「安眠家具」カテゴリーアーカイブ

安眠家具といびき騒音対策

夕日のレーザービーム。

安眠家具といびき、騒音対策
うるさくて眠れない事って、当然いびきだけじゃないです。
実は音の大きさと、うるさいと感じる音の内容は別物です。

そのため、安眠に必要なのは、無音の環境よりは静かな生活音だそうです。ヒーリング音楽など心地よい眠りに誘う音楽や秋の虫の声なんて気持ちよく眠れそうですが、やはり聞きなれた音が、気にならない大きさで流れている音というのは安心を誘うようですね。まったく無音では逆に不安になるようです。
また生活音には脳が慣れて、徐々に気にならなくなるという作用もあるようです。
結構大きな音でテレビが鳴っていても、寝ている事ってよくあります。でもテレビを切って静かになったとたんに今までいびきかいて寝ていた旦那が「見てたのに何で消すんだよ」と文句を言ったりした経験ってないですか?電車や飛行機の中はかなりの騒音なのですが、脳の慣れで、案外寝ることができるのです。

脳は実際の音の大きさではなく、気持ちの集中具合で音の感じ方が違ってくるように修正をしています。
いびきが気になるとか、集合住宅の夜間の騒音の苦情を聞くと、実際の音以上に大きく感じていることがよくあります。例えば騒音の苦情を言いたくても、部屋の中でその音を録音すると、ほとんど音が拾えないにもかかわらず、被害者と思っている人にとっては我慢できない音だということが多いのです。

更にはミソフォニアという音嫌悪症の障害となっていることもあるため、実際の音よりもその背景などへの心理的な解決が必要な場合があります。

騒音対策は実は、いかに自分が納得するかが決め手となるのです。相手の音をふさごうとすると、気持の在り方によっては例え無音になっても幻聴が聞こえるぐらいに感じてしまい終わりがありません。

耳栓でふさいでしまうことは、無音環境を目指すことになり、逆に不安となりますし、目覚ましが聞こえないなどの問題もあります。
安眠家具による自分自身で作る快適な環境は、パーソナル空間の創出による満足のいく環境を、納得のいく形で作ることができるため、実際の音の低減以上に高い効果が期待できます。

安眠家具の防音効果を検証しています。

20dBの減少はかなりの違いになります。渋谷の雑踏の中から、静かな事務所に入ったくらいの差です。【リニューアル後のデータに改訂】

夫婦の寝室と言うプライベート空間の中に、さらにパーソナル空間を創出することで、夫婦のきずなをきちんと保ったうえで、一人になれる自由を持つ理想的な形となります。

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うるさいいびき、止まらない、止められない。でも大丈夫。  いびきを解決する唯一の方法。

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イビキを解決する「唯一」の方法

陽だまりのもみじ。ちょっとした陽だまりが心地よいです。お日様の恋しい季節。

イビキを解決する唯一の方法
安眠家具Sleep Laboは、いびきを解決する唯一の方法です。
いびきに悩んでいる方は、「とにかくいろいろ試したけど止められなかった」わけです。
口呼吸改善、横向き寝、のどちんこ切除手術、鼻中隔湾曲の手術、扁桃切除、サプリやまくらもいろいろ試したけれど、一時的に改善してもすぐに再発します。
まあ、基本的にアプローチが間違っているので、効かないのはわかりますね。
当たり前です。誰でも確実にいびきが止まる方法があれば、サプリだ枕だと、いろいろな商品がでません。

そうはいっても健康のために、いびきをかかないようにしたいという方は、「完全にいびきをコントロール」をどうぞ。いびきはコントロールできます。
コントロールできないのは、生活習慣のほうです。

ただ最終的に、胃の噴門が緩んでいれば止めることは難しい。さらに、猫が喉を鳴らすのと同じようにいびきもある意味の快感で鳴らしている可能性があります。そのように人が進化してきたということですね。その場合はいびきを根本で消す方法がありません。

それだからこそ、Sleep Laboは、いびきを解決する唯一の方法なのです。
止められないいびきは、閉じ込めればいいのです。うるさいいびきの音を防音壁で包んで、音を小さく気にならないようにしてしまいます。

なんだそんなことかと思うでしょう。
でも唯一ということは、こんな商品がほかにないからです。

「いびきがうるさいからほかの部屋で寝てくれ」これは解決ではないですね、家庭内別居です。

Sleep Laboであれば、同じ部屋で、ほかの部屋と同じ音になるわけです。

いびきの音源から1mの距離で、平均20dBの減音効果です。
渋谷の雑踏ほどの音が、静かなオフィスほどに低減します。

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いびきの対症療法は危険をともなう

三貫清水緑地の鎌倉街道。モミジを見るには少し遅くなってしまったかもしれませんが、まだまだ心地よい紅葉が楽しめます。
緑地だけで遊具などあるわけではないので、それほど人はいません。ゆっくり雰囲気を楽しめます。

風邪をひいた時にどうしますか?
昔は、医者に行っても解熱剤や抗生物質を処方して治そうという風潮が強かったと思いますが、現在はむしろ解熱剤は勧められないし、抗生物質は必要のある症状(細菌感染の併発がみられる場合)がなければ処方しない場合が多いようです。
理由は、風邪による発熱は免疫反応であり、むやみに解熱剤を使うとかえって症状が長引たり、脳炎などの副作用を起こすことがあるということが、わかってきたからです。

人間の体は医学が発達するはるか以前から、病気やケガを自然治癒してきました。様々な形質は長い時間をかけて遺伝的に獲得してきた機能を効率よく持っているのです。

ちょっと前まで体には有っても無くてもよい器官であり、病気をおこす原因となるので早めにとったほうがいいといわれていた扁桃腺や盲腸も、それまで知られていなかった機能が分かってきて、実は重要な器官であり、むやみにとってはいけないということが言われるようになってきました。

医療や医学が発達しても、人間の体というものは実はまだわかっていないことが多く、現代の生活に合わせると不具合と思うことが、実は大切な役目を持っていることが後になってわかってくるということは往々にしてあるのです。

ではここでやっと本題の「いびき」になります。
なぜ「いびき」をかくのかという質問に対しては、たいていは、寝ているときに筋肉が緩み、舌がのどの奥に下がっていき、気道を狭めているために、周辺の粘膜が振動する音という説明があります。
そこで「いびき」をかかないために、気道を広げるサプリや器具が登場するのです。

風邪をひいて熱が出るから熱を下げようというのと同じ理屈です。
風邪の場合は、免疫反応だからむやみに下げるのはよくないよと言われ始めていますが、「いびき」はどうでしょう。
免疫反応にあたる部分が分かっていません。気道が狭くなって音がするのは熱が出るというのと同じ理屈なのです。
確かに、肥満や鼻の病気などが「いびき」を誘発している事が経験上わかっていますので、ダイエットや鼻の治療を行うことは結果的に「いびき」を防止することにつながるとしても、必ずしもそうではない方法で「いびき」だけを止めることは、本来なぜ「いびき」をかいているのかの本質が分かっていないために、危険な発想だと思うのです。

「いびき」は、確かにうるさいし、本人も周りも含めて寝不足が生じたり、近所迷惑な場合さえありますので、ダイエットをする飲酒を控えるなどの対策は必要かもしれませんが、体に負担をかけて本来かいている「いびき」をかけなくすることには、疑問が残るのです。
医学博士の新谷弘実の説によれば、いびきは、生活習慣病の入り口である、胃食道逆流症による肺への異物混入を防ぐためのシステムであるとしたら、いびきだけを止めるとどういうことになるでしょう。
いびきを止めるには対症療法ではなく、根治でなければ危険でさえあります。胃食道逆流症の原因となる行為をやめればいいだけです。

サプリメントはどうでしょうか?いびきの原因に何かの栄養不足が影響しているという話は聞いたことがありません。栄養補助食品にその効果を求めるのは間違っています。

いびき防止の枕や、鼻につける器具はどうでしょうか?気道を広げる効果があるかもしれませんが、もともと体が必要だから気道を狭めているのに、それを広げることが正解でしょうか?短期的に効果があったとしても、たぶん体の気道を狭めようとする反応が進んで、いびきが再開するでしょう。おそらくマウスピースも同様だと思います。

口蓋垂(のどちんこ)切除手術はどうでしょうか?私は最も危険だと思っています。もともとの口蓋垂の機能がなくなることで、将来嚥下機能が弱ったときに、誤嚥性肺炎を起こす危険が相当に高まります。医療機関としてその責任は取れるのでしょうか?しかも、口蓋垂切除手術の結果いびきが消える可能性は低いうえ、一時的に減少しても根治していなければ再発はほぼ間違いありません。

CPAPはどうでしょうか?睡眠時無呼吸症候群患者のQOLが高まるとはいっても、50%が勝手にやめているという話も聞きます。しかも口呼吸していると効果がありません。やはり根治を目指さなければすべての対症療法に疑問が残るのです。

最後に、猫が喉を鳴らすのと同じようにいびきもある意味の快感で鳴らしている可能性があります。そのように人が進化してきたということですね。その場合はいびきを根本で消す方法がありません。

結局はいびきの解決には音を閉じ込めるしか方法が無いことになってしまいます。安眠家具が唯一の解決方法という事なのです。

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(論文紹介)いびきが気になる人ミソフォニア

この時期にこういう風景って、余計に寒く感じちゃう。
捨てられた人形っぽくて、暗い夜道で突然出会ったら、思わず声が出そう。

いびきが気になる人「ミソフォニア(音嫌悪症)」

https://rudder-coltd.jp/2017/03/01/misophonia/

いびきの音が気になって我慢がならないとか、人の咀嚼音がダメだとか、どうしても特定の音に嫌悪感を強く持ってしまう人がいます。こういう人にとっては「いびき」が凶器となりうるのです。いびきなんて本人がかきたくてかいているわけじゃないんだからどうしようもないじゃないかと、開き直る前に、その実態をよく見てみましょう。

イギリスニューキャッスル大学の神経科学研究所による研究発表がなされました。
「ミソフォニア(音嫌悪症)」と呼ばれる、特定の音に対し極端に嫌悪を示し、場合によっては神経症や不安、パニックを引き起こす症状の原因が、脳の構造にあるのかもしれないという報告です。
気になる音というのは、いびきだけではなく、くちゃくちゃ食べる音や、ズルズルと麺を吸い込む音だったり様々です。

これといった解消法はないのですが、ほかの雑音で気を紛らわすのが効果的だそうです。
長距離深夜バスの中でいびきとか寝息が気になっても、実は車の走行音のほうが大きいのです。それでも気になる音というのは耳についてしまうし、それが自分の気分を害していると思うだけで我慢できない大きさに聞こえます。
イヤホンの音を大きくするよりも、好きな映画やドラマなどの何度も聞いているセリフのシーンを少し小さい音で聞くようにすると、雑音に紛れるセリフに気持ちが集中するので、ほかの音を頭から追い出す効果があります。
ただラジオなどでは、聞こえづらい声を一生懸命聞こうとして、目がさえてしまいますので、映画などのよく知っているシーンで、聞こえづらくても脳が補える程度が寝るためにもいいのです。
集合住宅で、隣の音や上の階の音が気になるという方が多いのも、ミソフォニアの可能性があります。重症となると、ほかの人には聞こえない音まで、幻聴のように聞こえ、本人は非常に不快になります。場合によっては刑事事件に発展することがあります。
以下は英語論文を機械翻訳しているため、若干日本語が分かりづらいですが、ご紹介いたします。

URLより論文を参照願います。

いびきが気になる人「ミソフォニア(音嫌悪症)」

https://rudder-coltd.jp/2017/03/01/misophonia/

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(論文紹介)生活習慣病と睡眠障害

2025年の万国博覧会が大阪に決まったようです。1970年の開催から55年。その間には、1975年の沖縄海洋博。1985年のつくば科学博。1990年の国際花と緑の博覧会。2005年の愛知万博(愛・地球博)と、続いているのですが、やるたびに熱が薄れていたような気がするのは、私だけでしょうか。
次は東京オリンピックが終わって5年後。国民の期待はどのくらいなのでしょうね。

今日は、「生活習慣病と睡眠障害」といいう論文を紹介させていただきます。安眠家具で不眠症を改善させていく上で、不眠症の原因を調べていくと、身体的疾患が原因ということもあり、その身体的疾患が生活習慣病といわれるものが多いということが分かります。ストレスからの過食や、不規則な時間等、ストレスと生活習慣と食と睡眠。すべてが繋がりをもっており、悪化する要因にもなるし、逆に例えば睡眠一つでも良好にしていくことが全体の改善につながっていくことが分かります。

(第6回学術集会 2008.2)

生活習慣病と睡眠障害

筒井 末春
日本心身健康科学会 会畏
人闇怒合科学大学

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/4/2/4_2_69/_pdf

はじめに
睡眠障害の分類については今日、睡眠障害国際診断分類 (International Classification of Sleep Disorders; ICSD)に基づいて行われているが、疾患の数は多岐にわたっている。
これら睡眠障害を大別すると以下のごとく整理される。
第1は睡眠の量や質に問題のあるもので、不眠症や過眠症等が該当する。
第2は睡眠中もしくはこれに近接して生じる異常現象 (不随意運動も含む)を示すもので、レストレスレッグス症候群や各種睡眠随伴症等が含まれる。
第3は睡眠覚醒に直接影響する生体の概日リズムの異常で、概日リズム睡眠障害があげられる。
第4は身体・精神疾患に基づいて生じるものが知られている。
本稿ではこれら分類のうち第4に位置する身体疾患に基づいて生じる睡眠障害として、生活習慣病をとりあげて生活習慣病にみられる睡眠障害に関して行われている臨床的研究について概説する。

現代人の睡眠とその問題点

現代社会は24時間社会ともいわれ、人々の生活は都会ほど夜型化し就寝時刻が遅くなり、睡眠時間も短縮している。日本人全体の平均睡眠時間は約7時間といわれているが、これは40年前に比較して約1時間減少している。従って多くの人々が睡眠不足の状態で生活しているものと思われる。
また成人の約5人に1人が睡眠の問題をかかえていて、特に一般勤労者では20〜40%に不眠や睡眠の質の悪さを認めるとされている。
ところで睡眠不足は昼間の眠気や偽怠感、集中力の低下、不安など心身の症状を呈するだけでなく、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の誘因や増悪因子となり得る。
一方、高血圧や糖尿病では不眠が高率にみとめられ、不眠の原因疾患として考えられている。
また我が国で問題となっている自殺の背景にうつ病、うつ状態がひそんでいることが指摘されているなかで、これら心の病には不眠はほぼ必発とされ、今日では慢性化した不眠はうつ病発症の危険因子とされている”.

