「胃食道逆流症」タグアーカイブ

REM睡眠non-REM睡眠といびき

以前ご紹介した日本大学医学部の論文で、閉塞性睡眠時無呼吸症候群のメカニズム。
この研究の調査で判明したことが、いびきや無呼吸の症状は、non-REM睡眠のステージ2,3,4では現れず、重症の睡眠時無呼吸患者でも、深いnon-REM睡眠時には静かな呼吸が確保されています。
ではいびきはどの状態でかくのか?無呼吸は?といえば、REM睡眠とnon-REM睡眠のステージ1となります。
一般の睡眠はnon-REM睡眠ステージ1から入り、徐々に2,3,4と深まり、入眠から90分でREM睡眠が20分ほど入りこれを繰り返します。また、目覚めに近いほどREM睡眠の時間が長くなります。
いびきをかく人は、寝入りばなにいびきをかき、睡眠が深まることで、いびきが消えます。そして入眠から90分弱程度でREM睡眠になり20分ほどのいびきタイムが始まるということです。

ところが、あまり激しいいびきや無呼吸では、深いステージに入れず覚醒してしまい、ステージ1か2とREM睡眠を繰り返します。
この状態になると、いびきや無呼吸で苦しいだけでなく、体や脳も休息が取れない状態となります。

ただ、いびきが激しい人も朝方になると、静かになっていきます。胃食道逆流症で胃の中のものが逆流することがいびきの原因であったものが、徐々に消化され胃の中のものがなくなるとともにいびきもおさまるということです。

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(論文)胃食道逆流症(GERD)と睡眠障害

胃食道逆流症(GERD)と睡眠障害の論文です。これまで何回か説明文の中で一部の引用をさせていただいておりましたが、全体をご紹介させていただきます。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因として、ほぼ間違いのない結果ではないかと思うのですが、これまでの肉が多くて自然に喉が詰まる原因に比べて自然であると思えます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi1954/52/2/52_145/_pdf

耳鼻52:145~151,2006
原著

胃食道逆流症(GERD)と睡眠障害
―ランソプラゾール内服と睡眠内容の検討―

岩田義弘(1)・大山敏廣(2)・門山浩(3)
三村英也・小串善生・桜井一生
内藤健晴(4)・戸田均(5)

近年、胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)と閉塞型睡眠時無呼吸(O-SAS)の関係が注目されている。咽喉頭異常感と睡眠障害のない正常男性5例にランソプラゾール15mg/day、7日間内服を行い、睡眠障害パラメーターの変化を検討した。epworth sleepiness scale(ESS)は全員スコアの減少を認めた。睡眠時無呼吸検査ではapnea-hypopnea index:AHIの減少を認めた。特に閉塞性無呼吸の減少と鼻腔抵抗の減少を示した。
咽頭食道は逆流胃酸等攻撃因子と唾液等中和する因子が拮抗していると考えられた。今回の検討は正常例において攻撃因子を減少し、中和などの防御因子を優位にした状態を作り出したと考えた。結果、正常例においても胃食道逆流は存在する可能性を示したと考えた。また、GERD治療を行うに当たり、攻撃と防御因子の双方を考え治療する必要性を感じた。

