠1mg「ツルハラ」/エチゾラム錠0.25mg「トーワ」/エチゾラム錠0.5mg「トーワ」/エチゾラム錠1mg「トーワ」/エチゾラム錠0.25mg「日新」/エチゾラム錠0.5mg「日新」/エチゾラム錠1mg「日新」/エチゾラム錠0.25mg「フジナガ」/エチゾラム錠0.5mg「フジナガ」/エチゾラム錠1mg「フジナガ」/エチゾラム錠0.25mg「EMEC」/エチゾラム錠0.5mg「EMEC」/エチゾラム錠1mg「EMEC」/エチゾラム錠0.25mg「KN」/エチゾラム錠0.5mg「KN」/エチゾラム錠1mg「KN」/エチゾラム錠0.25mg「NP」/エチゾラム錠0.5mg「NP」/エチゾラム錠1mg「NP」/エチゾラム錠0.25mg「SW」/エチゾラム錠0.5mg「SW」/エチゾラム錠1mg「SW」/エチゾラム錠0.25mg「TCK」/エチゾラム錠0.5mg「TCK」/エチゾラム錠1mg「TCK」/デゾラム錠0.25mg/デゾラム錠0.5mg/デゾラム錠1mg/パルギン錠0.5mg/パルギン錠1mg

※4 向精神薬に関する罰則:最高で7年以下の懲役又は200万円以下の罰金

※5  向精神薬は、医師から処方された本人が携帯して入国する場合を除いて、一般の個人が輸入することは禁止されています。本人が携帯せず、他の人に持ち込んでもらったり、国際郵便などで海外から取り寄せたりすることはできません。

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睡眠薬について-危険性2

見沼田んぼの散歩道にある椿にメジロが来て蜜を吸っているようです。デジカメのズームじゃ限界がありますね。

睡眠薬について-危険性2
最初に睡眠導入剤と睡眠薬の違いについて、作用時間の違いを見ていきましょう。
一般的に睡眠導入剤というと、一番強く作用する時間が服用から短時間でピークになり、徐徐に効果が薄くなります。寝つきをよくするタイプということになりますね。
ピークの時間が服用から三時間以内ぐらいを睡眠導入剤と呼んでします。短時間型とか、超短時間型と言われます。
寝つきに問題がないけれど、夜中に目が覚めてしまう方に向いているのは、睡眠導入剤とは言われないタイプで、ピークが三時間以上後に来るタイプが処方されることになります。
中時間型や、長時間型と言われます。
ピークというのは血中濃度が一番高くなる時間です。薬剤ですから、体の中で分解されて排泄されるのですが、血中濃度がピークの半分になる時間を半減期といいます。半減期が短いと、早く分解されてしまう為、継続して投与しても血中濃度が高まることはありませんが、半減期の長い薬は、継続投与した時に前に投与された薬剤が残っているところに追加されることになるため血中濃度が徐々に高まっていくという問題が起こります。

継続投与から断薬する場合には、実は短時間型のほうが難しく、長時間型のほうが断薬しやすいということがあります。薬の切れた感覚が短時間型は早く来るということですね。半減期の長い薬は断薬しても効果がずっと体の中に残っているので、薬の切れた感覚も徐々に減るため、断薬がしやすいわけです。
睡眠薬が依存しやすくなることを表している事例だと思いますね。

そして、ピークの強さについては、薬の種類によって、違いがありますが、同じ系の薬であれば、強さそのものはほぼ同じになります。

同じ系であれば強さが同じと書きましたが、その種類は以下のようになります。
① バルビツール系睡眠薬
② ベンゾジアゼピン系睡眠薬
③ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
④ メラトニン受容体作動薬
⑤ オレキシン受容体作動薬

一般的には①が一番強く、順に弱くなり⑤が一番弱くなります。そして、その副作用は強さと比例することになります。現在では、一番強いバルビツール系睡眠薬は徐々に生産を中止しつつあり、ほぼ処方もされていません。

上記5種類が日本で認可されている睡眠薬です。最近ネットで個人輸入の代理店みたいなものがあるようですが、海外の睡眠薬に関しては、すべて自己責任ですし、正直麻薬の個人輸入と何ら変わりがないように思います。
賢明な方は決して手を出さないでしょう。不眠のつらさはよくわかりますが、薬物依存からの脱却はその比ではありません。