健康日本21からみた睡眠の課題”

平成12年 (2000年)から21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21) が推進されているが 平成15年 (2003年)3月には健康日本21に定められた睡眠に関する目標達成を促進することを目指して健康づくりのための睡眠指針が策定された。
本指針では成人を対象として睡眠の問題をとりあげ、「快適な睡眠のための7箇条」と名付けて生活習慣を改善することで、より良い睡眠が得られるように整理されている。以下にその項目を示す。
1) 快適な睡眠でいきいき健康生活
2) 睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眼のバロメーター
3) 快適な睡眠は自ら創り出す
4) 眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる
5) 目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン
6) 午後の眠気をやりすごす短い昼寝でリフレッシュ、昼寝をするなら午後3時前の20〜30分
7) 睡眠障害は専門家に相談
睡眠障害は体や心の病気のサインであることがある。
第1箇条では快適な睡眠で疲労回復・ストレス解消・事故防止がうたわれているが、一方睡眠に問題があると生活習慣病のリスクが上昇することも記載されている。

睡眠と食欲・耐糖能の関連

ラットを長時間断眠させると摂食量は増加するにも関わらず体重は減少して、2〜3週間後には体温調節が破綻し低体温をきたし死亡するに至る。人では健康成人を4日間連続して睡眠時間を4時間に短縮するだけで耐糖能の低下をきたす。睡眠時間の短縮は食欲や空腹感にも影響を及ぼし、それに関与する神経ペプチドとしてレプチンとグレリンがあげられる。
睡眠時間を4日間にわたり4時間に制限するだけで空腹感と食欲は1日中増加を示し、空腹のシグナルであるレプチンの減少がみとめられる。これらから短時間睡眠はレプチンの減少とグレリンの増加及び空腹感と食欲の冗進につながる可能性もあり、また睡眠不足により耐糖能も低下するため、その際睡眠不足の状態で過食におちいることがあれば高血糖を来す可能性もあるといえよう。
健常者を対象に平均睡眠時間8〜9時間から強制的に6晩にわたり睡眠時間を4時間以下にすると、睡眠不足によりインスリン拮抗ホルモンであるコルチゾール値が有意に増加し、交感神経活性亢進が認められインスリン分泌低下とは無関係に食後の血糖値の上昇が生ずることも知られている。

睡眠時間と糖尿病

Nilssonらは縦断的研究として6000人以上の中年男性を15年間にわたり追跡し、睡眠障害のあるものでは睡眠障害のないものに比較して、糖尿病発症の危険が1.5倍高まると報告している。
またGottlielらは一般人を対象とした日常の睡眠時間と糖尿病の大規模にわたる関係を検討し、睡眠時間が5時間以下の人は睡眠時間が7〜8時間の人に比較して、糖尿病発症の危険率が2.5倍に上昇するとしている。
Knutsonら(2006年)はⅡ型糖尿病を対象とした 横断的研究で、睡眠時間と睡眠の質がHbA1cの有用な予測因子であることを明らかにし、また睡眠時間と睡眠の質はⅡ型糖尿病のリスクだけでなく、その重症度にも関連性があるとしている。
本邦では川上ら(2006年)が日本人男性を対象に睡眠障害とⅡ型糖尿病の発症を8年間追跡し、睡眠障害のある人はない人に比較してⅡ型糖尿病を発症するリスクが2〜3倍高いとしている。
ここで臨床的立場から本邦において糖尿病患者における睡眠障害の実態についての最近の報告を概述する。
調査はWHO/WWPSH睡眠障害の診断と治療のためのキット (日本版)の不眠の自己評価表を用い、糖尿病患者158名とコントロール群205名について睡眠障害の実態調査が行われている。糖尿病患者ではコントロール群に比し明らかに不眠を訴える割合が2倍以上多く、患者の37%が何らかの頻回な不眠を経験しており、不眠のタイプ別では入眠困難19.5%、中途覚醒17.5%、早期覚醒18.2%で、入眠困難・早期覚醒に有意差が認められている (図1).

精尿病患者の睡眠障害とその関連因子についての検討では、HbA1cの値が上昇するにつれて入眠困難を訴える患者の頻度が段階的に増加し (図2)、糖尿病性神経障害による下肢の痛み、しびれ等の症状を有する患者で中途覚醒、早期覚醒を中心とした不眠を半数以上の高率に認めている (図3)。また糖尿病患者のうちで不眠のある者を無作為に2群に分け睡眠薬投与群と非投与群で比較したところ、投与群ではHbA1c が有意に減少し、非投与群ではむしろ増加する傾向がみられたという。

これらの成績は健常者での睡眠短縮による耐糖能低下とともに、糖尿病患者においても不眠や睡眠不足が 耐糖能に悪影響を及ぼしていると可能性も示唆されよう。
糖尿病患者の睡眠障害と関連する要因としては高血糖や神経障害以外にも不規則な生活習慣や不規則な勤務形態 (二交代ないし三交代勤務) に起因して睡眠障害があらわれることもある。
その他糖尿病の患者には、睡眠時無呼吸症候群が肥満との関連でもみられやすく、糖尿病で特に血糖コントロールの悪い例にうつ状態や不安障害が出現しやすく、これらが共存して睡眠障害を増悪したり修飾することもあり、一層の注意が必要となる。

睡眠障害と高血圧

健康成人を一晩断眠させると血圧は約10mm/Hg ほど上昇するされ、その上昇は圧受容体反射のセットポイントの変化による可能性が指摘されている。
また睡眠と血圧の関係ついて睡眠時間を残業などによる睡眠不足で平均3.6時間に限定して、血圧及び心拍数を睡眠時間が平均8時間の人と比較すると、睡眠不足の人では翌日の平均収縮期血圧、平均心拍数ともに有意に上昇するという。これらの結果は急性の断眠や睡眠不足が翌日の血圧上昇を招くということを示している。
さらに職場の定期健康診断の際のデータを利用し、睡眠障害の有無で高血圧の発症率にどの程度の差があるのかをみた前向き研究の報告がみられる。それによると入眠困難のあることで、高血圧発症の危険率は入眠困難のない人に比較して約2倍、中途覚醒では約 1.9倍に高まるとし、睡眠障害が年齢、アルコール摂取量、喫煙習慣、肥満やストレスと並んで高血圧発症の危険因子であるとしている。
このことから睡眠不足、睡眠障害はいずれも高血圧発症の危険因子である可能性が高いといえよう。

睡眠障害とうつ病

うつ病では高い頻度で睡眠障害がみとめられるが、その逆に睡眠障害からうつ病が生じる可能性についても論じられている。
米国のジョンス・ホプキンス大学医学部学生に対する長期間にわたる縦断的調査が知られ、これは1948年から1964年にかけて在籍した学生の在学中における睡眠習慣に関する調査をもとに、卒後5年おきに最長で45年間 (中央値34年) 追跡した1053名のうち、1993年時点での生存者は941名(平均年齢 62.6歳) で、101名がそれまでにうつ病の時期があり。 そのうち87名が抗うつ薬や専門的な治療を受け、さらに13名が自殺を完遂したとしている。
これに加えて詳しく解析すると、学生時代に睡眠障害もしくはストレスがかかった時の寝つきの悪さを訴えた者は、そのような訴えのなかった学生と比較して 卒業後に2倍近くうつ病に羅患したことも判明している。
これとは別に一般人口である時点で不眠を訴えた人は、そうでない人と比較して有意にうつ病になりやすいとする報告があり、それによれば7954人の一般住民を初回と1年後に面接して精神疾患の有無を調査した結果、初回と2回目ともに不眠を訴えている人は,そうでない人と比較してこの1年間に新たにうつ病に確患した比率が40倍近くに及んでいるとしている。

一方、高齢者のうつ病に関連する危険因子を一般住民を対象に検討したメタ解析によると (図4)、不眠は女性、身体障害、配偶者との死別、うつ病の既往とともに、高齢者にうつ病をもたらす明らかな危険因子であることが判明している。
日本人の一般人口を対象とした最近の疫学調査では、不眠症状のうち中途覚醒や早朝覚醒とうつ病との関連がよく知られているが、睡眠障害のパターンとして入眠困難が最も強くうつ症状と関連していることが明らかにされている。

生活習慣病と不眠の関連

ここで生活習慣病と不眠に関して本邦で最近行われた大規模調査について紹介する。
2004年12月にJR東海が有するオフィス勤務を主体とした勤労者モニターグループの会員 (年齢35〜 59歳) 7800名を対象に33項目にわたる質問を作成し、生活習慣病に関する情報や不眠に関する情報を収集し、現在の抑うつ状態に関する質問はM.I.N.I. (Mini International Neuropsychiatric Interview) を用い、睡眠の質及び昼間の眠気に関する質問項目としてピッツバーグ睡眠質問表及びエップワース眠気尺度を使用した。
解析対象は5747名、うち男性5230名、女性517名で平均年齢は43.8歳。男性44.1歳、女性41.4歳である。
過去2年間に健康診断で高血圧、高脂血症、糖尿病 (以下三疾患)のうち、少なくとも一つ以上に異常を指摘された人は2837名 (49.4%)。生活習慣病のない人は2910名 (50.6%) であった。生活習慣病の指摘を受けて通院治療しているのは721名(25.4%)、指摘を受けていながら放置しているものは2116名(74.6%) であった。
次に不眠で悩んだ経験のある群について生活習慣病の有無で比較すると (図5)、有病群で32.6%、ない群で26.2%で有病群での割合が高率であった。有病群のなかでも放置群での割合は33.3%で、治療群の 30.5%より高率でコントロール群と比較すると有意に高かった。
また三疾患で治療中の群においてもコントロール群と比較して不眠の割合が高く (6.0%) 有意差をみとめた。さらに三疾患で指摘を受け放置している群では不眠が47.3%に達し、約2人に1人の割合でみとめられた。

次にピッツバーグ睡眠質問表で5.5点以上の睡眠が障害されている人の割合は有病群で40.1%、コントロ ール群32.2%で有病群で高く、そのなかでも治療群より放置群で、また単独群よりも三疾患で治療群がより高く、特に放置群はコントロール群との間に有意差をみとめた (図6).
同時に施行したエップワース眠気尺度が11点以上の昼間の眠気が強い人の割合も同様な傾向がみられ、有病群で12.0%、コントロール群で10.3%で放置群ではいずれも有病群より昼間の眠気が高かった (図6)

生活習慣病、不眠と抑うつの関連

抑うつ状態をみとめる人の割合は、有病群で6.0% でコントロール群 (4.0%) より高かった。また治療群と放置群では治療群5.7%に対し放置群は6.1%を示し、三疾患で指摘を受け放置している場合は9.9% の高い率を示し、これはコントロール群の約25倍に相当した。
有効回答者全体で不眠経験のある人は、ない人に比較して抑うつ状態を有する割合が有意に高く、前者で 12.4%、後者は1.9%であった。
これを生活習慣病で治療中の人。生活習慣病の指摘を受け放置している人及び生活習慣病の指摘なしの人について、それぞれ不眠の経験の有無から抑うつの関連を調べると、いずれも不眠経験のある人はない人に比較して抑うつ状態を有する割合が有意に高く、特に治療群では10倍以上を示した (図7)

逆に抑うつ状態をみとめる人 (285名) は、みとめない人 (5462名) に比較して生活習慣病の有病率が高く (59.6%vs48.8%)、さらに不眠経験者の割合も高かった (73.3%vs27.3%)。また性差の面で検討すると女性勤労者は生活習慣病の有無やその治療の有無に拘わらず、男性勤労者に比較して睡眠の問題が深刻で抑うつ状態をみとめる割合も高くなる傾向がみとめられたという。

主治医とのコミュニケーション

不眠経験者 (1687名)で「かかりつけの主治医に睡眠の相談をしたことがありますか」という質問に対して「はい」と回答した人の割合は23.2%で、そのうち有病者で治療を受けている人 (220名) では 39.5%、放置している人 (704名) では20.6%と低率で、治療者と比較して有意に低率であった。
対象者 (5747名) に対してかかりつけの主治医に「眠れていますか」とたずねられた経験があるか否かについて検討すると (図8)、治療中 (721名)の人で問いかけのあったのが32.5%、放置群では23.9%で両群の間に有意差がみられ、放置群よりも有意に低率を示した。
従って生活習慣病を扱う医療機関の現場において、約7割の医師が睡眠に関する問診を実施していないわけで、今後睡眠の問題を積極的に把握する姿勢が強調されても良いものといえよう。

不眠症の対処

不眠経験者の「眠れないときの対処法」として最も多かったのは「何もしない」が43.5%で、次いで「寝酒をする」が29.5%、「医師に相談して睡眠薬を処方してもらう」が17.0%、「市販の睡眠改善薬を使用する」が7.3%であった (図9).
コントロール群及び放置群においてもほぼ同様な傾向がみとめられ、全体的に不眠への対処として主に寝酒に頼る傾向が示された。これらから不眠経験者の多くは、我が国においては自発的に医師に相談することも。また医師からも睡眠に関する問診を受けることも乏しいまま、無治療で放置するかあるいは自己判断で寝酒や市販薬に頼る場合が多く、処方薬による適切な治療を受けていない実態が明らかにされている。

ところで2002年に世界10ヶ国 (オーストリア、ベルギー、ブラジル、中国、日本、ドイツ、ポルトガル、スロバキア、南アフリカ、スペイン) で実施された国際睡眠調査をみると、不眠への対処として寝酒を選ぶ人の割合は日本が最も高く30.3%、最も低いのがオーストリアで9.8%、平均で19.4%であるとしている。我が国では一般に睡眠薬に対する依存症な どの偏見がみられ、眠れないと容易に寝酒に頼る傾向がみられ、それがかえってアルコール依存につながる場合もみられることから、不眠を放置することなく、医療機関に受診して正しく対処することが肝要といえよう。

今後の課題

これまで生活習慣病についての不眠及び抑うつとの関連からその実態を示し、生活習慣病を有する人は無い人に比較して不眠及び抑うつの割合が高く、治療群よりも放置群でその傾向が強く、逆に不眠及び抑うつの無い人よりも有る人が有意に生活習慣病率が高いことが判明した。
また不眠症経験者の多くは自ら医師に相談することも、医師から睡眠に関する問診を受けることもなく放置するか、あるいは自己判断で寝酒や市販薬に頼る場合が多く、睡眠薬による適切な治療を受けていない結果が得られている。
生活習慣病治療においては食事療法や運動療法の重要性が従来から指摘され実施されているが、生活習慣病は不眠や抑うつと密接に関連しており、食事療法。運動療法に加えて睡眠療法も1つの柱として重要であることを指摘したい。
睡眠が不足すると昼間の眠気が増しQOLが低下しやすい。さらに脳に満腹感を伝達するレプチン濃度が減少し、一方では空腹感を引き起こすグレリン濃度が増加し、その結果食欲が高まるとされている。
したがって睡眠が不足することで食事療法や運動療法にも支障をきたし、睡眠の十分な確保が生活習慣病には欠かせないと申せよう。
これらを踏まえて今後は生活習慣病における睡眠療法の効果を立証し、将来的にはその予防面にも研究が進んでいくことが期待される。心身の健康を考える際にも睡眠の問題はキーワードの一つとして捉えていくことはもちろんである。

引用•参考文献

1) American Sleep Disorders Association : The International Classification of Sleep Disorders : Diagnostic and Coding Manual, Rochester MIN, 1990.
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(論文紹介)不安と鬱の関係について