Key words:ランソプラゾール、正常成人、AHI、鼻腔通気度、睡眠障害

はじめに
閉塞型睡眠時無呼吸(O-SAS)の治療に伴い、胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)の症状の減少を認める報告を日常臨床で経験したり、また同様の報告1)-4)をみる。GERDの症状好発臨床的背景と、睡眠時無呼吸を引き起こす臨床的背景が酷似しているため、両者の間には強い関連性が指摘されている。
では、GERD症状のない正常例では睡眠中の呼吸状態への影響はないのであろうか?症状を訴えない正常例と考えられる例にもある程度の頻度をもって胃酸逆流が存在するが、その影響は自覚しないだけではないかと考えた。
正常例に胃内容物の食道へ逆流が恒常的にあるのであれば、胃酸の気道への影響もあることも予想され、先の例と逆で睡眠への影響があるのではないかと疑った。これらを検討するに当たり、正常例においてどの程度逆流による影響があるか、またその結果見られる睡眠障害がどの程度隠れているのか明らかにする必要を感じた。
これらの疑問を明らかにするためPPI内服で胃酸の量を減少させ、逆流症状と睡眠への影響の測定を試みた。咽喉頭異常感と睡眠障害の訴えのない正常例にランソプラゾール15mg/day、7日間内服を行い、睡眠障害にかかわるパラメーターのその前後で行い、その変化を検討した。

対象と方法
対象:健康診断などで異常を指摘されていない成人男性で、咽喉頭異常感や自覚的な睡眠障害を有しない例で本検討に了解を得たボランティア5名(平均年齢32.6歳、24から46歳)について検討を行った。5名につては扁桃肥大や鼻中隔彎曲症やアレルギー性鼻炎など認めなかった。またbody-mass index BMIは平均24.5であった(表1)。
方法:被験者には検討の内容を説明し、ランソプラゾール15mgを一日1錠ずつ内服を7日間行ってもらった。その前後で以下の検査を行った。
GERDの症状や睡眠の自覚的状況をQUEST問診票5)とepworth sleepiness scale(ESS)6)を用いアンケート形式で行った。問診票の聴取には筆者が症状など直接説明しながら行った。また、器質的疾患の否定と咽頭所見の確認のため喉頭ファイバースコ― プを行った。睡眠障害の有無確認のため、チェスト社製携帯型睡眠時無呼吸検査装置Apuno V(R)を用い検査装置の指示書に従い装着、AHI、AHI with desaturationを測定した。測定結果は閉塞性成分と中枢性成分も抽出した。さらに、睡眠障害部位の検討に役立つよう鼻腔通気度をリオン社製通気度鼻腔検査装置にて測定した。

結果
協力いただいたボランティア男性5名の身長、体重は表1のとおりで平均のBMIは24-5であった。
アンケート結果を図1に示す。

QUESTの問診票では、内服前は平均0.4点であった。内服後では著明な変化無く平均0.0点となった。ESSでは内服前では内服前が平均8.6で内服後は6.6と減少を認めた(図2)。

睡眠検査では経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は一晩の平均と最低酸素飽和度で検討を行った。内服前では平均96.3%から内服後96.3%と変化を認めなかった。最低酸素飽和度は平均86.0から内服後84.2と同様に大きな変化を認めなかった(図3)。

睡眠時無呼吸低呼吸指数AHIは内服前の平均11.4に対し内服後では3.1と減少を認めた(図4)。

AHIは閉塞性成分と中枢性成分と1時間当たりの回数で検討を行った。1時間当たり無呼吸低呼吸のうち閉塞性成分は内服前に平均8,4回であったが、内服後3.0回と減少した。中枢性成分は平均3.0回から2.3回と現象を示した。AHIwith desaturationは内服前3.1から内服後2.5とやや減少をした(図5)。
鼻腔通気度は両側の合成である最大呼気/吸気抵抗は内服前平均1.50/1.44(cm/L/sec)から内服後1.27/1.51(cm/L/sec)となった(図6)。
喉頭ファイバー所見では、鼻腔、咽頭に内服前後に著明な変化を見いだすことはできなかったが、下鼻甲介後端の色調の変化と両側披裂間部の粘膜の色調の変化を認めた。

考察
正常と思われる成人においても24時間pHモニタリングを行うと食道内のpHが減少する例が確認されている7)。しかしながらこれらの正常成人がGERD特有の症状を訴えるわけではない。今回検討を行った5名のボランティアにおいても同様で、QUESTの問診票では胃酸逆流の症状は認められなかった。胸部や咽頭の不快感のない5名のボランティアではランソプラゾールの内服前後で行ったESSアンケートで睡眠の自覚的改善を4名自覚しており、内服前後で点数は有意に減少を示していた。GERD症状のない成人例において、PPI内服は、何らかの形で睡眠へ影響していると考えられた。では、どこが睡眠として良いと思われる変化を来したか。