さて、次回は、睡眠薬の依存症について書いてみたいと思います。

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睡眠薬について-危険性1

本日は大寒。お日様が出ないと、さすがにこの時期は寒いですね。
先日の雨から少し曇り気味の日が続いているので、出不精になってしまいます。

睡眠薬について-危険性1

最近ネットで医薬品の個人輸入代行が出来るというサイトが流行っているようです。
育毛剤や歯磨き程度でドラッグストアでも買える程度であれば問題はないのかもしれませんが、国内では医師の処方箋がないと薬局でも処方されない医薬品を、個人輸入であれば薬事法を抜けて購入できるということです。

確かに不眠症で眠れないけれど、心療内科や精神科には敷居が高い。睡眠薬や向精神薬が医者に行かなくても手に入らないだろうかという心理は理解できます。
しかし国内で処方箋がなければ手に入らないということはそれだけ危険が伴う薬であるということを十分理解しなければいけません。

睡眠薬の副作用がなぜ怖いか。それは睡眠薬の薬効が脳に効く仕組みだからです。覚せい剤の怖さは皆さんよくご存じでしょうが、睡眠薬と基本的に働き方が逆になっているだけで、怖さは同じなのです。もちろん薬であるため、肝臓に負担がありますが、一番は脳へのダメージとなります。

安眠家具を提供するうえで当然ながら、安眠科学を調べます。
睡眠導入剤の存在は、本当の意味での不眠症の方には救いになります。眠れないつらさは何よりも恐ろしいからです。
しかしながら反面。一時的な不眠を安易に薬に頼ったがために、依存症となり、恐ろしい副作用に苦しむこととなる例が多く、見逃してはおれない事態でもあるのです。

不眠症には薬物療法の他に、認知行動療法という薬を使わない心理療法もあります。
安眠家具による安眠環境の改善は、そこにも通じるものといえます。

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不眠症の認知行動療法

不眠症の治療として近年取り入れられている「認知行動療法」という心理療法があります。
不眠の原因を知り、「ベッド=不眠」の状態から、体を切り離します。そのうえで、眠くなってからベッドに入ることで、「ベッドに入る環境状態=睡眠」を作ることを続けます。
やがて、体がベッドに入ることで安心して睡眠に入ることを覚え、不眠状態を解消します。

不眠症の認知行動療法
以前は、不眠症というと睡眠薬で解決とされていましたが、睡眠薬の改善で副作用が少ない薬が開発されるとともに、効き目も穏やかで、薬を飲んでも眠れないということが多くなっています。
もちろん耐性が付くこともあり、いずれにしても薬は効きづらくなるのですが、睡眠薬が不眠症の絶対的な解決策ではなくなってしまいました。
近年、不眠症には、睡眠薬という薬物療法とは別に、認知行動療法という薬を使わない心理療法がおこなわれるようになりました。アメリカでは1950年ごろから盛んになり始めたカウンセリングを中心とし、考え方や行動で改善していこうという方法です。不眠症だけではなく、うつ病やパニック障害などほかの精神疾患にも有効であることが認められています。
認知行動療法の例えが正しいかはわかりませんが、例えば誰でも経験があるとは思うのですが、休憩時間などにとりあえずトイレに行くと、それまでそれほど感じていなかったのに、トイレに行くことで尿意や便意を強く感じてそのまま用を足すということです。
これは環境に体が強く反応するという現象です。
このような行動での条件付けが上手くいくと、ベッドに入ることでスムーズな眠りを促すことにつながる。もしくは寝室に入ると眠くなるような条件付けを体が覚えるようにするということです。
反対に眠れないのにベッドの中で眠れないことに悩み苦しむと、不眠症の原因をさらに深めていくことになるため、眠れないときはとりあえずベッドから出ることが推奨されます。
以前は眠れなくても体は休まるのでベッドの中にいましょうと言われていましたが、不眠症の患者にとっては逆効果だったのです。

「不眠症まとめサイト」
認知行動療法については、まだ情報が少ないのですが、不眠症まとめサイトで、不眠症の原因別の解決策をご紹介しています。また、「眠れない」状況を作り出す心理的要因の「論文」やそのような状況を解決する「テクニック」なども紹介しています。
そのうえで、不眠症の解決策のうち「睡眠環境の改善」自体は、どのような不眠症の原因であっても、改善効果を高めることが認められています。
しかしながら、防音の部屋、遮光カーテン、冷暖房や加湿器で対処したとしても、一緒に生活する相手がいれば、必ずしも自分本位では調節できません。時間のずれ、趣味の違い、パートナーのいびきなどの生活音。
睡眠はもっともパーソナルな世界です。