我が家の楓。紅葉というより枯れている感じ。素晴らしい紅葉を見せてくれる年もあれば、なんだか単に枯れているようなときもあります。何が違うのか、もう少し水分があるほうが良いのかもしれませんね。難しいです。

不安とうつの関係について

山崎 武彦

https://morioka.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3665&item_no=1&page_id=13&block_id=75

は じ め に

1970年代は不安の時代, 1980年代はうつの時代といわれてきたが, 1990年代は,さらに複雑化した時代ともいえよう。不安もうつも臨床的にはありふれた否定的な感情を示す症状である。

最近は臨床現場に軽いうつ病の患者が多くなっていることは多くの臨床家が認める現象であるが, この軽いということは,必ずしも予後がよいこと,治療効果をあげやすいことを意味していない。それは軽いと思われるうつ病が慢性化し,長期にわたることが珍しくないことからも分かることである。慢性化したうつ病は,その経過中に不安が少なくなり,かえって治療の手掛かりが得にくくなることからも, うつ症状と不安との関連を考慮する必要性が求められてくるといえよう。

うつ病の多くの例では,不安症状と抑うつ症状とが混在したり,不安から抑うつ症状へ発展したり,不安感が見られなかったりと,不安と抑うつとの関係は,臨床的にもかなり重要である。一般には,不安も抑うつも,片方の症状のケースの方が,混在しているケースよりも治療効果があげやすいといわれている。

この不安と抑うつ症状との関係に関する研究は,これまでもかなりみられ,広瀬がまとめて いる。それによると, ひとつには不安を中心とする症例と抑うつを中心とする症例との比較研究がある。ロス(Roth, M.)らは,感情病で入院した患者を,不安を中心とした症例と,抑うつを中心とした症例の二つのグループに分け, 症状などの分析を行ない, 二つのグループ間に有意な差があることを見いだし、不安と抑うつとの間の独立性, つまり不安と抑うつと の二元論を主張している。一方ウォーカー(Walker, L.) は不安神経症の予後を追跡して, うつ病のグループが相当数混じっていることを見いだし,不安と抑うつは同質のものである,つまり一元論を主張している。またブライアー(Breier, R.) は,恐慌性障害の患者を調ベ, うつ病圏の疾患と強い関わりがあることを指摘し,不安と抑うつ症状は一元のものであるという立場に立っている。

ふたつめに, 縦断的な研究がある。ときに最初は不安症状をもって発症した患者が,やがて抑うつ症状が主症状となる例がみうけられる。つまり時間の経過とともに不安から抑うつに症状が移っていく例である(逆に抑うつ症状から不安に変わっていく例はほとんどないといわれている)。ただこの類の症例は,不安と抑うつが時間的にかなり接近している場合は,混在していることも考えられるし,また長い経過の中で、不安から抑うつへ症状が変化していくかのようにみえながら,実際は別の独立した病気であることも予想され,明確に主症状が時間の流れの中で変わっていく症例は,臨床的には少ないとも考えられる。

三つめは、不安神経症の不安症状と,うつ病の抑うつ症状との関連をみていく研究があげられる。フロイト(Freud, S.)が, 現実神経症と性格神経症に分けて,不安神経症は前者であり, 幼児期からの葛藤が少ない神経症としているのはあまりにも有名である。また不安神経症が,経過の中で慢性化し,不安が少なくなって抑うつ症状が目についてくる症例も少なくないことは,多くの臨床家が経験していることである。一方ウォーカー (Walker, L) 13) は,不安はうつ病の症状であり得ることなどの理由から,誘因なく不安発作を示す一群をうつ病と見なしている。この一群はむしろ性格神経症に近く,病前性格との関連が大きいことを示唆していることはいうまでもないだろう。

いずれにせよ,これまでの幾つかの研究結果は,不安と抑うつは,独立した別種のものであるという結果から,反対に区別は不可能であり, 一元的に考えた方がよいという結果まで多種多様であり,一定していない。しかしこれらの研究はすべて不安や抑うつの内容や要因まで踏み込んでいないし,また対象は臨床的に問題を持った,いわゆる精神科患者に限られている。

そこで不安にせよ抑うつにせよ,健常者, つまり健康な範囲の不安と抑うつの関係の検討が 必要であることは論をまたないことであろう。 また不安や抑うつは,いろいろな性質を持っており,それらの内容を検討せずに二つの症状の関係を考察することは,詳細さにかけたあいまいな結果のままで終わることになると思われる。また前にも述べたが,不安研究の対象として, 臨床現場の症例からのみの結果は,ややもすると病的な不安,あるいは高い不安をもった人の検討に限られていて, 片手落ちとも考えられよう。

そういったことから,健常者を対象とし,また不安を水準別に検討することは意義のあることといえる。それによって,不安と抑うつの関係についての理解が深まり,臨床的に不安や抑うつ症状を持った患者に対する治療に役立つものと考えられる。

そこで今回は,不安と抑うつの関連性について, 青年期の健常者を対象として,

  1. 不安と抑うつの内容を取り上げ, 不安と抑うつの関連性について内容別に検討する。特に現在の状況からくる不安状態と性格特性からくる不安別に, 抑うつ性との関係をみること。
  2. 不安の水準別に,抑うつ性の内容との関係について検討を加えること。

にした。

なお対象として青年期の健常者を選んだのは,不安や抑うつを意識化しやすい時期である ことと,うつ親和的といわれている性格は, 青年期を中心に固まってくるという見方が優位なためである。

対象と方法

調査1.

対象は男子大学生 70 名(平均年齢 20.3歳), 女子大学生 70 名(平均年齢 20.2歳)。不安をみるには CAS(不安診断検査),および STAI (状態,特性不安検査)を使用し,また抑うつ性をみるには Y-G(矢田部ギルフォード検査)のD (抑うつ性尺度), および SDS(自己評価式抑うつ性尺度)を使用した。そしてそれぞれの各因子ごとに不安と抑うつ性との相関関係をみた。

CAS は,キャッテルおよび シャイアー (Cattel, R.B. & Scheier, I.H.)によって作成された Anxiety Scale を園原らが日本で標準化した不安検査で,その構成因子は,Q3-(自我統率力の欠如),C―(自我の弱さ), L(パラノイド傾向), O(罪悪感),Q4(衝動による緊迫感) からなっている。一方STAI は, スピールバーカー (Spielberker, C.D.) の「不安の特性,状態モデル」理論にもとづいて作成された Stait-Traits Anxiety Inventry を,水口らが日本で標準化した不安検査である。この検査は、一過性の現在の測定時での不安の程度を示す 「状態不安」と,不安になりやすい, 性格としての不安傾向を示す「特性不安」の2つの尺度からできている。

また Y-Gの抑うつ性尺度は,いうまでもなくギルフォード(Guilford, G.P.)の人格構成因子の一つである抑うつ性, D尺度にもとづいて矢田部らが構成したものである。SDS は, ツァ ン(Zung, W.W.K.) によって考案された抑うつ性をみるテストで, 現在の主感情, 生理的随伴症状, 心理的随伴症状を評価する検査で, 福田が日本で標準化しているものである。

調査 2.

対象は男子大学生 180 名(平均年齢 20.1歳) および女子 180 名(平均年齢 19.6歳)。不安をみるには,調査1で紹介した STAI を使用し各不安別に平均不安得点から2分の1標準偏差を加減して,それぞれ高不安群, 低不安群の二つのグループに分けた。状態不安では, 高不安群は男子 56 名,女子 48名となり,低不安群は男子 55 名,女子 57 名となった。一方特性不安では,高不安群は男子 55 名,女子 62 名となり,低不安群は男子 56 名,女子 64 名となった。

また抑うつ性をみるには,やはり調査1と同じく, Y-GのD尺度と SDS を使用し,STAIの状態不安,特性不安別に,高不安群, 低不安群に分けられた対象に対して,抑うつ性との関連を比較検討した。

結 果

調査 1. 不安とよくうつ性の関係

1) 男子の CAS とよくうつ性の関係

表1は CAS と Y-GのD尺度との関係を示している。T は CAS の全体得点を意味し,また編み掛のない数字は,統計的に有意な相関があることを示している(以下同じ)。

CAS の全体得点T と, Y-GのD尺度との間には, 649 とかなり高い相関関係(p<.001) がみられる。また CAS の各々の要因と Y-GのD尺度の関係をみると, CAS 全部の要因と Y-GのD尺度との間でそれぞれ統計的に有意な相関があるのがわかる。表2は,CAS と SDS の関係を表している。SDS のEは主感情, Ph は生理的随伴症状, Ps は心理的随伴症状, Tは合計得点を表している。また* は危険率5%, * * は 1%, *** は, 0.1%水準で有意な差があることを示している(以下同じ)。

CAS 全体とは,相関係数 .542 で, 0.1%水準で統計的に有意な相関を示しているが,各因子ごとにみると, SDS の Ph因子が特徴的である。つまり, CAS の全体, O, Qとは相関がないのが目につく結果となっている。他では,わずかにEが,Qとの間に相関がないだけで,他は CAS と SDS の各因子ごとに統計的に有意な相関がみられた。

次に CAS の因子と SDS の因子間の相関係数の違いに注目すると, CAS の Qでは E, Ph, Ps 間に危険率5%水準で違いがみられ, Ps は、E, Ph より統計的に危険率5%水準で有意に相関が高い結果となった。また CASのTにおいても同じくSDS の3因子間に5%水準で統計的に有意な差がみられ,特に Ps が Ph より危険率1%水準で有意に相関が高いことが目についた。

2) 女子の CAS とよくうつ性の関係

表3は女子の CAS と Y-G のD尺度との関係, 表4は CAS と SDS の関係を示している。それらから, CAS の Q と SDS の Ph尺度との間以外はすべて有意な相関があることがよみとれる。

次に CAS の因子と SDS の因子間の相関係数の違いをみてみると, CAS の各因子とも SDS の3つの因子間に統計的に有意な違いはみられなかった。つまり CAS の各因子とも, SDS の3因子間,つまりE, Ph, Ps とも同じ程度の相関があることを示している。


3) 男子の STAI とよくうつ性の関係

表5 は,不安尺度 STAI と Y-GのD尺度との関係を示しているが,状態不安Ⅰ, 特性不安 ⅡともD尺度とかなり高い相関(それぞれ p< .01, P<.001)がある結果となっている。一方表6 は, STAI と SDS との相関関係を表している。全体に高い相関がみられているが, Ⅱ と Ph間だけは相関がみられず, 注目される。

また CAS の各因子間の相関係数の違いは, ⅡにおいてもE,Ph,Ps間で統計的に危険率1%水準でみられ, E は Ph よりも,また Ps は Ph よりもそれぞれ危険率1%水準で統計的に有意に相関が高くなっている。

4) 女子の STAI とよくうつ性の関係

表7は,女子の SYAI と Y-GのD尺度との関係, 表8 は, STAI と SDS の関係を表している。そこからすべての要因でかなり高い有意な相関(最低でも統計的に危険率1%水準)があることがわかる。ただ STAI のⅠ,Ⅱ とも, SDSの因子間における有意な差はみられず、ほぼ同じ程度の相関関係であるといえよう。

調査2. 不安の水準とよくうつ性の関係

1) 男子の STAI の不安水準とY-GのD尺度の関係

STAI の状態不安(Ⅰ), 特性不安(Ⅱ) それぞれの高い群(H 群), 低い群(L群)別に, Y⁻GのD尺度との相関を示したのが表9である。 Ⅰでは、不安の高い群、低い群ともに統計的に有意な相関がなく,Ⅱでは高い群に危険率5% 水準で統計的に有意な相関がみられ, 低い群では有意な相関がみられなかった。

ⅠとⅡ の相関の程度を比較してみると, H 群, L群ともに有意な差がなかった。

 2) 女子の STAI の不安水準とY-GのD度の関係

Ⅰ,Ⅱ の高い群。低い群別に Y-GのD尺度との相関を表 10 に示した。まずIでは両群とも統計的に有意な相関が見られなかったが,逆にⅡでは両群とも統計的に危険率1%水準で有意な相関がみられた。ⅠとⅡ の比較では, H群では差がみられなかったが, L群では Ⅱ の方が 5%水準でIより有意に高い相関がみられた。

3) 男子の STAIの不安水準と SDS の関係

表 11 に示してあるように,Iでは, SDS の Ps においてH群, L群とも統計的に有意な相関 (p<.05)がみられ, Ph では H群に有意な相関(p<.01)がみられたのに対して,Eでは両群とも相関がなかった。一方Ⅱでは, Ⅰと同じく SDS の Ps において両群とも統計的に有意な相関(p<.01)がみられたが, Ph で逆にL群のみ に相関(p<.01)がみられ,Eでは両群ともみられなかった。

次にⅠ, Ⅱ 別に SDS の3因子の相関係数に目をむけてみる。Ⅰ では H 群, L群とも3因子の相関係数間に差がみられなかったのに対して, ⅡではL群の3因子間に統計的に有意な差(p< .05)がみられ, Ph, Ps ともEよりも5%水準で有意により高い相関がみられた。

ⅠとⅡ の相関係数の比較では,すべてにおいて統計的に有意な差はみられなかった。

4) 女子の STAI の不安水準と SDS の関係

表 12 から,Ⅰでは,わずかに,低い群の PS において統計的に有意な相関(p<.05)がみられたにすぎなかったのに対して, Ⅱでは逆に低い群のE以外は全て統計的に有意な相関が見られたのが特徴的であった。

これを SDS の3つの因子間で比較してみると, H群ではすべて差はみられなかったが, ⅡのL群において,3因子間に統計的に有意な差(p<.05)がみられ,特に Ps がEより危険率5% 水準で統計的により高い相関がみられた。また同じくⅡの H と L群を比較すると,EにおいてH群が危険率5%水準で統計的に有意により高い相関がみられた。

ⅠとⅡ の比較では, 男子と同じようにすべてにおいて統計的に有意な差はみられなかった。

考 察

調査1.