SpO2は1回の測定の平均SpO2と一回の測定の最低SpO2とも大きな変化を示さなかった。しかしながらAHIはいずれの例でもPPI内服に伴い減少を来し、睡眠中の無呼吸および低呼吸が減少したことを確認した。特にAHI減少のうち、中枢性無呼吸低呼吸の減少より、閉塞性無呼吸低呼吸の減少が著しいことも今回確認できた。睡眠時無呼吸の検査においてファーストナイト効果8)と呼ばれる「検査の慣れ」現象が見られ、これによりAHIの現象が指摘されている。が、今回は中枢性の無呼吸成分の減少が示されている。検討において短期間の検討であったが、「検査の慣れ」については考慮しなくてよいと判断した。その上で、ランソプラゾール内服のこのボランティア群は閉塞性無呼吸低呼吸成分の減少がAHI全体の減少を来し、その結果ESSスコアの減少に影響したと考
えられた。
鼻腔通気度検査では1名を除き最大呼気/吸気鼻腔抵抗は減少が見られた。BMIと鼻腔通気度の関係において有意な相関関係は認められていない9)。機序は不明であるが、ランソプラゾール内服により鼻腔粘膜の容積に変化が生じ鼻腔通気度に影響を与えたものと考える。内服後、鼻腔通気度の値が上昇している1名においてもAHIの減少が見られ、鼻腔抵抗の減少がAHIの減少のすべての要因ではないことが示唆された。
喉頭ファイバースコープの観察から、喉頭披裂間部の粘膜の色調の変化からも喉頭粘膜の変化の存在が疑われた。これらの所見10)も胃酸逆流の症状が疑われる。この事実からも逆流した胃分泌液は何らかの形で喉頭や咽頭、鼻腔粘膜に影響を与えていると考える。
ランソプラゾール内服を行ったこのボランティア群ではこの胃酸分泌物減少による鼻咽喉頭への影響を軽減させその結果、気道抵抗全体を減弱させ、AHIの減少からESSの減少につながったと考えられた。
症例1、3と年齢の進んだ二人がAHIの変化が大きかった。この2例はともに検診胃内視鏡で異常は指摘されていなかった。内視鏡的異常所見を認めない狭義の症候性GERD症例(s-GERD)においてpHモニタリングでも異常を認めない症例も多く、酸分泌抑制剤で治療効果が低いことが報告されている2)。また、これらは健常人とオー
バーラップすることが知られている11)。また、後の聞き取りからs-GERDの影響の一つである心理150 耳鼻と臨床 52巻2号的ストレス12)は他の3名とも特に自覚はなく、これらの影響は少ないと考えられた。
老人性の口腔内乾燥症13)や糖尿病に伴う唾液の減少が見られる病態において胃酸逆流に対する防御機構の減少がGERD症状の増悪因子として指摘されている14)。
唾液分泌能力は年齢などに影響されると考えられが、喫煙や口腔内乾燥の自覚はなかった。これらこの2症例はs-GERDに近い状態であることが疑われ胃酸逆流の影響を受けやすいことが考えられた。
健常成人においても潜在的に胃酸逆流が存在していても、胃酸そのものを中和する機構(唾液分泌など)が十分機能していれば症状として表れてこないことが考えられる。
ボランティア群はいずれも、咽喉頭の違和感や逆流に伴う胸部症状の自覚のない集団であった。胃酸分泌の抑制を行いその結果、睡眠等に影響が見られたことから、逆流した胃酸の中和などにより症状を抑制する能力が相対的に強く働いていた結果、普段からGERD症状の訴えがなかったと考えられる。
今回の検討は正常成人において潜在的に逆流した胃分泌物よりも、その中和機構が優位になった状態を作り出したと考えられる。その結果、上部気道に作用する要因が減少し、気道の狭窄にかかわるパラメ-タ― を中心に睡眠の質に影響を与えたものと考えられた。下部食道括約筋の機能障害がGERDの症状発現には重要な因子であることは間違いないと考えるが、症状の抑制因子としての口腔咽頭機能の存在を改めて認識する結果となった。このことはGERD症状の診断・治療において、攻撃因子である胃分泌物の逆流と、症状の抑制因子である唾液分泌などの双方を考慮に入れていく必要があると考えた。