自分だけの環境を作るための環境改善。安眠家具「SleepLabo」が最も睡眠環境改善に有効です。

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不眠症

単線の川越線「夕日に向かって走る線路」
安眠家具「Sleep Labo」を販売していると、いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む人とは別に、不眠症の悩みを抱えている人の話を多く聞きます。
線路の奥に引き込まれていくような、深い眠りを得るには何が必要なのか、「不眠症まとめサイト」で紹介しています。

安眠家具「Sleep Labo」を販売していると、いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む人とは別に、不眠症の悩みを抱えている人の話を多く聞きます。面白いことにいびきや睡眠時無呼吸に悩む人で、眠れない悩みをあまり聞きません。どちらかといえばご家族からは「あっという間にいびきをかき始める」とか、「布団に入って数秒で眠っている」という方が多い気がします。
「隣でいびきをかかれて、私は不眠症」なんて話もよく聞きますね。笑って言える方はそれほどでもないでしょうが、中には深刻になって、離婚まで発展する悩みになることも聞きます。
まあ、眠れない苦しさはそれほど深刻であるということです。

「不眠症まとめサイト」OPEN
以前は、不眠症というと睡眠薬で解決とされていましたが、睡眠薬の改善で副作用が少ない薬が開発されるとともに、効き目も穏やかで、薬を飲んでも眠れないということが多くなっています。
もちろん耐性が付くこともあり、いずれにしても薬は効きづらくなるのですが、睡眠薬が不眠症の絶対的な解決策ではなくなってしまいました。

https://rudder-coltd.jp/furnituresleepingpills/

「不眠症には睡眠薬より安眠家具」
不眠症の原因別の解決策をご紹介しています。また、「眠れない」状況を作り出す心理的要因の「論文」やそのような状況を解決する「テクニック」なども紹介しています。
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しかしながら、防音の部屋、遮光カーテン、冷暖房や加湿器で対処したとしても、一緒に生活する相手がいれば、必ずしも自分本位では調節できません。時間のずれ、趣味の違い、パートナーのいびきなどの生活音。
睡眠はもっともパーソナルな世界です。

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睡眠薬の危険性-4

睡眠導入剤の危険性-4

不眠症の薬である睡眠薬や睡眠導入剤は、何らかの障害により睡眠が阻害されている症状があり、その症状の緩和に対しては、障害によって失われた機能を補填するための薬であると考えるべきです。
そのため恐ろしい副作用があっても、それ以上に眠れない苦しさが強い場合に処方されるべきお薬であると思いますが、あまりにも安易に処方されていると思います。
特に高齢者については、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなっているにもかかわらず、若い時と同じように7時間8時間眠れていないからと言って、睡眠薬を常用している方が非常に多い。
強い依存症となり、薬の強さや服用量も多くなっています。そして、睡眠薬の恐ろしい副作用である、認知機能の低下。
いわゆる認知症という病気になるのではなく、認知症と同じ症状が出るわけです。薬をやめれば症状は消えるので、薬の副作用である事は間違いないと思いますが、製薬会社も医者も、睡眠薬の長期使用で認知症になるということは認めません。
そのような似た症状が出るだけで、その病気になるわけではないので、間違ってはいないでしょうが、依存性が強くやめられない事と、認知症と同様の症状がでれば、結果的に認知症になっているのと変わらないわけです。
そしてやめようとしても今度は禁断症状の苦しみが、麻薬以上であれば安易に処方することがどれほど危険かということです。
睡眠薬や睡眠導入剤も、本当に眠れないときに利用する1回分とか、数日分とかで十分だし、定期的な職業などを持たない高齢者に至っては、あえてその時間に眠らなくてもよいわけです。
夜眠れないからと睡眠薬を常用している高齢者が、昼間ベッドで寝ている時間が長いというのは、単なる薬漬けでしかありません。

睡眠導入剤の副作用について、「おくすり110番」から引用させていただきます。

① バルビツール酸系睡眠薬
商品名としては、バルビタール、ラボナ等
バルビタールの副作用
【重い副作用】
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
呼吸抑制..息苦しい、起床時の頭痛・頭重感。
重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。