以上のような結果から,不安と抑うつのかなりの部分に有意な相関があり,不安と抑うつが深く関係している,つまり並存していることが分かる。しかし SDS の Ph, つまり生理的随伴症状にみられる抑うつにおいて幾つかの特徴がみられたので,まずそこを中心に考察してみたい。

男子青年の場合, 生理的随伴症状に伴う抑うつは, CAS の測定している罪悪感や衝動による緊迫感を中心とした不安感と独立した関係にある結果となっている。罪悪感は超自我の圧力によって生ずる不安の程度と解釈され,一方衝動による緊迫はイドの圧力によって生ずる不安の程度と言われている。したがって罪悪感や衝動の緊迫による不安は,現在の生理的, 身体的な不調に伴う抑うつ感とはあまり関係ないともいえよう。しかし逆にこれらの自我をめぐる不安は,現在の心理的な問題に伴う抑うつ感とは高い相関関係がみられるのは興味がもたれることである。

また SDS の生理的随伴症状としての抑うつは, STAI の状態不安との相関がみられ,特性不安とは相関がみられなかったことは, この生理的随伴症状としての抑うつ,つまり今の生理的, 身体的に不快な状態に伴ううつ感情は,今の不安と関係は深いが、性格からくる不安とは関係がないという,ある意味では当然のことを表しているといえよう。

一方女子では, SDS の生理的随伴症状としての抑うつは,わずかに CAS の衝動による緊迫とのみ有意な相関がなかっただけで, 男子と異なり, CAS 全体や罪悪感, さらに STAI の特性不安との間にも有意な相関がみられた。このことは、男子よりも女子の方が生理的, 身体的不調に伴う抑うつ感は不安と結びつきやすい, 特に超自我不安や特性不安との関係がより深いことを示しており,男子より性格的な面の影響を考えなくてはならないことを示唆している。このことは女子青年の一つの大きな特徴ともいえよう。

また女子の場合は,各不安の要因と,抑うつの因子との相関係数に目をやると,各因子間に有意な差がみられないことは、不安が生理的身体的症状ばかりでなく, 感情そのものの抑うつ感とも関係が深いことが分かる。

つまり男子は現在の身体的, 生理的な不調感から生ずる不安感は,今の環境からくる不安感と関係があるが, 性格特性からくる不安感とはあまり関係がないのに対して,女子の場合は,今の身体的, 生理的不安感とばかりでなく, 性格的な不安感とも関係が深いことが示される。それだけ女子の方が,もともと不安になりやすいばかりでなく,同時にうつにも支配されやすいことを示しているといえ,またそれらが身体化しやすいとも考えられる。

不安とうつとは、不可分な感情であるという一元論的な立場は、女子の場合により近く,逆に分離可能な感情であるという二元論的な立場は,むしろ男子に近い考え方ともいえなくもない。不安とうつとが分離して出現した方がそれぞれの治療がしやすいことを考えると,女子よりも男子の方が治療が容易であるともいえよう。

また不安やうつが身体化されると,精神的な面にとどまっているときよりも治療効果があげにくいともいわれているが,その点からも女子の方が治療効果があげにくいことが示唆されよう。

調査 2.

次に不安の高い群と低い群の幾つかの結果をみてみると,幾つかの特徴が浮かび上がってくる。

まず不安と Y-G のD尺度、つまり抑うつ性尺度との関連では,男女とも状態不安では不安の高低にかかわらず,不安とうつとは相関がない,つまりお互いに独立であるのに対して, 特性不安では、男子の不安の低い群は別にして,女子を中心にかなり関係が深いのが目につく。このことは, Y-Gのうつ尺度は,性格としての抑うつ性を表していることを考えると,当然の結果とも考えられる。しかし特に女子に,その傾向が大きいことはどういう意味があるのであろうか。やはり女子の方が,特性不安,つまり性格的に不安になりやすい人は,同時に性格的にうつになりやすい人が多いといえるのかもしれない。

SDS の主感情は、女子の特性不安の高いグループ以外とはすべて相関がみられていない。 このことは, 男子では今の不安も性格としての不安も,感情としての抑うつ性とはあまり関係 ないといえるが,一方女子では,性格としての不安は,やはり性格としての抑うつ性と関係があるといえ, 性格として不安を持ちやすい人ほどうつ感情に支配されやすいことを示している。つまり前にも述べたが, 不安と抑うつとを別のもの, 独立したものとは考えにくいことを示唆しているといえよう。また同じ女子の特性不安と主感情の関係において,不安が低い人は、必ずしも抑うつ性も少ないとはいえず, このところはさらなる検討が求められる。次に生理的随伴症状としての抑うつは、男子では,状態不安の高い群と特性不安の低い群とで有意な相関がみられ,一方女子では,特性不安の高い群と低い群とで有意な相関がみられており,状態不安とでは有意差はみられなかった。つまり男子では現在の不安が高い人ほど生理的, 身体的抑うつ症状とむすびつきやすく,性格的に不安になりにくい人ほど, 生理的, 身体的な抑うつ症状と縁が薄いことを表している。一方女子の場合は,現在の不安は性格的な不安に比べて,生理的、身体的抑うつ症状との関連・性は少ないこと,つまり逆にいえば、性格的に不安になりやすい人ほど生理的、身体的に抑うつ症状を呈しやすく,不安になりにくい性格の人ほど男子と同じく生理的, 身体的な抑うつ症状を呈しにくいといえる。換言すると,男子青年は,現在の不安の高さが、生理的, 身体的抑うつ症状とむすびつきやすく,他方女子青年は、性格として不安になりやすい面と,生理的, 身体的抑うつ症状が結びつきやすいといえる。

これらの諸結果は,調査1. の結果,つまり男子は今の不安と抑うつ症状と関係が深く,一方女子では性格としての不安と抑うつ症状とが関係が深いという結果とほぼ同じ傾向を示している。

男子青年は環境によって不安が生じ,身体的なうつ症状も伴いやすいと考えられるのに対して,女子青年の場合は,もともと不安になりやすく,かつ同時にうつ症状も発展させやすいことになる。そのことは,初老期うつ病に代表されるように, 男子は女子よりも将来, つまり成年, 壮年期にうつ症状に悩まされる人が多いのであるが,そのうつ症状は,環境の要因が強いと考える材料になる。しかしそれは成年, 壮年期のうつ病を内因性のものとする現在の精神医学の考え方と矛盾するものである。

次に心理的随伴症状としての抑うつは,男子では状態不安,特性不安の高低にかぎらず有意な相関がみられるが, 女子では状態不安の高い群において相関がみられない。このことからも女子の抑うつ感は、男子よりも性格としての不安と関係が深いことが示唆されよう。

STAI の状態不安,特性不安と SDS の抑うつ性因子の関係では,男女とも,特性不安の低い グループにおいて主感情が極端に対応関係がなかったこと。また男子に比べて女子では,特性不安の高いグループにおいて相関が大きいことが目についた。SDS の測定している抑うつは、現在の抑うつを測定しているといわれているが,全体的に不安の高いグループの女子においては,状態不安よりも特性不安との間に高い相関がみられ, 興味がつきない。

いずれにせよ,不安と抑うつとの関係は, 青年期後期の場合, 不安と生理的, 身体的症状に表れる抑うつとの関係に大きな特徴があるといえ,現在の青年にみられる身体的な種々の症状の裏に隠された抑うつや不安感の検討が重要になってくることはいうまでもない。臨床的には, 彼等の身体症状の背景となっている不安や抑うつ感への気づき,つまり言語化が治療へのキーワードとなろう。

要 約

  1. 否定的感情である不安と抑うつの関連について, これまでかなり検討され, ふたつの症状は別種のものであるという結果から,区別が不可能であるというものまであり一定していない。しかしいずれの研究も対象が臨床的に問題を持った人に限られており,また不安や抑うつの内容や深さなどについても何等検討されていない。
  2. そこで不安と抑うつの関連性について検討する一つの方法として,今回は,健常者を対象とし,

調査1. 不安の内容と抑うつの内容との関連性について

調査2. 不安の水準と抑うつの内容との関連性について

検討することにした。

  1. 対象は,調査1では,男子大学生 70 名,女子大学生 70名。不安をみるには CAS(不安診断検査), および STAI(状態,特性不安検査)を使用し,抑うつ性をみるには, Y-Gの抑うつ性尺度,および SDS(自己評価式抑うつ性尺度)を使用した。調査2では,不安をみるには STAI を使用し,不安得点によって高不安群と低不安群に分けた。また抑うつ性をみるには,調査1と同じく, Y-GのD尺度と SDS を使用した。
  2. 調査1からは,不安と抑うつとの間にはかなりの相関がみられ, 不安と抑うつが深く関係している,つまり並存していることと, また SDS の生理的随伴症状にみられる抑うつにおいて, 幾つかの部分が不安と独立した関係にあることが判明した。
  3. 調査2からは,男子青年は,状態不安の高いひとは、生理的、身体的抑うつを生じやすく,特性不安の低い人は、生理的、身体的な抑うつとは縁がないのに対して,女子では,状態不安 と抑うつ症状とは関係が少なく,特性不安の高い人は,生理的、身体的抑うつを呈しやすく、逆に特性不安の低い人は、男子と同じく生理的, 身体的な抑うつ症状をあまり出さないことがわかった。
  4. これらの諸結果について,現在の青年に見られる身体的な種々の症状の裏に隠された不安感や抑うつ感の関連とその意味について,特に男女間の違いに焦点を絞って考察を加えた。

なおこの研究の一部は日本心理学会第 57 回大会, および東北心理学会第47回大会において 発表した。

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12) 対馬ゆき子, CAS の日本語版標準化について、日本教育心理学研究, 11 (2) 22~33 1963 13) Walker, L. The prognosis for affective illness with overanxiety. J. Neurol Neurosurg Psychiat. 22 338~341 1959

14) Zung, W.W.K. A Self Depression Scale.Arch. Gen. Psychiat, 12 63~70 1965

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(論文紹介)補完代替医療としての笑い

空がきれいに割れて、雲の段の間から日が差しています。
低い雨雲と、上空の雲の段ができているのでしょうか。面白い風景です。今日は少し肌寒い。だんだんと冬が近づいている気がします。

(論文紹介)補完代替医療としての笑い
いびきや安眠を調べていて、睡眠とは、脳の排泄機能ではないかという考え方があります。
不眠症は言ってみれば脳の便秘だということですね。
出したいのに出ない便秘の苦しさと、眠いのに眠れない不眠の苦しさは確かに似ている気がします。
便秘の解消には水溶性食物繊維を取るとか、腸内フローラを整えるとかいろいろと解消方法が言われますが、脳にとっての食物繊維って何だろうと考えると、幸福ホルモンといわれるセロトニン分泌を促すこと。セロトニンを増やす方法について笑いが有効というところに目を向けてみました。
昔から笑いには健康効果がある事は言われてきています。
笑うから健康なのか、不健康な人は笑いが減るからそう感じるのか、意外と真面目な学会論文がなかったこの効果に関して、論文がありましたので、紹介いたします。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/4/2/4_2_51/_pdf

日本補完代替医療学会誌 第 4 巻 第 2 号 2007 年 6月:51–57
【総 説】

補完代替医療としての笑い
The Laughter Therapy
高 柳 和 江*
Kazue TAKAYANAGI*
日本医科大学医療管理学教室

【要 旨】
医学文献では笑いについての科学的研究が少ないが, 人間のコミュニケーションには大切である.補完代替医療では,笑いは特筆された存在である.上手に使うと,状態を軽くして,患者家族,介護者そして医療提供者との間の連携を強くするが,ブラックユーモアな どは,時に鬱の患者さんに,反対の効果をもたらす可能性もあるリスクの高い戦略である.
多くの患者さんは苦しみを抱えていて,笑おうと思っても笑う状況にない.補完代替医療での笑いとはこういう人たちが本当に心から笑えるような場と空気を提供し笑いをひきだすことで精神的・身体的効果を得ることにある.
I.総説で笑いの中枢と回路,笑いと表情,笑いによるからだの動き,笑いの発達段階などを俯瞰した後,II.具体的な補完代替医療として,病気の軽快を目的とした試みや方法を述べ,III.現場での取り組みとして,著者が行っている笑い療法士について紹介する.
【キーワード】
笑い,NK細胞,幸せ感,笑い療法士,パッチ・アダムス,癒しの環境研究会
I. 笑いについての総説

補完代替医療では,笑いは特筆された存在である.笑いの効果における科学についての論文は少ないが,笑いは昔から百薬の長とされ,笑い関連の話題も多い.医学領域以外の笑いについて総説的に記述し,具体的な笑いの補完代替医療の医学的側面,および現状などについて,論述してみたい.
補完代替医療における笑いとは,自己治癒力を高める 療法である.

1. 笑いの中枢と回路
笑いをつかさどる中枢には大脳新皮質,辺縁系,視床 下部の 3 つがある(図 1).

笑いの回路には二つの独立したものが存在する.先天的で情動的な笑いを担う回路では,古い脳である前帯状回と扁桃体が中心的役割を果たす.後天的で認知的な笑いを担う回路では,意志の中枢である大脳皮質の前頭前野が指令を発し,緊張緩和としての笑いになる.笑いの出力回路は,最終的に脳幹に至るが,その途中で,小脳が介在して,笑い発現を状況にあわせて微調整している.

2. 笑いと表情
母親の表情が複雑で豊かなほうが,6 か月以降の乳児の笑顔の発達は,良い反応が出てよい笑顔に育つ1).一般に,ほとんどのポジティブな表情はシンメトリーに右左両方の顔にあらわれる.顔の対称性と利き腕の機能とは関係ないというが,人間は顔の片側だけで表情を表すことができる2).ポジティブな表情を片側だけに表すのは男性のみであるが,ネガティブの表情は男女関係なく,左側であらわされる2).
口の一端だけが笑い,あとの顔の部分が笑っていないものを引きつり笑いという.また,口角下制筋と口輪筋をつかって,口角を上げるときに,唇の真ん中だけをと がらせるという高等テクニックができる.これは,ゆがんだお世辞信号の一つである固い笑いだ3).以下に笑いと関係する表情筋をあげる.
1)大頬骨筋
この筋肉が収縮すると口角を斜め上外側に引き上げ,笑い顔に特有な口の形を作る.口輪筋が哺乳の際乳首を吸いつく働きをするが,そのあとで,乳汁を吸い取るときに大頬骨筋が働く.
2)眼輪筋
目を閉じる内側の筋肉と眼裂を細くし,目じりにしわを寄せる外側の筋肉があり,快や緊張緩和のときに働く.
3)皺眉筋
鼻の付け根から両側にやや上向きに走り,眉間のたて皺を作る.目の上のひさしで,まぶしさをさえぎるのが本来の役目だが,眼の笑いを抑制して,苦笑いなどのメッセージ性を加える.
4)口角下制筋
口の笑いを抑制する.
5)口輪筋
口をすぼめて前に突き出す.
6)眼球
人間は他の霊長類と異なって,白眼という特殊な顔面要素がある.つまり,視線,特に,一瞥をしっかり見立たせる笑いの強調の役目をする4).凝視には,視線を外すものと,視線を向けるもの二つがある.視線を向けるのは,愛,敵意,恐れという積極的な感情を示し,視線をそらすのは,恥じらい,さりげなく示す高慢さ,しおらしい服従を示す4).