本稿の内容は第8回食道逆流症(GERD)と咽喉頭疾患研究会にて報告した。
本検討を行うに当たり、ご協力いただいた当院検査部生理検査部門の協力に感謝します。

文献
1) Demeter P et al:Correlation between severityof endoscopic findings and apnea-hypopneaindex in patients with gastroesophageal refluxdisease and obstructive sleep apnea.World J Gastroenterol 11 : 839-841, 2005.
2) Fass R et al : Nonerosive reflux disease-Currentconcepts and dilemmas-. Am J Gastroenterol96 : 303-314, 2001.
3) Gislason T et al : Respiratory symptoms andnocturnal gastroesophageal reflux-A population-based study of young adults inthree European countries-. Chest 121 : 158-163, 2002.
4) Ing AJ et al : Obstructive sleep apnea andgastroesophageal reflux. Am J Med 108(Suppl 4 a) : S120- S125, 2000.
5) 永野公一他: GERDの診断に関する研究-上部消化管症状を訴える患者におけるアンケート(QUEST)による検討-. 新薬と臨47: 841-851, 1998.
6) Johns MW : A new method for measuringdaytime sleepiness-The epworth sleepinessscale-. Sleep 14 : 540-545, 1991.
7) 林良紀他: 健常者、逆流性食道炎患者の胃食道逆流のメカニズム. Therapeutic Research 24:800-804, 2003.
8) 川名ふさ江: 睡眠時無呼吸症候群-睡眠時無呼吸症候群の検査法終夜睡眠ポリグラフィー、その他-. Medical Technology 33: 468-474, 2005.
9) 樋上茂他: 睡眠時無呼吸症候群患者における睡眠前後の鼻腔抵抗について. 日鼻誌43: 331, 2004.
10) 渡嘉敷亮二他: 逆流性食道炎症例にみられた耳鼻咽喉科領域の症状. 日気食会報53: 337-342, 2002.
11) Masclee AA et al : Ambulatory 24-hour pHmetryin the diagnosis of gastroesophagealreflux disease. Determination of criteriaand relation to endoscopy. Scand J Gastroenterol25 : 225-230, 1990.
12) 秋山純一他: 症候性GERDの病態と治療-症候性GERDにおける病態因子-. 消化器科40: 236-243, 2005.
13) 中田裕久: 日常診療で診るGERD(胃食道逆流症)-特殊な例のGERD高齢者のGERD-.Medicina 42: 111-113, 2005.
14) 松井秀隆他: 日常診療で診るGERD(胃食道逆流症)-GERDを起こす病態糖尿病とGERD-.Medicina 42: 96-98, 2005.
(受付2005年10月24日)