【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感。
発疹、じんま疹、発熱。
腎臓の異常(蛋白尿など)
長期連用で効き目が悪くなる。

② ベンゾジアゼピン系睡眠薬
商品名としては、ハルシオン、デパス、レンドルミン等
ハルシオンの副作用
【重い副作用】
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
精神症状..もうろう状態、異常行動、夢遊症状、興奮、取り乱す、幻覚。
一過性前向性健忘..服薬後寝るまでの出来事を覚えていない、夜中に起きたときの出来事を覚えていない、もうろう状態。
呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシス..息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。

【その他】
眠気、ボーッとする、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感、脱力感。
口が渇く
長期連用で効き目が悪くなる。

デパスの副作用
【重い副作用】
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
刺激興奮..興奮、もうろう状態、取り乱す、かえって眠れない。
呼吸抑制..息苦しい、起床時の頭痛・頭重感。

【その他】
眠気、ボーッとする、注意力・集中力低下、頭が重い感じ
ふらつき、めまい、けん怠感、脱力、まぶたが下がる
生理不順、乳汁分泌
長期連用で効き目が悪くなる

③ 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
商品名としては、マイスリー、アモバン等
マイスリーの副作用
【重い副作用】
依存..長期に多めの量を飲み続けると、体が薬に慣れた状態になりやめにくくなる。このとき急に中止すると、いらいら、強い不安感、不眠、ふるえ、けいれん、混乱、幻覚など思わぬ症状があらわれることがある。
精神症状..もうろう状態、異常行動、夢遊症状、興奮、取り乱す、幻覚。
一過性前向性健忘..服薬後寝るまでの出来事を覚えていない、夜中に起きたときの出来事を覚えていない、もうろう状態。
呼吸抑制・炭酸ガスナルコーシス..息苦しい、窒息感、翌朝の頭痛、頭が重い。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
眠気、ボーッとする、頭が重い感じ、頭痛。
ふらつき、めまい感、けん怠感。
口が渇く、吐き気。
発疹、かゆみ。
長期連用で効き目が悪くなる。

アモバンの副作用には、アナフィラキシーがさらに追加されます..発疹、じんま疹、全身発赤、顔や口・喉や舌の腫れ、咳き込む、ゼーゼー息苦しい。

④ メラトニン受容体作動薬
商品名としては、ロゼレム。
ロゼレムの副作用
【重い副作用】
アナフィラキシー様症状..じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、息苦しい。

【その他】
めまい、頭痛、眠気、けん怠感
プロラクチン上昇(生理不順、無月経、乳汁漏出、性欲減退)

⑤ オレキシン受容体拮抗薬
商品名はベルソムラ。
ベルソムラの副作用
眠気、めまい、ふらつき、疲労感、頭痛
悪い夢、入眠時幻覚、睡眠時麻痺(金縛り)、夢遊症

番外編 一般市販睡眠薬
ジフェンヒドラミン塩酸塩
商品名はドリエル、ウット等
市販の睡眠改善薬が人気でよく売れているようですが、主成分はすべてジフェンヒドラミン塩酸塩です。抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用したもので、抗ヒスタミン薬で眠くならない人は全く効きません。また元から同じ成分でアレルギー薬として市販されているレスタミンコーワ錠の10倍の価格で製薬会社は大儲けというわけです。
そして、当然副作用もあります。
口の乾きや、眼圧の上昇、排尿障害等と眠気です。緑内障や、前立腺肥大、排尿障害がある方は十分な注意が必要。眠気については、睡眠改善薬ですから眠気があって当然と思われるかもしれませんが、いわゆる睡眠薬ではないため、薬効6時間に対し、睡眠時間が短い場合に、翌日の日中の眠気などとして残ることがあります。また、4日連続で使うと、眠気に対しての耐性ができ、プラシボ薬との差がなくなります。
エスエス製薬から出されているドリエルの副作用としては、眠気、悪心、頭痛、多夢、心高部痛、夢・気分不快、起床時の頭重感です。

不眠の解消には、生活リズムと睡眠環境の改善です。一時的な不眠症状を安易に薬に頼るのは、うつ症状や自殺、他害行為に至る非常に恐ろしいリスクを伴うことであるという認識が必要であると思います。

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