3. 笑いによるからだの動き
人間は,非日常を感じると,驚きという反応をする.肩をあげ,深く息を吸い,腹筋を動かし胸を張り腰をそらすという全身運動を行う.この全身を大きく見せて,口を大きく開けるという態勢は,威嚇の動作にもつながる.愛と敵意は相反する感情であるが,笑いも威嚇と同じ行動を示す.
この後で,安心した時は,腰を曲げて,全身で息を吐き,笑いになる.安心できなかったときに怒りになる.笑いと怒りは表裏一体である.精神障害者に正面を向いて凝視すると敵意と受け取られる可能性がある.
笑うと頬の表情筋が頻繁に動き,顔面静脈が伸縮し, 脳から心臓へ戻る血流が増加する.笑っている時は激しく横隔膜を上下させるため腹筋が運動し,全身運動になる.
脳が興奮し酸素を消費すると,脳細胞への酸素の供給量が不足し,脳の働きが低下する.そこで笑いによって新鮮な血液を脳へ送る.脳細胞へ栄養供給が増え,情動をつかさどる右脳が笑いで活性化され,ストレスで左脳を使う人にとって,リラックス効果があると考えられる.
笑った後は,集中しやすく記憶力もアップできる.怒りや恐怖を感じたときなどの異常な事態の時に交感神経は優位になり,その状態が長く続くとストレスの原因になる.コルチゾールが高まり,免疫力が低下する.血圧も高くなる.
脇を触られるくすぐり笑いは脇の内側にある心臓,肺などの内臓を守るために,筋肉が緊張する.この時,全身の筋肉に力が入り緊張する.脇を触られると心拍数が上昇し急激にストレス状態になり,ストレスを和らげようと笑いが起こると考えられている.これをくすぐり笑いといい,酸素摂取量は,有酸素運動並みに多い.
1)副腎ホルモンが変化
笑いにより酸素が増えるとコルチゾールの分泌が減り,ストレスが鎮まる.単純笑いよりもゲームによる積極的な笑いのほうが効果が大きい5).
2)セロトニン神経の活性化
脳幹の縫線核から出た神経からセロトニンという神経伝達物質が放出される.人間の攻撃性と関連があり元気になる.これは覚醒時に持続的な放出があり,睡眠時に発射が抑制される6).呼吸,咀嚼,歩行などのリズム運動を行うことによっても,放出が増強される.不足状態では,うつ病,パニック障害,摂食障害になるなど,心の疾患と密接な関係がある.
3)副交感神経優位
笑いで副交感神経優位になると,安らぎ・安心感を感じた状態になりストレスが解消される7).
4)血糖値が下がる
血糖値はストレスによって上昇するが,笑いには,インシュリンを分泌する遺伝子作用に働いて,血糖を正常化させる作用もある8).
5)脳内麻薬物質の放出
笑いによって自然な幸福を感じさせる化学物質脳内モルヒネであるエンドルフィンやドーパミンを血液中に大量に分泌させる9).
6)免疫能が高まる
自律神経の頻繁な切り替えによる脳への刺激により,神経ペプチド(免疫機能活性化ホルモン)が全身に分泌される.NK 細胞には神経ペプチドの受容体があり,NK細胞は活性化される10).
著者の実験では,高圧酸素室にいれた大学生 10 人と笑いのビデオを見た大学生 10 人を比較すると,前者(コントロール群)はうつ傾向,緊張,疲労,混乱,が高まり11),活動性は落ちた.お墓に入ったみたいな長い時間だった,二度といやだという感想であった.後者は(笑い群)は心理テストもまったく逆の結果である.おわったの?もう一回?いいよと,あっけらかんとしていた.後者の NK細胞活性は有意に高まっていた(図 2).

4. 笑いの発達段階
1)自然微笑
新生児微笑は産まれたばかりの赤ん坊が眠っている間に微笑する現象で本能的なものである.親子のコミュニケーションを活性化する.赤ん坊の姿とそれを好ましく思う親の認知特性,つまり親に奉仕させ子どもの生存率を高める行動は Care Eliciting Behavior のひとつである.自然の生き残り戦略の上で,遺伝子に組み込まれた仕組みらしい.3 カ月で消失するが,6 カ月まで,565 回の自然微笑と 15 回の声出し笑いが観察された例もある12).
2)受動的笑い
自発的に起こる自然なもので嬉しさの表現である.親の顔の視覚情報が脳の情動中枢である大脳辺縁系に到達し,続いて,大脳基底核に中継される.大脳基底核は脳の高次の皮質とそれよりも進化的に古い視床との間に位置するいくつかのニューロン集団である.この基底核が自然な微笑を生み出すのに必要な顔面筋の一連の活動をまとめる.この事象のカスケードはいったん作動すると瞬く間に完了し,思考をつかさどる皮質が関与する余地は無い.
人の脳には相手の感情を読み取るミラーニューロンがある.これが働くと,つられ笑いが起こる.共感するミラーニューロンである.脳の前頭葉にある神経細胞は,人の表情,声から感情を読み取り,同じ感情になるよう命令を出している.つられ笑いやもらい泣きが起こる.
親の微笑みかけという介入で,微笑み返す.親が使う赤ちゃん言葉は親にとっては退行現象であるが,こどもは言葉を聞き取る能力を発揮する.3 ヶ月を過ぎると,おいしい食事にありついたとほっとしたとき,おもわずこぼれる微笑なども受動的な笑いだ.快の笑いとも言う13).
ただし,笑顔を見ても,笑いを拒否する行動をとる時もある.大人は目をそらすか,敵意の目線を返す.親が笑いながら目をみつめても,機嫌が悪い乳児は意図的に首を曲げて目をそらす.本人はミルクがのみたいとか抱いてくれとか,問題が解決されるまでは,笑いたくないという意思を示す.
3)能動的笑い
笑おうとする意思があって,積極的に介入を取り入れる笑いである.漫画,落語,映画,本など,能動的に笑えるもので,意思の力が入る.社交上の笑い,前頭葉の笑い,さらに,達成感のある霊的な笑いをも含む11,13).
4)信号としての笑い
①笑いの発現時間,持続時間
笑いで顔の表情がかわるスピード,笑いの発現時間は,本人が感覚を探す能力に反映しており,また,個人的なスタイルと関係する1).典型的な笑いは,十分な強さがあり,消えるまでに時間がかかる.ちらっと浮かび,すぐに別の無表情な顔に変わり,笑いが直ちに消える断片的笑いもある.セロトニンをだす機能とも関係するらしい.
②信号としての強さ
ぎこちない,またはあいまいな表情は不足信号としての笑いである.
③作り笑い
人間は完全な作り笑いをすることができる.舞台俳優は,笑いと言う信号を強調して 30 メートル以上離れたところに,伝えるという不自然な課題をこなすことができる.
5)病的な笑い
笑うべき刺激でない時に,笑い発作がおこるコントロールできない笑いと,脅迫笑いという病的なものがある14).小脳と橋核の笑いの中枢の異常と,笑いの出力を調節する神経回路に異常がある 2 つの場合がある.

II. 具体的な補完代替医療
1. 病気
アメリカのノーマン・カズンズは,強直性脊椎炎にかかったが「笑い療法」とビタミン C の大量投与を行い,1 週間ほどで症状が改善し始め,半年でもとの編集長職に復帰した15).
1)病気の軽快,治癒
笑いが,がん,心筋梗塞,アトピー,リウマチなどの膠原病等にも好影響を及ぼしていることが報告されてい る.リウマチ患者に落語を聞かせると,リウマチ悪化因子が減り,関節の痛みも和らいだ7).ノーマン・カズンズも 10 分間腹を抱えて笑うと,少なくとも 2 時間は痛みを感じずに眠れたという15).
悪性腫瘍の自然治癒は,神経芽細胞腫で有名であるが,笑いや前向きな生き方で消化器がん,悪性リンパ腫での自然治癒もまれに報告されている.
2)苦痛の軽減
妊娠,出産,出産後の親のケアなど,抗がん剤治療でも緩和ケアでも医療に笑いとユーモアが有効である16–19).ユーモアは患者の痛みをとり,医療者の人間的なところを見せ,すべての人の協力をもたらす.患者がユーモアを使うと医師との診察が軽い気持ちになり,医療者が使うと,日常が楽しくなる20).
3)幸せ感
パッチ・アダムスは認知症で怒り顔の人も,アルツハイマーで能面の顔をした人でも笑いで笑顔に変えた(図3)21).
教育の分野においては,ユーモアをより多く用いる人と創造的思考の間には統計的に有意で正の相関関係がある2).前向き思考と幸福感を授業の前後に考えさせる教育をおこなったイタリア人の思春期の子供では,適応が良く自己効力感が高まった22).
ビジネスの分野でも笑いのストレス管理で従業員の血圧が下がり,パフォーマンスに好影響を与えているとの報告がある23,24).
身体的健康とユーモアとは関係がある25).健康とユーモアのセンスの関係を図るには,もっと研究が必要である.
2. 方法
1)受動的
①お笑いの本,小説,マンガ,映画
自分は笑えるといういくつかの本や映画を見つけておく.または,お笑い芸人の芸をみる.
②環境
患者がかるい気持ちになる面白い小説,本,DVD,映画を満載してある笑い車を病院ロビーに置くことは簡単である20).ま た,マサチューセッツ総合病院の The Kenneth B. Schwartz Center では患者に希望を与え,介護者をサポートして,癒しのプロセスを助けるところとして寄付され,回診では患者の精神的な問題もとりあげる26).
2)能動的
①積極的に笑い顔をして笑い声を出す.
笑顔を無理にでも作り,笑い声を出す.俳優は劇の中で笑うことができる.このときに,セロトニンが増える.
②肉体運動
運動やゲームなどは肉体的な達成感も伴い,笑える5). くすぐりと,全身笑いに移行して肉体運動にもなり,セロトニンも高まり,副交感神経優位になるなど身体的な変化が起こる.
③笑いを創り出す
窮地に立ったときこそ,自分から周囲に笑いを呼び込むことができる.笑いのネタ本で本当に笑えるのは,3分の 1 もない3).相手を錯覚させる方法,同じ内容の順番を変えるだけで悲劇を喜劇にする方法,マクロとミクロを反転させる方法など,思いがけないオチをつけるテクニックがある3).ただし,笑いならなんでもいいわけではない.患者さんや病気のこと,個人攻撃,自虐ネタなどは痛みを増やす笑いである27).
④達成感
目標を決め,努力して達成感が得られたら,笑える.スポーツ選手の笑いや選挙当選者の笑いでよく遭遇する小さな目標から大目標まで,いろいろ決めておくとよい.

III. 現場での取り組み
1. 笑い療法士
多くの患者さんは苦しみを抱えていて,笑おうと思っても笑う状況にない.補完代替医療ではこういう人たちが本当に心から笑えるような場と空気を提供する笑える環境というのが必要だ.私は癒しの環境として五つの項目をあげている27).「安全」「リラックス」「(医療の)質 がよいこと」「元気になること」,および「生きがい」がそれであるが,これは笑いでも同じことである.人間としての権利が守られていることを実感して,安全だと感じることではじめて人は笑える.ほっとしてほほえみ,だんだん,げらげら笑って,元気になっていくことができる.
筆者が代表世話人を勤める癒しの環境研究会では笑い療法士評価認定委員会(委員長:中島英雄・中央群馬脳神経外科病院理事長・噺家桂前治)を立ち上げ笑い療法士を育てている28).「笑い療法士」とは,笑いをもって患者の自己治癒力を高めることをサポートする人のことである.患者さんに,よりそい,心をひらいて笑いを感染させるのが笑い療法士である.笑いは,人が幸せに生きることを支え,また病気の予防にもつながっていく.そうした笑いをひきだすのが「笑い療法士」だ.健康な人,笑いたい人が笑おうと待ち構えているところで笑わせる「お笑い」とは違う.したがって,笑い療法士は場所を選ばず,とくにグッズやパフォーマンスを必要としない.医療・福祉関係者のほか,患者さん,家族や一般の方などで「その人がいるだけで空気が変わる,社会が楽しくなる人」も対象である.人間の心をしっかり持っている人,そして患者さんに寄り添える人,というのが笑い療法士の条件である.応募者が多く,候補者になるには書類審査で 9.3 倍の狭き門である.候補者は患者心理学や脳の解剖,笑いの医学的基礎や患者心理など 2 日間にわたるトレーニングと講習を受け,その後のフォローアップと呼ばれる約 2–3 か月の実績を見て 3 級に認定した(図 4).
「療法士」というタイトルを認定するという 社会的責任から水準を高めるための継続研修も行っている.この笑い療法士は社会の広い層から大きな反響を呼び,新聞にも大きく報道され,取材も殺到した.
2005 年 10 月 23 日から,2007 年 2 月まで第 3 回の認定を行い,209 人の笑い療法士が誕生した.認定された人の職業は医師 26 名,看護師 43 名,医療福祉 30 名,コ・メディカル 16 名,一般人 95 名である.病院理事長,大学教授,お坊さん,落語家から全くの市井の人,患者さんなどのさまざまな職種がいる.年齢も 19 歳から 84 歳まで広がっている.
笑い療法士 3 級の有効期間は 3 年間で,その間の活動ぶりを評価して,その結果に応じて更新が行なわれる.今後は豊富な経験と実績が必要とされる 2 級笑い療法士,患者から呼ばれてプロとしてお金を払ってもらえる笑い療法士 1 級の認定になる.認定を受けた人は,笑い療法士の名称を用いて,さらにまわりの人々に笑いを広 げる.医療や福祉の現場に「自己治癒力を高める笑い」を広げるムーブメントを起こし,その中心人物として活躍することが求められる.
笑い療法士とは,「患者を尊敬し,患者の心に寄り添って,笑いを感染させる人々」である.医師でも患者さんでも笑い療法士は,常に笑い療法士の状態であり,今から笑い療法をします,というものでもない.患者さんがよくなることで生きがいにもなっている.癒しの環境研究会では今後,「1 日 5 回笑って,1 日 5 回感動する」というテーマを掲げて笑い療法士の周知や地位向上をさらに進めていく予定である.
2. ホスピタルクラウン
欧米ではホスピタルクラウンといって,一般人がボランティアでクラウンの格好をして患者を元気にするシステムがある29).英国では医師がクラウンの格好をするドクタークラウンもいる30).米国では,ドクタークラウンとしてパッチ・アダムスが有名で映画で日本でもおなじみである31).日本でも,ホスピタルクラウンのボランティアをする団体がいくつか出てきた.主に子供たちに元気を与える試みがなされている.
3. 笑い療法の効果
がん患者で笑い療法士になった人は,普段は,包丁で刺されるみたいな痛みが笑いでまったく痛くなかった.終わってから,痛みが戻ってきたという.腫瘍マーカーが笑いで下がったと報告してきた人もいる.
88 歳の A 子さんは,大学病院の結果は胃体中部小弯側に 3 cm 大の 2 型(限局性潰瘍形成型)分化型腺癌で SS層まで達しており進行胃癌と診断されたが,本人の手術拒否で,経過観察をした.笑い療法士の開業医が顔面表情筋の体操,彼女の目を見ての傾聴,毎回だじゃれ等を中心とした話題,日々感動してもらうなどをしたところ,1 年 7 ヵ月後食欲も貧血も改善傾向となり,内視鏡検査を行なったところ,萎縮性胃炎に変化していたという.