Relationship between gastroesophageal reflux disease andsleep disorder : An examination of sleep after the oral administrationof lansoprazole
Yoshihiro IWATA(1), Toshihiro OYAMA(2), Hiroshi KADOYAMA(3), Hideya MIMURA,Yoshio OGUSHI, ISShO SAKURAI, Kensei NAITO(4) and Hitoshi TODA(5)
Recent studies have reported a relationship between gastroesophageal reflux disease (GERD)and obstructive sleep apnea syndrome (O-SAS). We orally administered 15mg/day of lansoprazoleto 5 healthy males without pharyngeal/laryngeal discomfort and sleep disorder for 7 days and thisinvestigated the changes in the parameters of sleep disorder. The epworth sleepiness scale (ESS)scores decreased in all 5 males. A sleep apnea test showed a marked decrease in the apnea-hypopneaindex (AHD. In particular, the frequency of obstructive apnea and nasal resistance decreased. Inthe pharyngeal esophagus, attack factors such as the reflux of gastric acid may antagonize neutralizingfactors such as saliva. In this study, the attack factors including neutralization were enhancedin these healthy adults. The above findings suggest that GERD occurs in healthy adults. In treatingGERD, both attack and preventive factors should be carefully considered.
(1)碧南市民病院診療部耳鼻咽喉科
Department of Otolaryngology, Hekinan Municipal Hospital, Hekinan 447-0084, Japan
(2)大同病院耳鼻咽喉科
Department of Otolaryngology, Daido Hospital, Nagoya 457-8511, Japan
(3) 門山医院
Kadoyama Clinic, Fujisawa 251-0872, Japan
(4)藤田保健衛生大学医学部耳鼻咽喉科学教室
Department of Otolaryngology, School of Medicine, Fujita Health University, Toyoake 470-1192,Japan
(5)耳鼻咽喉科武豊醫院
Department of Otolaryngology, Taketoyo Clinic, Chita 470-2380, Japan

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いびきの原因になりやすいウェイトトレーニング

ウェイトトレーニングのような、腹筋に力を強く入れる運動は、いびきの原因となる胃食道逆流症に良くないのです。
だからと言ってやめられないのは、生活習慣病と同じかもしれません。

10年以上通ったスポーツジムですが、行く時間もないし、バーベルも90Kg以下しか置いてくれないので、とうとう今月で退会することとしました。今日が最後です。天然温泉が魅力だったので、そこが残念。

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本当に効くいびき対策とは

いびきの音の大きさは、①口呼吸+②呼吸の強さ+③組織の震えやすさ(喉の奥の狭さ)です。同じような生活でもいびきをかかない人は、口が開いてなければ音は聞こえ辛い+呼吸が弱ければ音が激しくならない+肥満がなく、顎も小さくなく、ノドチンコも小さいと、寝息の少し大きいくらいで済む人がいます。
この辺は体質の違いもあります。

① 口呼吸は、鼻呼吸運動やテーピングなどで癖をつけること。
② 呼吸の速さは、疲れたり、暑すぎない様にすること。
③ 組織の震えやすさの原因の一つは、気道の狭小化です。

いびき完全コントロールで気道の狭小化を防げばいびきはかきません。
サプリもいびき解消ツールも手術も必要ありません。
ちなみに無呼吸症候群も同じ理由です。
医学博士の新谷弘実の著書「病気にならない生き方」の中でも紹介されています。
ストレスも胃に来ますし、喫煙も原因になります。

いびき対策でダイエットや横向き寝、鼻呼吸を上げることがよくあります。間違いではないですが、すぐにできなかったり、根本的な理由が違っていたり、それだけが原因ではないために、頑張っても効果が少なかったりします。

まずダイエットは重要ですが、痩せていればいびきをかかないかといえばそうではありません。第一「痩せればいびきをかかないよ」と言われてそうか頑張ろうとはならないでしょう。まず太っていていびきをかいている人は、「そんなのわかってるよ」と思っているはずです。

横向きに寝ればいびきをかかないというのも代表的ないびき対策ですね。案外効くことがあるのですが、なぜ止まるかもわからないので、一時的に止まっても再発したり、横向き寝が続けられなかったりします。しかも無理やりずっと横向きに寝るといわゆるストレートネックになってしまう危険性もあります。横向き寝がいびきに効くのは、胃の噴門が上に向くためです。左を下にして寝れば効果がありますが、右が下では効果がありません。胃食道逆流症の改善になっているかどうかで効果が分かれます。横に寝ても効果がないことが当然あります。