まとめ
ユーモアや笑いはその場の空気を変える道具として使える.ユーモアは患者と医療提供者の両方にとって孤独を和らげる.上手に使うと,状態を軽くして,患者家族,介護者そして医療提供者との間の連携を強くする.ブラックユーモアなど時に反対の効果をもたらす可能性もあるリスクの高い戦略である.医学文献では笑いについての研究がほとんどない.医師の診察や看護師の経験を通して,ユーモアの役割をレビューすべきである.人間のコミュニケーションにはユーモアや笑いは大切であり,医療者は日常にもっと用いるべきである20).
笑い療法士が国家資格に認定され,日本中で 100 人に1 人が笑い療法士になると,日本の国も明るくなることだろう.
青森県では,青い森笑いプロジェクトも 2007 年からスタートした.いじめ,虐待,自殺防止のために,県民 2万人にほほえみをする人々を養成するプロジェクトだ.国の科学研究費で「エビデンスのある患者自己治癒力向上―量的(HSP 免疫など)と質的評価を指標として」というタイトルで筆者の笑いの研究が認められた.笑いに科学の光がはいるとともに,全国の医療現場や家庭で本当の笑いのムーブメントが広がることを願っている.

参 考 文 献
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ABSTRACT
The Laughter Therapy
Kazue TAKAYANAGI
The Department of Health Policy and Management at Nippon Medical School
There are few scientific papers about the effectiveness of the laughter of the patients, even laughter is essential to human com- munication. Cultural values of people acknowledge laughter as good medicine, although the black humor is sometimes risky strat- egy for the depressed patient. The most patient has his own serious problem which prevent him to laugh. Laughter in complementary and alternative medicine means to offer the atmosphere and environment where depressed patient can be educated smile and laugher to improve psycho-physiological status.
Current review of laughter was done and grouped into three main themes: (1) medical aspect of laughter, (2) laughter as one of the alternative medicine, which relieve stress, care and heal the patient and (3) the laughing therapist who enhancing laughing to the patients suffered from mental status. There are some supported paper of a connection between sense of humor and self- reported physical health. More research is required to determine interrelationships between sense of humor and well-being. This study contribute the value and significance of laughter to support people in their learning journey.
Key words: Laughter, therapist, healing environment

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(論文紹介)鬱病の認知行動療法

我が家の伊予柑。やっと黄色くなってきたので、どのくらい実がついているのかが分かってきました。ざっくり50個くらい収穫できそうです。楽しみ!

本日は「鬱病の認知行動療法の実際」という論文をご紹介させていただきます。当社の安眠家具については、不眠に対する認知行動療法に対する環境提供として推奨しています。うつ病と不眠症は別物ですが、どこかいとこ同士のような病気です。何かのヒントがあるかもしれないと思います。

うつ病の認知行動療法の実際

清水 馨*/鈴木伸一* *

抄録: うつ病は最もよくある精神医学的な状態であり,本邦においても,一生のうちに, 6.7%の人が患うといわれるほど, 珍しくない病気の1つである.また,近年では, うつ病性障害は自殺の原因・動機の 27.6%を占めており,就労者の自殺の約7割がうつ病だといわれていることからも,厚生労働省における自殺対策において,うつ病対策がその取り組みの中核となっている.本稿では,2010年4月の診療報酬の改定で,認知行動療法(CBT)がうつ病治療において保険点数化されたことに伴い, うつ病治療における CBT の近年の動向を示すとともに,実施にあたっての具体的な内容とその適応のポイントについて, 概観した。

Key words: うつ病,認知行動療法、再発予防, 復職支援

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/51/12/51_KJ00007628986/_pdf/-char/ja

はじめに

うつ病は最もよくある精神医学的な状態である.ヨーロッパ6カ国における約 14,000人を調査した疫学データでは,過去半年間に何らかのうつを経験した人は 17%, うち 6.9%が大うつ病, 1.8%が軽症うつであるといわれ, これらの数字は,米国やカナダにおいてもほぼ同等の結果であることがわかっている.また,本邦においても, うつ病は一生のうちに, 6.7%の人が患うといわれており, うつ病性障害は自殺の原因・動機の27.6%を占めていることや, 就労者の自殺の約7割がうつ病だといわれていることからも,厚生労働省における自殺対策において, うつ病対策がその取り組みの中核となっている。

本稿では, うつ病治療における認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)の具体的な内容とその適応, さらに,治療効果や再発予防を目的とした CBT の効果について,近年の動向を踏まえて述べることとする。

近年のうつ病治療とその動向

1.うつ病治療と CBT

近年, 気分障害に関して国内外をはじめ数多くの治療ガイドラインが活用されるようになっており, 中でも, 英国の National Institute for Clinical Excelence (NICE)ガイドライン)における大うつ病性障害のガイドラインでは, うつ病の重症度により,段階的治療が推奨されており, CBT がうつ病治療における主要な精神療法 として位置づけられている.また,本邦においては, 2010年4月の診療報酬の改定で, CBT がうつ病治療において保険点数化された。

うつ病治療としての CBT の効果検討の実際としては, CBT と統合失調症,大うつ病性障害,双極性障害の治療効果,再発率の程度をそれぞれ比較検討した研究がある、その結果、統合失調症では,エフェクトサイズおよび治療効果ともに有意な結果は得られなかったが(-0.08 [95%CI: -0.23~0.08] p>0.05), 大うつ病性障害においては,エフェクトサイズは小さいながらも,有意な治療効果が認められ(-0.28 [95%CI: -0.45~-0.12]p<0.001),さらに,再発の低減に効果があることが指摘されている (オッズ比 = 0.53 [95%CI:0.40~0.71] p< 0.001).また,再発・再燃の低減効果に関しては, Vitteng] らの研究が参考になる. Vittengl らは,うつ病の急性期治療および持続期治療における CBT の再燃・再発効果について検討している.その結果,急性期治療において CBT の治療効果が現れた患者のうち,全体の約39%の患者が平均 74週目で再発する可能性が示されたが、再発の可能性は薬物療法単体治療よりも 低く,さらに,急性期後の持続期にて CBT を実施することによって,さらにうつ病の再発・再燃率を低下させる可能性があることが示されている.また,持続期に CBT を実施すること によって,薬物療法などの他の治療よりも,再発率は有意に低くなり,持続期の治療終了時では,他の治療法よりも,再発率が約12%減少し, フォローアップ期でも約 14%減少することが指摘されている.さらに, Ekers らによるメタ分析の結果では、行動療法の視点から, CBT との治療効果の検討を行っており,治療後の症状レベルにおいて,認知行動療法, 行動療法ともに,統制群および, その他の精神療法(例えば、ブリーフセラピー, 支持的心理療法)よりも治療効果が高い, ということが指摘されている (Table 1).

また,近年注目されている, インターネットベースの CBT においても, うつ病の治療効果が認められつつある.コンピュータやインターネットを介した CBT は,統制群よりも治療効果が高く,さらに専門家の関与があるほどその治療効果が高いことが,メタ分析によって明らかになっている. まだ知見は少ないものの, コンピュータやインターネットを介したうつ病の CBT 治療の有効性が期待されている。

さらに, 本邦における CBT の効果に関しては,厚生労働省のマニュアルをもとに, 16 週間にわたる個人 CBT を実施し,その効果を検討している。その結果,参加者すべての治療後 の BDI-II 得点が有意に低下し, QIDS-Jだけでなく, HAM-D といった客観的指標においても, 得点が有意に低下したことが示されている(Table 2), 本邦においては,今後はより大規模な RCT 研究を行い,知見を積み重ねることが課題となっている。

うつ病の CBT の実際

本邦では,2010年4月の診療報酬の改定により, うつ病の CBT が保険点数化され, 治療者マニュアルおよび, 患者向け資料が作成された. 治療は,対面式の面接が中心で, 1回 30分以上の面接時間をもち,最低でも 16~20 回のセッション(6段階)を続けることで,より十分な効果が得られること,さらには,症状の改善を定着させ、再発を予防することが示されている.セッションは、目的に応じて, 6段階に分けられており(Table 3), 各セッションの始まりには,各回で取り上げる議題(アジェンダ) について,患者と話し合う時間を設けている.

これにより,患者の治療目標や現段階の治療の見通しを確認することができ,何よりも患者と協力して双方的に治療を行う姿勢を示すことが可能となる。それでは,各ステージの目的に沿って CBT を構成する主要な構成要素についてポイントを整理していく。

 1.治療関係の構築とうつ病および CBT の心理教育(ステージ1)

CBT にかかわらず、治療が始まる際には,患者とのラポール形成が重要となる.患者の困り感, 話したいこと, こちらで協力できそうなことを十分に聴取してから, CBT の枠組みや、うつ病の回復過程などていねいに説明することが重要である。

うつ病の心理教育,さらに, CBT の流れや仕組みについては,現在の患者の状況を聞きながら,自身の生活に支障が出てきている部分に対して,うつ病の影響が現われている可能性をていねいに説明する. うつ病患者は,しばしば。 否定的に考えてしまうという「マイナス思考」そのものが自己であるととらえている場合が多い、そのため,現在のつらい状況を引き起こしているのは,自分自身のせいではなく, うつ病の症状によって引き起こされているものであることを伝え, うつ病に特有な考え方や行動パターンを理解したうえで, その治療法として、CBT が効果的であることを伝えることが重要となる。

2.治療目標の明確化と活動記録表の活用(ステージ2)

CBT は,心理教育とセルフモニタリングを基盤とした自己学習型の精神療法であることから, セッションを通じて何に取り組むかといった目標の明確化が重要となる.一方, “目標” と言われると,「病気になる前の自分」と比較して, うつ病の症状そのものをすべて取り除きたい,といった目標や, 自分以外の周囲の者を変化させることで変わる目標を設定するケースもある。前述のように, CBT は,自己学習型の精神療法であることから,目標設定のポイントとしては,自分でコントロール可能な目標であること,さらには,具体的で現実的な目標であるかをきちんと話し合う必要がある.また,自分が主体で変わっていくことを実感してもらうために,身の回りの出来事や考え方,気分がそれぞれ双方向に関連していることを示し,実際にセルフモニタリングなどを用いて実感してもらうことも重要である.さらに,生活リズムの立て直しを目的に, 活動スケジュールの作成やセルフモニタリングが活用できる. うつ状態では, 興味関心の低下や無力感などによって活動が抑制されやすく,「症状ありき」の生活に陥りがちだが, 自分の調子に見合った行動を実際にすることで,回復のきっかけをつかむことが重要となる.そのために, 1日の大まかな活動計画を立て, その遂行を記録し,そのときの状況や気分をセルフモニタリングさせる.また, 調子が悪くてもできそうな課題から実施し,自発的な行動の遂行と達成感の経験を促進できるようなかかわりが重要である。

3.出来事・自動思考・気分・行動の把握(ステージ3)

ここからは,主にコラム表を用いて,出来事と自らの気分, 考え(自動思考)がどのように関連しているのかを検討していく、ここでの取り組みは,認知再構成法にも通じている.認知再構成法は, うつ病に特有の「マイナス思考」を「プラス思考」に転換していくという単純な技法ではなく, 思考の柔軟性と多様性を取り戻すための援助を行っていく技法である. 治療者がよく陥りやすい誤りとして,患者の否定的な考え方を指摘して,望ましい考え方を提案し, その考えを実行するように働きかけてしまうことがあるが、「マイナス思考」が悪いのではなく, その思考から離れられず、悪循環になっていることが問題だととらえる.また, マイナス思考から離れられず、悪循環に陥りやすい状況は,うつ病の特徴でもあることを再度伝え,そのうえで, どのように考えることが自分自身を楽にすることができそうかを一緒に検討していくことが大切である。

4.適応的思考の検討,問題解決療法(ステージ4・5)

ステージ3で実施したコラム表をもとに, 自動思考を裏づける客観的な根拠を見つけ出し, さらに,自分を楽にできるような適応的思考(反証)を検討する. 自動思考を裏づける根拠は、主観的な思い込みや解釈は避け、できるだけ観察可能な客観的事実を書き出すように求め,自動思考に認知の偏りが現れていないか気づかせるきっかけづくりができるようにする. 根拠が見つけにくい場合には,自動思考が浮かんだ状況について,今一度振り返ってみると気づきやすい、それでもなお,記述が難しい場合や, 自動思考に矛盾することがない場合には,問題解決療法の枠組みに則り,行動課題にシフトすることも有効である。

問題解決療法は,①問題の明確化,②解決方法の探索, ③解決方法の吟味(長所と短所の検討), ④実行, ⑤遂行結果の評価, といった5 つの段階からなっており,このプロセスに沿って,患者自身が感じているストレスに対応していくことで,問題解決を促進させていく治療法である.特に, うつ病の発症にかかわっていたと考えられる状況や苦手な場面などについては,状況や相手, 問題の内容などを明確にすること,さらに, 解決方法の吟味に関しては, これまで行ってきた対処などを振り返りながら, 改めて解決方法を吟味し,実施するまでのスモールステップをていねいに話し合いながら, トレーニングを行っていくことが重要である。

また,問題を解決するために, 行動を細分化し、実際に動いた結果の心身の変化を実感することによって,悪循環となっていた考え方に新たな気づきが得られる場合もあるため, コラム表がなかなか進まない場合に,内容をシフトすることも大切である。

5.終結と再発予防(ステージ6)

治療の終盤に向けて, これまで身につけたことや変化した点をまとめる作業を行う.また,再度、うつ病の回復過程を説明し,これからも一時的にうつ状態が逆戻りする可能性があるこ と, しかし,状態が悪化しすぎないスキルを今回の治療で身につけられたことを伝え, 治療終了後も,引き続き,身につけたスキルを使っていくことを推奨することが重要である.また,繰り返し述べるが, CBT は自己学習型の精神療法である.したがって,気分や状況が改善したのは,患者自身が考え方や行動を変化させた結果であることを繰り返し強調することで,今後同じような状況に陥りそうになったとしても, 大丈夫だと思えることが大切である.それらを「踏まえて,今後, うつ症状が悪化しそうになったときに、どう対処するのかをあらかじめ書き出したりして,再発予防に備えることが重要である。

その他の認知行動療法とその効果

次に,近年うつ病の改善や再発予防に向けて 効果があるとされている, 治療技法とその効果についても概観していく。

1.行動活性化療法

行動活性化療法は, 比較的古くからある, うつ病に対する行動的なアプローチである.行動, 活性化療法は, うつ病になることで正の強化を受ける機会が減少することから,正の強化を受ける機会を増やすように快活動を増やすことや, 正の強化を受けられるような社会的スキルを身につける包括的な治療プログラムが作成されている。

具体的には,面接などを通して,患者の生活している状況での行動を気分とともに, 活動記録表などを用いて記入し,機能分析をしながら,活動スケジュールを立て,行動を活性化する手続きをとる.これらのねらいとしては,「やる気がないと行動できない」といった,症状あり きの生活ではなく,外面的な行動上の変化によっても,内面的な気分や考えなどの変化が生じることに気づけることが重要であり,気分に依存せずに,自分の生活の中で価値を置いている行動を行えるようになることを目指している。

行動活性化における治療効果は, Jacobsonらの研究によって明らかにされており,認知療法の要因分析によって, 行動活性化,認知再構成, フルパッケージの認知療法の3群で比較したところ,3群間の効果は,治療直後、半年後のフォローアップともに差が認められず, さらに,2年後のフォローアップにおいては,認知療法が行動活性化よりも優れているという結果は得られなかった15). さらに, メタ分析の結果では,行動活性化は対照群と比較して,治療効果が高く, CBTやその他の心理療法と比較しても,その効果に遜色ないことが示されている

2.マインドフルネス認知療法

マインドフルネス認知療法(Mindfulnessbased Cognitive Therapy : MBCT)は,特にうつ病の再発予防に焦点を当てて開発された治療法である

MBCT は, うつ病の再発予防のスキルを学ぶことができるようにデザインされた, 集団ベースのスキルトレーニングプログラムである。

MBCT は,身体的感覚, うつ病の再発に関連する思考や感情への気づきを学ばせたり,それらの経験を関連づけさせることを目的としている. これは, うつ病の再発に悪い影響を与えたり, うつ症状を維持させてしまうような思考、感情, 行動(例えば,自己非難的思考回避) の自動的なモードの回復と関連していることが示されている理論的, 実証的ワークに基づいている.参加者は,意図的にモードを変えることによって,それらの“自動的な案内”モードを認識し,それらのモードから脱却し,健康的な方向へと反応することを学ぶ。それらのモードとは、否定的な思考、感情からの脱中心化, 自己憐憫のスタンスを用いることの難しさを受け入れること,体験に触れたり変えたりすることへの身体的な気づきを活用すること,である。

プログラムの後半では、患者は再発の早期警告サインに気づいたときに,反応するための方略を計画する“活動計画”を作成する。

治療効果としては, Teasdale らが通常治療群と MBCT 群とで再発・再燃率の低減につい て検討している.その結果, MBCT 群は,大うつ病を3回以上発症した経験のある患者の場合 (対象者の約77%), 通常治療群よりも有意に再燃率を低下させたことが示されている.また,研究期間の 60 週間で、 通常治療群の患者は 66%の再燃率を示したが, MBCT群の患者の再燃率は37%であり,その差は有意であった(p<0.05). これらの結果から, MBCT は,抑うつ的な思考パターンが活性化し、自動的な再燃プロセスを繰り返している再発患者にとって有効な治療法だと考えられている。

3.対人関係療法

対人関係の調整に特に焦点化した治療法の1 つに対人関係療法(Interpersonal Therapy: IPT)がある. IPT は, うつ病に対する短期精神療法として CBT とともにスタートし, エビデンス・ベイストの双壁として, CBT に似ているといわれることも多い. CBT が患者の非機能的な認知や行動に働きかけるのに対し, IPT は, 日常的に維持することが難しい対人関係や, 解決が困難になっている対人関係に焦点を当て, 感情と対人関係につながりがあることを理解し,気づくことが主な臨床課題となっている。

また,一般的に CBT が強い感情を伴う「熱い(hot)認知」に焦点を当てるのに対し, IPT は認知そのものには焦点を当てず, 感情や気持ちに直接焦点を当てている.また, IPT の焦点はあくまでも対人関係にあり,感情を指標にしながら,対人行動やコミュニケーションのパターンをみつけ, 4つの問題領域(悲哀, 対人関係上の役割をめぐる不和, 役割の変化, 対人関係の欠如)の枠組みを用いており,この点も特異的な戦略となっている. IPT は,よりうつ病が重度の場合に用いられ, 薬物療法との併用によって,再発リスクが低いことが示されている。

4.集団 CBT

うつ病治療に対して,高強度の心理社会的介入の1つとして, 集団 CBT (Cognitive Behavioral Group Therapy : CBGT)がある. Oei らは,うつ病性障害における CBGT の系統的レビューにおいて,その効果を示しており, 個人CBT と CBGT では,その治療効果に差はみられないことが明らかになっている.また,費用対効果のうえでも, CBGT がうつ病治療にとって最良の精神療法であることが示されている。また,本邦においても, CBGT の効果は検討されつつある. 例えば,田上らによって,2008年に開発された, クリニックにおける CBGT においては、5~6名程度の大うつ病性障害の患者を対象に,全10回の CBGT を実施し,その介入効果を検討したところ, BDI 得点の有意な低減。 さらに, 自動思考における「将来否定」,「自己非難」の得点が有意に低減し,「肯定的思考」 得点が有意に増加しており, CBGT 終了後の3 カ月後フォローアップ時にも,その効果は維持されていた、さらに, CBGT を用いた復職支援プログラムも近年活発に行われ,その効果が示されつつある. CBGT は,集団という点から患者間のモデリングや, 相互のフィードバックなど, プログラム内の参加者の相互作用が生まれやすい。つまり,職場復帰に向けて対人交流をもつという意味でも,休職者にとっては, 集団という治療形態が有効な方法であると考えられる.ただし,いずれにしても,対照群を設けた CBGT の治療効果の研究はまだ数少なく, CBGT の実践が十分になされていない状況であることも指摘されている. うつ病性障害対策の重要性と CBGT の効果を考えると,今後いっそうの発展が望まれる。

おわりに

CBT は,国際的には実証された治療法として推奨されているが,本邦では実施機関そのものが少なく,患者のニーズに応えられているとはいいがたい.また,治療パッケージとそのマニュアルが整備されつつあるが,治療パッケージがあれば、すぐに患者に適応できるというわけでもない。そのため, 患者の病態や特性に合わせて最適化していくために, 患者を注意深く観察することや, 描く技法のめざしている本質的なねらいを咀嚼し,実践していく必要があるだろう。

文献

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26)鈴木伸一, 岡本泰昌, 松永美希:うつ病の集団認知行動療法実践マニュアル, 日本評論社,2011

27) 秋山 剛, 岡崎 渉, 田島美幸:うつ病からの復帰復職を目指して一総合病院精神科における取り組み, 精神科 11:454-459, 2007

28) 伊藤雅之, 本田知之, 森 豊和, 他:「うつ病」による病休・休職者の復職をめぐる精神医学 的諸問題一服飾デイケアの可能性、臨床精神医学 35:1079-7083, 2006

29) 中島美鈴, 稗田道成, 島田俊夫:集団認知行動療法の比較対象試験による効果検討(1). 精神科治療学 24:851-858, 2009

30) 松永美希, 鈴木伸一, 岡本泰昌, 他:うつ病に対する集団 CBT の展望、精神科治療学 22: 1081-1091, 2007

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自殺とうつ病と睡眠

自衛隊駐屯地内のイチョウ。少しだけ黄色く紅葉しています。黄色いのに紅葉というのもおかしな言葉ですね。我が家のもみじは紅葉というより少し枯れています。

日本人の自殺者は昭和30年第40年代の高度経済成長時代に最も低く、その後徐々に増加しました。ピークは2003年。1998年から2011年の14年間は3万人以上の自殺者が出ています。その後徐々に減少しています。自殺原因として多いのは、10代20代の学校問題を別にすれば、家庭問題や、経済・生活問題を抑え、健康問題が高い比率となっています。
健康問題のうち身体の病気、うつ病、統合失調症が上位を占めるのですが、うつ病と睡眠に関する論文を紹介させていただきます。

会社設立の発端ともなった、ストレス社会への警鐘として、名古屋工業大学大学院産業戦略工学専攻 粥川 裕平教授 の論文がありましたのでご紹介いたします。一般社団法人日本損害保険協会の「予防時報」という雑誌への掲載のようです。学会論文などではないので、要約せず図など一部見づらい部分の修正を行って紹介させていただきます。

http://www.sonpo.or.jp/news/publish/safety/dizaster/yobou_jihou/pdf/ybja/ybja-228.pdf

論文掲載の2007年時点では、日本の自殺者数33,093人10万人当たり25.9人と高いレベルであったのですが、2015年時点では自殺者数24,025人10万人当たり18.9人となり、自殺率が20を切るまでに減少しています。しかしながらOECD(経済協力開発機構)は、平均12.4人に比べ明らかに高く、要注意と勧告しています。

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2007 予防時報228

自殺とうつ病と睡眠
粥川 裕平*

*かゆかわ ゆうへい/名古屋工業大学大学院産業戦略工学専攻 教授/名古屋工業大学保健センター センター長

1.はじめに
自殺が社会問題となっている。自殺の要因はさまざまだが、精神疾患とりわけ「うつ病」との関連が注目されている。そしてそのうつ病患者には、かなりの確率で睡眠障害が見られる。
そこで、自殺とうつ病と睡眠障害の関係を解説し、睡眠時間と労働環境の視点を交えながら、日本における自殺問題を考察する。

2.日本における自殺問題

1)自殺者数の推移
世界の人口65 億人のうち毎年100 万人が自殺している。世界の人口の1/50 を占める日本人は、世界の自殺者の1/30 を占めている。過去最悪となった1999 年は33,048 人が自ら命を絶ち、人口10 万人あたりで示す自殺率は26.1 人になった。
警察庁の統計によれば、1978 年から1997 年まで、自殺者数はだいたい2万人台の前半で推移していた。しかし、特にバブル崩壊後自殺者は急増し、1998 年には一挙に前年比1.35 倍の32,863 人に達した。年代では19 歳以下と50 歳代の増加率が、他の年代の増加率を上回っている。動機別で見ると、経済・生活問題と勤務問題の増加率が高い。

2)不況との関係
日本の戦後の自殺者の増加は、いずれも不況を契機にしている。完全失業率と自殺率の年次推移を見ると、男性で明らかな相関があることがわかる(図1)。倒産やリストラで職を失う人も少なくないが、無職の男性では、職に就いている男性よりも自殺のリスクが5倍以上高い。失業心理学研究によれば3年以上持続する失業は、確実に生き甲斐を奪い、自殺のリスクを高める。
しかし国際的に見ると、失業率の高さと自殺率が必ずしも比例するわけではない。失業補償がセーフティネットとなって、自殺率の減少に成功している国もある。自殺予防を、医療・保健対策の枠内だけで位置づけていては限界もある。

図1 失業率と自殺(日本)

3)自殺は止められる
世界保健機関(WHO)が2002 年にまとめた99カ国の自殺率を見ると、旧ソ連諸国が上位を占めているが、日本はG7(先進7か国)各国では2位フランスに大きく差をつけての1位となっている。
国別の自殺予防では、フィンランドでは自殺率20%減を目標に掲げ、1992 ~ 96 年に医療関係者の教育や市民への啓発活動などの自殺予防策が実施された。その結果、実施前と比較して9%減らすことに成功した(最悪期との比較では20%の減少)。スウェーデンでは1993 年に自殺と心の病気に関する国立センターを設置し、啓蒙・普及活動を行っている。その結果、1990 年から2000 年の間に男性の自殺率は、10 万人あたり25 人から20人に下がった。
こうした経験に学び、日本でも自殺予防対策が始まってはいるものの、まだまだ不十分である。日本の持つ社会的な背景を考慮した、自殺予防対策を実施しなければならない。

3.自殺とうつ病の関係
うつ病の社会的および経済的損失は、高血圧、糖尿病などの慢性疾患を遥かにしのぐ甚大なものとして、世界銀行もいち早く注目し、1990 年からうつ病の発病率を報告している。もちろんうつ病に罹患すると、自己評価が著しく低下するので絶望感に支配され、自殺念慮をしばしば伴う。
ここでは、うつ病について自殺との関係や特徴について考える。

1)自殺との関係
精神疾患で自殺の危険性が高いものは、統合失調症、アルコール依存症、そしてうつ病で、この3つの疾患の自殺完遂率は、いずれも10%を越える。精神疾患そのものに自殺親和性があるという一面も否定できない。さらに、精神疾患を長期に患うことによる失職、生活の不安定、経済的不安などの社会的ハンディが、ますます生きづらくし、それを促進している点に着目しなくてはいけない。
精神疾患の中でも、生涯罹患率が約5人に1 人と最も高いうつ病は、自殺との関連が特に注目される。うつ病に罹患すると、それまでの普通の社会生活が営めなくなり、その結果、自信喪失に陥ることに注目しなくてはいけない。先進国においては、うつ病の発症頻度の増加によって、生産性の低下、休業補償、そして自殺者の増大という巨大な社会的損失に直面している。
うつ病は完治する疾患なので、その正しい治療がなされることと、そもそもうつ病にならないようにする対策が求められる。そしてそのことが、自殺予防にも直結していることに留意すべきである。

2)うつ病の特徴
うつ病とは、気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安、焦燥、精神活動の低下などの精神症状、食欲低下や不眠といった身体症状などを特徴とする、精神疾患である。かつては、うつ病は心の病といわれたが、今日では、うつ病は「脳と精神と身体の全身性疾患」という捉え方が提唱されている。
うつ病の原因は、ほかの疾病と同様、個体と環境の相互作用によるが、素因よりは、環境要因、特にストレスの強度が大きな要因として考えられている。うつ病発症のストレス要因としては、納期の迫った知的労働、長時間の頭脳労働といった業務起因性ストレス、失恋、離婚、死別、失職、定年等の喪失体験といったライフイベントが主なものである。
うつ病の診断は、「気分が憂うつですぐれない」「興味や関心が薄れて楽しめない」「疲れやすい」という3つの症状のうち2つが、2週間以上持続する場合になされる。
重症度によって異なるが、精神症状としては主に、抑うつ気分、気分の日内変動、悲哀、絶望感、不安、焦燥、苦悶感、自殺観念、自殺企図、心気妄想、罪業妄想等があり、抑制症状と呼ばれる行動の変化が顕れることもある。
身体症状としては、睡眠障害(特に早朝に目覚め、寝付くことが出来ない例が多いとされる)、過眠、食欲不振、過食、全身の倦怠感、疲労感、吐き気や腹痛、過呼吸症候群、頻脈や心悸亢進、頻尿、口渇、発汗、眩暈、便秘、インポテンツ、性行為時の絶頂感喪失、月経不順などの自律神経や内分泌系の症状が顕れる。
身体症状の自覚が目立ち、抑うつ状態などの精神症状の自覚が目立たない状態のうつ病の患者には、自らがうつ病であるとの意識がないため、精神科ではなく内科等を受診し、その結果原因がうつ病であると発見されないことが多い。事実自殺完遂者の90%は、その1か月以内に身体的不調で内科などの身体科を受診していたと報告されている。