口呼吸は、いびきの大きさに関係がありますので、口呼吸から鼻呼吸に切り替えができれば、同じようにいびきをかいても音が小さくなるため、効いた様な気がします。しかし、根本的ないびき自体はかいている状態なので、消えることがありません。

その他いわゆるいびき対策の数々について、その効果と危険性について「完全いびきコントロール」で解説しています。
・いびき防止のサプリ
・いびき防止のツール
・いびき治療のための受診
・漢方薬
・CPAP
・扁桃・口蓋垂切除手術

本当に効くいびき対策は、根本の原因を取り除く根治療法としてやらなければだめだということです。いびきの原因を理解していなければ対症療法に終わるだけで、一時的な効果があっても、再発してしまいます。

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いびきの対症療法は危険

風邪をひいた時にどうしますか?

昔は、医者に行っても解熱剤や抗生物質を処方して治そうという風潮が強かったと思いますが、現在はむしろ解熱剤は勧められないし、抗生物質は必要のある症状(細菌感染の併発がみられる場合)がなければ処方しない場合が多いようです。

理由は、風邪による発熱は免疫反応であり、むやみに解熱剤を使うとかえって症状が長引たり、脳炎などの副作用を起こすことがあるということが、わかってきたからです。

人間の体は医学が発達するはるか以前から、病気やケガを自然治癒してきました。様々な形質は長い時間をかけて遺伝的に獲得してきた機能を効率よく持っているのです。

ちょっと前まで体には有っても無くてもよい器官であり、病気をおこす原因となるので早めにとったほうがいいといわれていた扁桃腺や盲腸も、それまで知られていなかった機能が分かってきて、実は重要な器官であり、むやみにとってはいけないということが言われるようになってきました。

医療や医学が発達しても、人間の体というものは実はまだわかっていないことが多く、現代の生活に合わせると不具合と思うことが、実は大切な役目を持っていることが後になってわかってくるということは往々にしてあるのです。

ではここでやっと本題の「いびき」になります。

なぜ「いびき」をかくのかという質問に対しては、たいていは、寝ているときに筋肉が緩み、舌がのどの奥に下がっていき、気道を狭めているために、周辺の粘膜が振動する音という説明があります。
そこで「いびき」をかかないために、気道を広げるサプリや器具が登場するのです。
風邪をひいて熱が出るから熱を下げようというのと同じ理屈です。

風邪の場合は、免疫反応だからむやみに下げるのはよくないよと言われ始めていますが、「いびき」はどうでしょう。
免疫反応にあたる部分が分かっていません。気道が狭くなって音がするのは熱が出るというのと同じ理屈なのです。
確かに、肥満や鼻の病気などが「いびき」を誘発している事が経験上わかっていますので、ダイエットや鼻の治療を行うことは結果的に「いびき」を防止することにつながるとしても、必ずしもそうではない方法で「いびき」だけを止めることは、本来なぜ「いびき」をかいているのかの本質が分かっていないために、危険な発想だと思うのです。

「いびき」は、確かにうるさいし、本人も周りも含めて寝不足が生じたり、近所迷惑な場合さえありますので、ダイエットをする飲酒を控えるなどの対策は必要かもしれませんが、体に負担をかけて本来かいている「いびき」をかけなくすることには、疑問が残るのです。

医学博士の新谷弘実の説によれば、いびきは、生活習慣病の入り口である、胃食道逆流症による肺への異物混入を防ぐためのシステムであるとしたら、いびきだけを止めるとどういうことになるでしょう。
いびきを止めるには対症療法ではなく、根治でなければ危険でさえあります。胃食道逆流症の原因となる行為をやめればいいだけです。

サプリメントはどうでしょうか?いびきの原因に何かの栄養不足が影響しているという話は聞いたことがありません。栄養補助食品にその効果を求めるのは間違っています。

いびき防止の枕や、鼻につける器具はどうでしょうか?気道を広げる効果があるかもしれませんが、もともと体が必要だから気道を狭めているのに、それを広げることが正解でしょうか?短期的に効果があったとしても、たぶん体の気道を狭めようとする反応が進んで、いびきが再開するでしょう。おそらくマウスピースも同様だと思います。

口蓋垂(のどちんこ)切除手術はどうでしょうか?私は最も危険だと思っています。もともとの口蓋垂の機能がなくなることで、将来嚥下機能が弱ったときに、誤嚥性肺炎を起こす危険が相当に高まります。医療機関としてその責任は取れるのでしょうか?しかも、口蓋垂切除手術の結果いびきが消える可能性は低いうえ、一時的に減少しても根治していなければ再発はほぼ間違いありません。

CPAPはどうでしょうか?睡眠時無呼吸症候群患者のQOLが高まるとはいっても、50%が勝手にやめているという話も聞きます。しかも口呼吸していると効果がありません。やはり根治を目指さなければすべての対症療法に疑問が残るのです。

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気道の狭小を解決

いびきも睡眠時無呼吸も気道の狭小化が原因で起こっています。
口呼吸かどうか、呼吸が強いかどうかは、音が出たときの大きさに影響を与えますが、実際にいびきをかくか、無呼吸症候群として、呼吸が止まるかどうかは、気道の狭小化が起こるかどうかが一番大きく影響しています。
なぜ気道が狭くなるのでしょう。原因は何でしょうか。
その原因を解決できれば、いびきや睡眠時無呼吸が解決できるのではないでしょうか。

色々と探しているときにある方法に出合います。

これには説得力がありました。しかも脳疾患で激しいいびきをかく理由も、脳疾患の時に嘔吐が伴うことと併せて考えれば説明がつきます。
さっそく自分で試してみました。
すると驚くほどぴたりといびきが止まります。びっくりしました。
何をやっても、止めることができなかったいびきが、たったこれだけのことで止まることに感動しました。

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いびきと睡眠時無呼吸

日本の人口1億2千万人のうち、ほぼ毎日いびきをかいている人が2千万人と言われています。
男性では24%、ほぼ4人に1人。女性で10%の割合と言われています。計算するとちょっと合わないのは、成人とか年齢で区切ったときの割合かも知れません。
これが年々増えているそうです。
肥満といびきの関係は、経験的にも相関がみられると思われるでしょう。肥満の割合は、男性28.4%女性18.7%。男性は横ばい、女性はやや減少傾向のようです。
いびきの原因②の呼吸の強さの関係か、女性は肥満でも、男性に比べて呼吸があまり強くないため、いびき割合が若干低いようです。
さて、昔は「高いびきは熟睡の証拠」と言われていましたが、2012年の関越自動車道「高速ツアーバス事故」の運転手が、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と診断された事件以来、睡眠時無呼吸症候群がセンセーショナルに取り上げられるようになりました。
睡眠時無呼吸症候群患者のうち、重症患者は、300万人と推定されており、毎日いびきをかいている方の15%にも上ります。
睡眠時無呼吸患者は必ずしもいびきをかいているわけではないですが、激しいいびきと睡眠時無呼吸症候群の関係が言われるようになり、その後はいびきをかくことが犯罪のような風潮さえ起こります。
毎日いびきをかいている人が2000万人ですから、普段はあまりかかないけれど、疲れていたり、飲酒後にいびきをかいて寝ることがある方を入れると、ほとんどの方はいびきをかきます。
また、睡眠時無呼吸症候群も、1時間に5回未満程度の呼吸が止まることであれば、実は誰でも起こしている事なのです。

実はいびきや睡眠時無呼吸は、誰でも普通に起こしている現象であり、それだけでは病気でも何でもないことです。
むしろ目に見える現象であるから、それを原因として見てしまいがちで、風邪をひいて熱が出れば、風邪を治すことが必要で熱を下げることが解決ではないということです。