3)うつ病の治療と復職
うつ病の治療の基本は、必ず完全に回復する病であることを繰り返し患者に伝え、回復不能感、絶望感から自殺に至ることのないようにメッセージを送り続けることである。回復に要する時間は、短くても3か月、平均で1 年はかかることを最初に告げることも重要である。
治療の基本は、職場や家庭内でのすべての業務や役割から解放し、全面的な休息を保障することである。業務に関する責任から仕事を休まずに治したいと希望する労働者も多いが、うつ病の治療では休養こそ最大の治療手段であることを認識しなくてはいけない。休養の上での薬物療法でないと、実際に好転は見られない。
重症の場合、ストレスから身を遠ざけるために仕事を休むなど、しっかりとした休養を取ることが必要になる。また、場合によっては入院を要する。ストレスケア病棟での休息入院とうつ病に関する認知療法、集団療法などはとても効果的である。特に自殺の危険が高い場合などには、医療保護入院という本人の意思によらない強制的な入院(家族、保護者等の同意は必要)が必要になる場合もある。ただし、入院によっても自殺が完全に防げるわけではない。
うつ病は完全に回復する病相性疾患であるが、うつ病相から完全に脱出したという指標は、1か月連続して、睡眠、食欲、起床時の気分が良好で、新聞やテレビに興味を持てて、散歩、買い物、趣味のスポーツなどに出かけられるような状態になることである。2週間程度の安定で、脱出と判断するのは時期尚早である。治療の専門家もこのうつ病からの脱出の指標を理解しているわけではなく、うつ病の患者が求めるままに「復職可能」と診断書を書いてしまい、早すぎる復職で再発を招く事態もいまだに克服されてはいない。
すっかりうつ病相を脱してから、復職可能の診断書が出されると、復職判定会議を当事者、上司、人事課スタッフ、産業医、精神科医で行い、復職可と判定された場合に、リハビリ勤務(4 時間、6 時間、8 時間)を3か月から6か月(ケースによりそれ以上)行うことになる。復職不可と判定されれば、引き続き休養できるように主治医に連絡をする。リハビリ勤務システムの導入により、復職後早期の再発は激減している。外見上普通にしているように見えても、復職後2年までは、再発の不安を抱いていることがしばしばである。通院や服薬は復職後1 年で終了するケースもあるが、職場でのアフターケアは2年を目途に続けることが望ましい。
こうしたリハビリ勤務が正式に導入される以前は、休養加療中に「試験勤務」「ならし勤務」と称して1~2か月出勤させ、業務遂行を管理者が見た上で復職可能の判断を行うというインフォーマルでリスキーな方法を取り入れていた職場もあった。リスキーというのは通勤時も含めた災害時の補償がないこと、インフォーマルというのは労働安全衛生法にも抵触する可能性があるからである。安全配慮義務は治療の保障であり、再発予防のための復職後の就業時間や業務内容の配慮である。「休養中の試験勤務」をすでに導入しているところは、早急に撤廃し、復職決定後のリハビリ勤務制度に移行すべきである。

4.うつ病と睡眠の関係
うつ病発症・再発の危険因子としての睡眠障害が近年注目を集めている。以下ではうつ病と睡眠の関係について、長時間労働による睡眠時間の減少という切り口で探る。

1)うつ病に伴う睡眠障害
WHO によれば、先進国で生活に支障を来す疾患の中で、虚血性心疾患に次ぐ第2位の位置にあるうつ病は、2020 年にはその位置を第1位にすると予測されている。うつ病を始めとする気分障害は、長期の休業だけでなく、自殺による甚大な社会的損失をもたらす。
うつ病に随伴する最も一般的な睡眠障害は不眠で、うつ病患者の80%から85%程度で認められる。典型的には中途覚醒が頻回または長期化したり、早朝に目を覚ましたりする。入眠障害型不眠が起きることもある。一方うつ病の15%から20%程度で過眠を発現することがあり、日中の眠気や疲労感が増大したりする。さらに気分障害になりやすい患者の場合、これらの睡眠異常は症状の消失後も持続する、あるいは初回のうつ病の発症前に認められることもある。

2)24 時間型社会と健康障害
徹夜や夜なべが美徳とされる「睡眠軽視」の国である日本は、この40 年間で確実に夜型化が進行し、睡眠奪取社会に陥っている。加えて「24 時間社会」「国際化社会」の名のもと、最近ますます交代勤務や夜勤労働が広がっている。
厚生労働省が5年に1度行っている「労働環境調査」によると、深夜労働には労働者全体の20.7%が従事し、そのうち体調不良を訴える人が36%で、具体的には「深夜労働の期間が長いほど体調不良が多い」、「医師に病気と診断された人が17%で、内訳は胃腸病(51%)、高血圧(23%)、睡眠障害(19%)、肝疾患(13%)」と発表した。
さらに厚生労働省からは「1か月100 時間、2か月平均80 時間、6か月平均45 時間」を超えた労働者には、産業医による保健指導をさせるとした通達が出ている。通達では、長時間労働は、睡眠時間を減じ、そのことがさまざまな健康障害を引き起こし、ひいては過労死を生むとしている(図2)。
長時間労働は「睡眠不足」につながり、結果としてうつ病を発生せしめ、自殺に至る危険性が高い。

図2 厚労省の過重労働対策

3)不眠の要因
睡眠には、個人差、年齢差、性差、季節変動があるが、加えて心理社会的ストレス、心身の病、飲酒や治療薬などの影響を受ける。わが国では、日々ストレスを感じるという人が60%を超えており、不眠を始めとする心身の不調の訴えが多い。現代人の睡眠障害の特徴を列挙すると、以下の3つになる。
①あたかも眠りが無駄であるかのように睡眠を削っている。
②加齢とともに不眠を訴える人が増えている。先進国ほどその傾向が著しい。
③昼間の良好な運動、適度なストレス、食事、飲酒などが確実に睡眠に影響する。
人間が体験するストレスは、戦争、テロ、恐慌、大災害など、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすほど強烈なレベル、職業上では、納期に迫られる過重労働(overwork)、長時間の過密労働(overtime work)、陰湿ないじめ、ノルマを強要するパワーハラスメントなどの重大なレベル、人生上では、愛する人との死別、離婚、リストラや失業、結婚などの中程度レベル、日常生活では夫婦喧嘩、駐車違反といった軽微なレベルまでいろんな段階がある。もちろんストレスの対処能力には個人差があるが、こうした内外のストレスで確実に睡眠は障害される。

4)うつ病発症の危険因子としての不眠と睡眠不足
先に述べたように、うつ病発症・再発の危険因子としての睡眠障害が近年注目を集めている。睡眠障害の訴えのない群に比べて、不眠を訴えるものに占めるうつ病の頻度は5倍、過眠を訴えるものに占めるうつ病の頻度は2 倍という横断面でのデータがある。また、睡眠障害を訴えた人を数年から数十年追跡した結果、うつ病の発症率が2 倍から5倍という結果が報告され、睡眠障害自体がうつ病発症の危険因子であることが明らかとなっている。うつ病が回復した後も、睡眠障害を持続する場合は、再発率も高いことが明らかとなっている。こうした知見から、うつ病の発症予防に睡眠学的介入が寄与する可能性が示唆されている。
これだけ重要な位置を睡眠が占めているにもかかわらず、職場のストレス負荷要因と脳・心臓疾患との関連についての国内での認識の多くは、長時間労働による睡眠不足や不眠は、ストレス反応や疲労の指標という程度の位置づけに留まっている。

5.21 世紀の日本の睡眠問題
平日の睡眠が本来必要とする睡眠時間より2 時間以上少なくなっている状態が長期化すると週末に「寝だめ」をしても、疲労は回復せず、昼間の眠気、集中困難、作業能率の低下、胃腸障害など心身の不調を引き起こす。睡眠不足症候群は人口の2%とされているが、慢性的睡眠不足の人は、5人に1 人と推定されている。1 日24 時間をどのようにマネージするのか。現代人の健康管理に夜間の十分な睡眠という視点が欠落している。
さらにノルマや納期に追われ、休むまもなく、睡眠を犠牲にして日々働く人々の心身の健康障害が、メタボリックシンドロームであり、睡眠時無呼吸症候群である。近年、睡眠不足や不眠が過食に関連し、その結果生じる肥満が、睡眠時無呼吸症候群につながるという悪循環を形成していることが示唆される報告もある。こうした心身の健康を阻害する現状をトータルに見て今日のわが国睡眠と健康問題をまとめると、図3のようになる。

図3 今日の日本の睡眠問題

6.自殺予防のために
産業革命以後、労働形態は革命的変化を遂げた。エジソンによる白熱電灯の発明はそれに拍車をかけた。特にコンピュータがすべての産業に導入されてからは、10kg 以上のモノを持つ労働(肉体労働)は激減し、頭脳労働中心の労働形態に変化してきている。脳はどの程度の使用頻度に耐えうるのか?マラソン選手の心肺能力、筋肉疲労などのように、科学的管理が可能なのか?頭脳労働の現場で、「頑張れば出来る」という言葉に象徴される精神主義がまかり通ってはいないか?そこで、わが国における自殺予防に関して、いくつかの検討課題と提言を整理してみたい。

(1)莫大な経済損失
効率、生産性の影に自殺やうつ病が存在しているのだとすれば、生産管理と会社経営を行う首脳陣は、自殺やうつ病に伴う経済的損失が、日本国内で2兆円(推計)にも達しているという現実を直視しなくてはいけない。

(2)職域における健康管理
メンタルヘルスケアの重要性が増しているが、うつ病の初期兆候に注目して、早期発見・早期治療を行い、自殺予防に寄与しようというアイデアは不十分である。うつ病の危険因子としての不眠(睡眠不足も含む)に注目して、その段階で発症予防が出来るような介入が必要である。

(3)長期休暇制度の導入
高度な頭脳は、迫り来る納期と長時間過密労働による二重のストレスに晒されているので、プロジェクトの完成などの課題達成後は、少なくとも2か月の休暇制度の導入によるクーリングが必要ではないか。激増しているシステムエンジニアのうつ病の予防には、早期の導入が望まれる。コンピュータも、携帯電話もない自然な空間で、燦燦と輝く太陽光を浴び、日の出の後目覚め、日没とともに床に入る地球上の生命体が行っている生活リズムによって脳の疲労回復ができるような健康管理システムを導入すべきであろう。

(4)強力な自殺予防策の推進
欧米人はキリスト教の教えもあり、自殺は他殺と同様「殺人」の罪という死生観があるのに対して、日本人は自殺を人生選択の一つとして容認したり、自己犠牲の極限として美化したり、一族の恥だと卑下したりする特殊な文化背景を持っている。これは、仕事観、労働観にも関連しているが、人生の半分(20 歳前後から60 歳前後)程度参画する労働で、命を削る、命を落とす程の価値はないとする西欧型の労働観に学ぶ必要がある。青年失業者、高齢者などの自殺も相当数を占めるわが国においては、自殺予防対策会議を持つことは端緒に過ぎず、実際的な効力のある活動(地域でも職域でもいくつかのモデルが登場し始めている)を欧米にもまして推進することである。

7.おわりに
少子高齢社会に突入したわが国で、世界に誇るものづくりの技を伝承し、経済発展を続けるには、結婚や育児が可能な職場環境が急務であることは政府財界も認めるところである。人類の拡大再生産が社会発展の基盤であるという観点を失っていないのであれば、人間こそが最大の資産であり、「壊れたら捨てる」というモノの様に扱う時代は前世紀の遺物にしなければならない。ところが最近の政府・経団連の目論む労働時間無制限の提案は、少子化対策とは矛盾している。人間の頭脳労働の中枢であるBrain(脳)も、車のバッテリーのように過剰に使用し続けると放電ばかりで、作動しなくなる臓器である。裁量労働制の拡大などはそのことを認識していない非科学的なもので、反人類史的ですらある。脳の充電は、数百万年の昔から、十分な睡眠と余暇によって保たれてきたことを銘記すべきである。
21 世紀のメンタルヘルスケアの最重点課題となっているうつ病の爆発的増加とそれに伴う自殺増加の防止のための科学的解明と抜本的施策が切望されている。2010 年を目標に2000 年に策定された「健康日本21」の自殺率20% 削減目標は一向に進展がなく、2015 年に先延ばしされたままである。わが国で巨大なパラダイムシフトが今ほど要請されている時はない。政府や財界の首脳が認識すべき最優先課題の一つであろう。
参考文献
1) American Academy of Sleep Medicine: theInternational Classification of Sleep Disorders:Diagnostic and coding manual. 2nd edition. 2005(日本睡眠学会診断分類委員会監訳・松浦千佳子訳 医学書院 発刊予定)
2) 藤野善久、堀江正知、寶珠山務、筒井隆夫、田中弥生:労働時間と精神的負荷との関連についての体系的文献レビュー 産衛誌2006, 48: 87-97
3) 粥川裕平:復学や復職段階でのうつ病のケア 上島国利編:うつ病診療のコツと落とし穴 中山書店 2005、143-145
4) 粥川裕平、北島剛司、岡田 保:抑うつ症状・ストレスに伴う睡眠障害の特徴と問題点をみる 清水徹男編:睡眠障害治療の新たなストラテジー 先端医学社2006121-127
5) 川人 博:過労自殺と企業の責任 旬報社 2006
6) 本橋 豊ほか著: STOP! 自殺 海鳴社 2006
7) 森岡孝二:働きすぎの時代 岩波新書 2005

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安眠と自律神経の乱れ

昨日の月
実はこのクレーターの中に「LOVE」と読める影があるのだそうです。日本の天文愛好家が見つけ、米航空宇宙局(NASA)で今日の天文写真に選ばれたのだそうです。愛好家が見つけたのは、今年の3月24日。同じ条件になるのが昨日11月15日だったのだとか。携帯のカメラでもそれなりに撮れてる?

安眠と自律神経の乱れ

眠らなければならないのに眠くならないときは、困ったなというだけで、つらいというほどではないです。むしろ翌日がつらいのかもしれません。

やはり一番つらいのは、眠いのになぜか眠れないとき。体は疲れていたり、頭の中も疲労感があるのに、動悸がしたり、手足や体が落ち着かずに寝るに寝れない。

自律神経の乱れ

自律神経の乱れは、休日などで昼間寝てしまったり、夜更かし朝寝坊を繰り返したりして、生活時間のずれが生じることで起こりますが、どちらかと言えば眠らなければいけない時間なのに眠くならないといったことで「困ったな」となります。

同じ自律神経の乱れでも過度のストレスにより、体は眠りたいのに、心臓がドキドキ(動機)して眠れないほうが、「辛い」不眠となります。

このような時には、頭の中をすっきりさせることのほうが早道になるのですが、簡単に解消しないからストレスになるわけですね。

よくネットでは、安眠の為の方法として、暖かいものを飲むとか、呼吸法などが紹介されています。

認知行動療法では、眠れないときには一度ベッドから出ることを推奨します。これはベッドの中で眠れないと、体が「ベッド=眠れない」と条件づけて覚えてしまうことで、不眠を助長することにつながるからです。

ただいつもは眠れるのにたまたま今日は眠れないときなどは、一度起き上がって何かすると、余計に気持ちが焦ってしまうこともありますので、とりあえず簡単な方法として、いつもと違う方法で寝るということが効果的です。

ストレスが強い時それが原因でイライラしたり動悸がしているときは、脳のバランスが崩れている時です。

単純に言えば、いつも右を向いて横向きで寝ているのであれば、左を向く。あおむけで寝ているならうつ伏せになる。右に目覚ましを置いていれば左に置く。北向きに寝ているなら南向きで寝るなどです。

もし寝る前に準備時間が取れるのであれば、右利きなら左手でいろいろ作業する事も効果があるようです。

単純にいろいろ考え事が頭から離れないときは、「眠れない不安があるときの睡眠法」が効果的です。

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