いびきも睡眠時無呼吸も、気道が狭くなっておこっています。気道が狭くなる原因があるのです。気道が狭くなる原因を解決すれば、いびきも睡眠時無呼吸もほとんど解決することになるのです。

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胃を空にしていびき解消

いびきの音の大きさは、口呼吸+呼吸の強さ+組織の震えやすさ(喉の奥の狭さ)です。同じような生活でもいびきをかかない人は、口が開いてなければ音は聞こえ辛い+呼吸が弱ければ音が激しくならない+肥満がなく、顎も小さくなく、ノドチンコも小さいと、寝息の少し大きいくらいで済む人がいます。
この辺は体質の違いもあります。

口呼吸は、鼻呼吸運動やテーピングなどで癖をつけること。
呼吸の速さは、疲れたり、暑すぎない様にすること。

ブログを通して、組織の震えやすさの原因の一つと考えられる胃食道逆流症による気道の狭小化の対処法を伝えています。

また特に寝る前の食事(夕ご飯)には消化の良くないたんぱく質や脂肪の少ないものを腹八分目で食べることです。

いびきや睡眠時無呼吸症候群も、結局は生活習慣病ですね。寝る前にたんぱく質や脂肪の多いものをたくさん食べれば、肥満にもつながります。太っているからいびきが出るのではなく、いびきが出るような生活をしているから太るのです。


医学博士新谷弘実 公式サイト
http://www.drshinya.com/

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と胃食道逆流症(GERD)といびき

睡眠時無呼吸症候群の合併症として胃食道逆流症は40%以上とも言われています。睡眠外来系の説明では、「無呼吸症候群で喉が閉じ、呼吸をしようとして食道内が陰圧になり、胃の内容物が食道に吸いあがるため、胃食道逆流症をおこす。」とされています。

一般的に陰圧になって吸いあがるとしたら、先に気道から空気が入ってくるほうが自然と思われます。胃の先は閉じているので、吸気の力ではなく腹圧で押し出すのであれば胃の内容物が上がってきます。陰圧で、片や外気に続いた気道であるのに対して、もう片方が胃で気圧的には閉鎖されている状態では、閉じた側の胃から中身を吸い上げるのは容易ではありません。

無呼吸症候群の原因である気道の狭小が、喉の周りの組織が物理的に閉じてしまうこととするならば、成り立つことですが、私自身は、睡眠時無呼吸の原因が睡眠時の脱力による物理的な閉塞であれば、重症の無呼吸患者が気絶したら、そのまま窒息する事件が多発するだろうと思うので、基本的に単なる脱力による閉塞ではないと考えております。

実際には物理的な窒息は起こりえません。体の反応として狭小化が起こっているので、陰圧ということもありません。

胃食道逆流症は胃の入り口の噴門のゆるみと、胃の内容物が体を横にするには多すぎること。脂肪分や着るもの等の腹圧が強いことが原因で起こっています。

碧南市民病院診療部耳鼻咽喉科の論文です。

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―ランソプラゾール内服と睡眠内容の検討―

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi1954/52/2/52_145/_pdf

今回の検討は正常成人において潜在的に逆流した胃分泌物よりも、その中和機構が優位になった状態を作り出したと考えられる。その結果、上部気道に作用する要因が減少し、気道の狭窄にかかわるパラメーター を中心に睡眠の質に影響を与えたものと考えられた。下部食道括約筋の機能障害がGERDの症状発現には重要な因子であることは間違いないと考えるが、症状の抑制因子としての口腔咽頭機能の存在を改めて認識する結果となった。

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もちろん論文の中では、違う説明となっていますが、観察の結果は明らかに胃食道逆流症の治療が、睡眠時無呼吸症の症状を緩和しています。

胃食道逆流症を緩和すればいびきを緩和できる。いびきや睡眠時無呼吸症は、それ自体が病気なのではなく、風邪を引けば熱が出るのと同じ、胃食道逆流症による症状と見るほうが正しいものと考えています。

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